長生きすればするほどお金を受け取れるという「トンチン性」を高めた個人年金保険です。その代り、早く亡くなった場合の死亡給付金が、払込保険料よりも低く設定されています。解約返戻金も低い設定となっています。

これは「死亡した方の年金分を生きている方へ移す」という性質を持っているものであり、日本の年金制度と少し似ている形を取っています。生きている間、ずっとお金を受け取りたいというのは自然な欲求でもありますので、この商品はその点が大きな魅力になっていると言えます。

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押さえておきたい注目ポイント

日本生命の個人年金保険「Gran Age(グランエイジ)」の大まかな特徴をサッと知りたいという人向けに、押さえておきたい要点だけをピックアップしました。

【メリット】

  • 終身まで年金を受け取れるのが最大の魅力
  • 体調に不安がある時は受取方法を変えられる

【デメリット・注意点】

  • 早く死亡した場合の返戻率がとても低い
  • 保険料が高い。そして損をした場合の経済的ダメージがかなり大きくなることも
  • 詳細を知りたい、さらに他と比較したい場合は保険相談サービスを利用を検討したい

以下、詳しい説明に入りますので、興味がある方は読み進めてもらえればと思います。

Gran Age(グランエイジ)の詳細

男性の返戻率の例
・5年保証期間付終身年金
・契約年齢:50歳
・年金受取開始年齢:70歳
・月払保険料:50,790円
・年金額:60万円

年齢払込保険料総額受取年金総額返戻率
80歳1,218万9,600円600万円約49.2%
90歳1,218万9,600円1,200万円約98.4%
100歳1,218万9,600円1,800万円約147.7%

女性の返戻率の例
・5年保証期間付終身年金
・契約年齢:50歳
・年金受取開始年齢:70歳
・月払保険料:62,526円
・年金額:60万円

年齢払込保険料総額受取年金総額返戻率
80歳1,500万6,240円600万円約40.0%
90歳1,500万6,240円1,200万円約80.0%
100歳1,500万6,240円1,800万円約120.0%

※ 上の表は2018年8月現在の保険料です。

管理人taka管理人taka

一生涯貰える年金ですので、保険料は他と比べて高めです。また、女性の方が長生きするため、男性よりも保険料が高くなっており、返戻率も下がっています。90歳の時点でも男女ともにまだ元金割れしているのが気になります。

ちなみに個人事業主の場合は個人型確定拠出年金(iDeCo)の方がお勧めですので、個人事業主の方はそちらをチェックしておいてください。
個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」のメリットとデメリット、初心者が確実に押さえておきたい基本情報をまとめました

保障内容

項目内容
契約可能年齢50歳、60歳、70歳、80歳
年金受取
開始年齢
50歳契約の場合:60歳、70歳、80歳
60歳契約の場合:70歳、80歳
70歳契約の場合:80歳
80歳契約の場合:85歳
年金受取期間5年保証期間付終身年金、10年確定年金
払込回数月払、半年払、前納
払込方法口座振替、クレジットカード
公式サイトGran Age(グランエイジ)について|日本生命保険相互会社

メリット部分

終身まで年金を受け取れるのが最大の魅力

グランエイジの最大の魅力と言えるのが「終身まで年金を受け取ることができる」というところでしょう。これは現状では他の個人年金保険にはない保障内容で、個人事業主が入れる国民年金基金や厚生年金(国民年金)と似たような仕組みを持っています。

死ぬまでずっと年金を受け取れるのは凄く魅力的ですよね。公的年金と合わせることで、贅沢をしない普通の生活であれば十分に暮らしていける財源を確保したということになります。

ただし、そのメリットを生み出す代わりに保険料を払い終わるまでは解約返戻金(死亡給付金)が低く設定されている、そして年金受取開始後は死亡保障がなくなるので早く亡くなると大損になるという代償が用意されています。(5年の保証期間は用意されている)

このような仕組みは「トンチン性」と呼ばれるもので、「死亡した方の年金分を生きている方へ移す」という性質を持っています。この仕組みは被保険者本人にとってはとても安心できるものですが、金銭的な面で遺族に残せるものが少なくなるということも意味しています。

また、90歳の時点では男性でも返戻率が100%を超えず、女性の場合は90歳時点では80%にしか達していないことは注意しておかなければいけないポイントです。そのため、日本はかなりの長寿大国とはいえ、払い込んだ保険料以上の年金が貰える人は半分以下になる可能性が高いと言えます。(これに関してはデメリット部分でも解説しています)

体調に不安がある時は受取方法を変えられる

グランエイジには受取方法が3つあります。

5年保証期間付終身年金:終身で年金を受け取る形式。早く亡くなった場合も5年間分の年金は保証されている。

10年確定年金:終身で受け取ることはできないが、10年間、確実に年金を受け取ることができる。(一般的な個人年金と同じ方法)

一括受取:保険料の払込が満了した時に、一括で受け取れる。(10年確定年金よりも返戻率が低い)

終身まで年金が貰える「5年保証期間付終身年金」のままでも良いのですが、年金開始時に「10年確定年金」もしくは「一括受取」に変えることも出来ます。

ちなみに10年確定年金にした場合の返戻率は男女ともに悪くなく、50歳契約で70歳年金開始の場合は男性で106.7%、女性で105.7%になりますので、年金開始時に健康状態に不安を感じる場合は「10年確定年金」にしておくのが良いでしょう。

「5年保証期間付終身年金」の場合は早く亡くなると受取総額がとても低くなってしまうので、70歳(もしくは80歳)の時点で健康状態を見てから受取方法を選択ができるのはありがたいと言えますね。

管理人taka管理人taka

10年確定年金よりも一括受取の方が返戻率が低くなっていますので、年金開始時に日本生命に電話して両方の返戻率を確認しておきましょう。

デメリット部分

早く死亡した場合の返戻率がとても低い

グランエイジでは受取方法を「5年保証期間付終身年金」にした場合は終身で年金を受け取れるようになりますが、死亡保障は付かないため、早く亡くなってしまうと貰える年金がとても少なくなるという事態に陥ります。

つまり早く亡くなると払い込んだ保険料の分さえ回収できないため、損(元金割れ)をしてしまうのです。例えば年金開始6年目で死亡した場合、返戻率は25%~30%くらいにしかなりません。1,000万円前後の損失になってしまうのです。これは非常に痛いですね。

返戻率が100%を超えるのは90歳以降:

ちなみに、50歳で加入して70歳から年金受取りを開始する場合、男性は91歳まで生きてようやく払った保険料分は回収できます。女性の場合は何と96歳まで生きないと返戻率が100%を超えないのです。

これって実際のところどうなのでしょう?多くの人が長生きしたいと思っているでしょうが、実際に生存率は果たしてどのくらいなのでしょうか。

グランエイジが用意してくれたPDF(こちら)によると、2014年の統計では男性は90歳までの生存できるのは約5人に1人、女性は95歳まで生存できるのは約5人に1人となっています。

つまり、現状では約5人に1人くらいしか払い込んだ保険料以上の年金を受け取ることは出来ないということになります。これはなかなか痛い数値になりましたね。

ただし、50年前と比べると男女の平均寿命は10歳以上も上昇しているというデータもあります。今後も医学の進歩と共に男女の平均寿命は上がるという予測が立てられているので、5人に2人、場合によっては5人に3人は返戻率が100%を超えるまで生きられる時代になるかも知れません。

さすがに5人中3人が返戻率100%以上が貰えるというのは希望的観測すぎますが、可能性がない訳ではありません。ただ、やはり半分くらいの人は返戻率100%を切ってしまいます(つまり損する)ので、ちょっとギャンブル性が高い商品なのかも知れません。

保険料が高い。そして損をした場合の経済的ダメージがかなり大きくなることも

グランエイジは50歳から加入できるようになるため、年金分の保険料を急速に払っていかなければいけません。そのため、月々の保険料がとても高くなります。

もし10年間で支払おうと思った場合は月々10万円以上、20年間で支払う場合でも月々5万円くらいの保険料を支払うことになるため、そのお金を用意できない場合は加入するかどうかの選択肢すらなくなります。

また、すぐ上でも言っていますが、早く亡くなってしまった場合の損がかなり大きいです。年金開始6年目で死亡した場合、1,000万円前後の損失になってしまいます。これは経済的に痛すぎます・・。

しかも年金開始が70歳、または80歳になるため、早い段階で何らかの病気で死んでしまうことも十分考えられます。そのため、「5年保証期間付終身年金」にした時点で損をすることを覚悟しなければいけなくなります。

もしも損をしたくないなら、受取方法を「10年確定年金」もしくは「一括受取」にするか、または他の個人年金保険を検討する必要が出てくるでしょう。

申し込み前の注意点

詳細を知りたい、さらに他と比較したい場合は保険相談サービスに行くのがお勧め

グランエイジは個人年金保険の中でもかなり特殊なため、この商品に興味がある場合は無料の保険相談サービスを利用して商品詳細をさらに深く聞くとともに、他の個人年金保険と比較してもらった上で検討するのが良いかと思います。

もしもグランエイジを真剣に検討したいという方は是非とも保険相談サービスの利用も考えてみてください。

お勧めのサービスは「保険見直しラボ」と「保険見直し本舗」です。この2つの会社は他の無料保険相談サービスと比べてもワンランク上(もしくはそれ以上)のメリットを提示してくれているため、現状では最も利用する価値のあるサービスだと思います。

どちらを受けるか迷う方はひとまず2つとも相談を受け、気に入った対応をしてくれた方を選ぶのが一番良い方法かと思います。もしその時間がない方は、保険見直しラボだけでも利用してみることをお勧めします。

保険見直しラボなら面談+アンケート回答で1,000円~1,500円相当のお好きなプレゼントを一つ貰うことが出来ます。

保険見直しラボのメリット、デメリットなど
保険見直し本舗のメリット、デメリットなど

ちなみに、加入の意思がまだない状態でも保険相談サービスであれば嫌な顔をされることは一切なく、気軽に相談できるのでお勧めです。様々な会社の個人年金保険との比較もしてくれますし、もしくは他に興味がある生命保険について一から説明してもらうなど、保険についての疑問点はこの機に一気に解決出来ます。資料が欲しい方にもお勧めです。

管理人の最終評価

終身まで年金が貰えるのは確かに魅力的ではありますが、今後日本人の寿命がどれほど延びるかでお勧め度が変わってきてしまうため、現時点では判断が難しい商品と言えます。

長生きすることを想定する場合は大きな魅力を感じれますが、そうでない場合は特に魅力を感じることはないでしょう。人によって大きく評価が変わるのではないかと思います。

個人的な評価としては悪くないと思っています。が、それも人の価値観によるので、何とも言えないのが現状ですかね・・。

また、返戻率に感じては同じトンチン年金である第一生命の「ながいき物語」の方が高いので、トンチン年金を検討する場合はそちらも合わせて検討してみるのが良いでしょう。

管理人taka管理人taka

個人年金保険をお探しの方はこちらの個人年金保険 おすすめの比較と評価ランキングのページがお役に立てると思います。

この保険に加入中の方、見積もりを既にもらっている方

この記事を読んでいる方の中には、保険会社の担当営業や保険ショップの担当者から、この保険の設計書(見積もり)を既にもらっていて、「この保険に決めて本当にいいのだろうか・・・?!」と懐疑的になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

あるいは、既にこの保険を契約したものの、「なんか違う気がする・・・」「間違えたかも・・・」と不安になっている方もいらっしゃるのでは。

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自分たちの必要保障分を見極め、保険料とのバランスを取ることが、この保険を選ぶうえで重要になるでしょう。

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この記事を書いた人

taka
taka
当サイト「takaの保険節約術」運営者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者。骨折&手術で身をもって保険の大切さを知って以降、独学で身に付けた保険の知識を紹介するようになりました。FPから紹介された保険の見直しもやってます。保険だけでなく安定度の高い資産運用方法を常に模索していますので、興味がある方はLINEの方でご質問を。ラーメン、焼肉、テニス好き。

保険契約を検討される際には、契約概要を必ずご確認下さい。

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