CMで有名になった住友生命の終身保険です。あまり評判が良くない「定期付き終身保険」ではありますが、保障内容は充実しています。
ただし、あまりにも保障内容が多くて分かりにくく、しかも保険料がかなり高くなってしまうため、この保険を検討する場合は自分だけで決めることはせず、住友生命のコンサルティングを受けるか、もしくは保険ショップに在籍しているプロのFPとじっくりと相談した上で決めるのが良いかと思います。
パンフレットなどを見るとかなり高い保険料が提示されていますが、これらは保障を減らすことも可能で、自分に合った保障内容と保険料に変更することも可能です。
特に重度の障害を負った時に適用される「生活障害収入保障特約」は他の就業不能保険と比べてもお勧めとなっています。万が一に備えたい場合にはかなり役に立ってくれることでしょう。
押さえておきたい注目ポイント
住友生命「Wステージ 未来デザイン 1UP」の大まかな特徴をサッと知りたいという人向けに、押さえておきたい要点だけをピックアップしました。
- 保障内容については文句なし
- Vitality(バイタリティ)を利用できるようになった
【デメリット・注意点】
- 「定期付き終身保険」という前評判の悪さ
- 保障をあれこれ付けると保険料がかなり高くなる
以下、詳しい説明に入りますので、興味がある方は読み進めてもらえればと思います。
1UPの詳細
月払保険料の例
・主契約:保険ファンド(月額2,000円)
・生活障害収入保障特約:年金額180万円
・収入保障特約:年金額120万円
・LiVガード特約:200万円
・災害・疾病関係特約付
年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
20歳 | 18,696円 | 17,864円 |
30歳 | 20,796円 | 20,370円 |
40歳 | 26,278円 | 24,822円 |
50歳 | 38,555円 | 30,067円 |
※ 上の表は2016年12月現在の保険料です。
保障内容が充実している分、保険料はかなり高くなります。
保障内容
項目 | 内容 |
---|---|
資産形成や計画的な貯蓄 | ・保険ファンド(終身保険) |
就労不能・介護の保障 | ・就労不能・介護年金 ・就労不能・介護保障充実給付金 ・保険料払込免除 ・特定障害給付金 |
万一の場合の保障 | ・収入保障年金 ・死亡保険金 ・災害死亡保険金 ・災害保険金 ・障害給付金 |
生活習慣病や入院・手術 などについての保障 | ・特定重度生活習慣病保険金 ・がん診断保険金 ・入院保障充実給付金 ・災害入院給付金 ・疾病入院給付金 ・成人病入院給付金 ・がん入院給付金 ・手術給付金 ・放射線治療給付金 ・がん薬物治療給付金 ・先進医療給付金 ・先進医療保障充実給付金 ・運動器損傷給付金 ・顔面損傷給付金 |
保険料の払込が免除になる | ・保険料払込免除特約(総合型・生活障害型) |
各種サービス | ・障害年金サポートサービス ・ケア・アドバイス・サービス ・健康相談ダイヤル ・セカンドオピニオン・サービス |
公式サイト | Wステージ 未来デザイン 1UP | 住友生命保険 |
メリット部分
保障内容については文句なし
この住友生命の「Wステージ 未来デザイン 1UP」は確かに保障内容が充実しています。充実しすぎていると言っていいほどです。
終身保険を基礎として収入保障、就業不能保障、医療保障、がん保障などが付いており、ほとんど隙がないくらいの万全の形となっています。
それぞれの保障内容も問題なく良いのですが、特に就業不能保障の内容が良いです。他の就業不能保険は支払条件がかなり厳しく、しかも条件を開示していないため、病気やケガをして就業不能状態になっても保険金が貰えないケースもあるのです。
ですが1UPの就業不能の保障は「要介護2以上、または障害年金1・2級に認定されたとき」というふうにちゃんと決められているため、他と比べるとハードルが低くなっています。しかも生存している限り、64歳まで年金180万円を64歳まで貰えることが出来るのです。これは万が一を考えるとかなりありがたいと言えますね。
他にもがんと診断されたら一時金300万円が受け取れるがん保障、成人病での入院が1日2万円もらえる医療保障、先進医療による療養を受けた時に技術料と同額が支払われる先進医療特約、大黒柱が死亡した場合は毎年120万円を64歳まで受け取れる収入保障特約など、本当に私たちが生活するうえで考えられるリスクに対し、最大限の保障を受けられることができるようになっています。
ただし、これらの保障を全部を付けると保険料がかなりの額になってしまいますので、自分たちに必要な保障を見極めて保険料を希望の額まで抑える必要がでてくるでしょう。
Vitality(バイタリティ)を利用できるようになった
2018年7月に住友生命がVitality(バイタリティ)という健康プログラムを取り入れるようになりました。
このVitalityは健康への取り組みに応じて年々保険料が安くなっていくというもので、初年度の時点で15%の割引され、1年で2%ずつ、最大30%も保険料が割引になっていくという仕組みになっています。
現状ではVitality健康プログラムを利用できる商品は2つに限られており、その一つが1UPなのです。
1UPは基本的に保険料がかなり高めに設定されていますが、このVitalityを利用することで保険料をかなり減らすことが可能となっています。
1UPに興味がある方は、このVitalityの内容は是非ともチェックしておいた方が良いでしょう。
⇒住友生命の「Vitality(バイタリティ)」が新発売!メリットとデメリット、申込み前の注意点などを解説します
デメリット部分
「定期付き終身保険」という前評判の悪さ
1UPは今ではかなり評判の悪い「定期付き終身保険」の形を取っています。定期付終身保険は昔は各生命保険会社で主力商品として発売されていたのですが、その内容の誤解されやすさから多方面からバッシングがあり、今ではどの保険雑誌・保険サイトでもお勧めしていない「要注意の保険商品」として扱われているものです。
要注意の理由を簡単に言うと、保険料が高いにもかかわらず、保障のほとんどが掛け捨てという部分にあります。土台部分の終身保険だけは一生涯の保障となっていますが、終身保険にはわずかな保障額しかありません。それなのにそれ以外の保障がたくさんあるので保険料が凄く高くなっているのです。
あまり保険に詳しくない人は「これだけ高い保険料を払っているんだから、将来の保障も万全だろう」と誤解をして加入を検討してしまうのです。ですが実際は老後の保障はほんのわずかしかなく、払い込んだ保険料の方がはるかに高くなってしまいます。
それを理解したうえで加入したならばいいのですが、あまり保険に詳しくない方は相談員に言われるがまま加入してしまい、結果として老後の資産となる部分がとても少ない結果になってしまう場合が多いのです。そのような方は「こんなはずじゃなかったのに・・」と考えても不思議ではありませんよね。定期付終身保険とはそんな誤解を生みやすい商品のため、あまり評判が良くないのです。
確かに老後になるまでは保障はもの凄く充実していますが、老後はそれまでにあった保障が一気になくなり、終身保険の数百万円部分(または数十万円)だけが残る形になります。老後になってからの方が病気やケガになる可能性が断然高いですが、その時期からはほとんど保障がなくなっているのです。しかも保険料が高いため、貯めるはずだった貯金もできていないという状況も十分ありえます。
そのような商品のため、当サイトでも定期付終身保険はあまりお勧めしていません。ですが1UPはそれで終わらせてしまうには少しもったいない保障内容をしているため、多少保険料が高くても充実した保障を求めるのであれば加入を検討してもいいのではないかと思います。
保障をあれこれ付けると保険料がかなり高くなる
1UPは色々な保障を組み合わせて契約することができ、結果として老後までの保障内容は万全と言えるくらい充実させることも出来ます。ですが、色々な保障を付けるとそれだけ保険料がかなり上がってしまい、あれもこれもと付けるといつのまにか生活費を圧迫するくらいの保険料になってしまいます。
例えばパンフレットに載っている
・主契約:保険ファンド(月額2,000円)
・生活障害収入保障特約:年金額180万円
・収入保障特約:年金額120万円
・LiVガード特約:200万円
・災害・疾病関係特約付
このプランで契約する場合、30歳の男性の保険料は20,796円となっています。確かに保障が充実しているのは魅力的ではありますが、一般の家庭で保険料が2万円を超えるのはかなり厳しいのが現状です。
個人的には一般的な経済状況の家庭の場合、30歳男性であれば収入保障保険とがん保険の2つに入っていれば最低限の保障は用意できると考えています。その2つだけなら月々の保険料は6,000円程度で収めることができるため、余ったお金は全て貯金するか、または投資などで運用することができます。今なら確定拠出年金を利用するという手もお勧めですね。
ですが1UPの場合は2万円のほとんどの部分が掛け捨てになってしまうため、老後の保障となる部分がほぼ残らない形になってしまいます。「老後のお金は用意してあるから問題ない」というご家庭なら良いですが、一般家庭の場合はかなり痛い結果になるのではないでしょうか。
管理人の最終評価
保障内容はかなり良いのですが、保険商品に慣れていない人は特約の数が多すぎて訳が分からなくなる可能性が高いです。そして特約をあれもこれもと付けると保険料がかなり高くなるおそれもあります。
この保険に加入中の方、見積もりを既にもらっている方
この記事を読んでいる方の中には、住友生命の担当営業や保険ショップの担当者から、1upの設計書(見積もり)を既にもらっていて、「この保険に決めて本当にいいのだろうか・・・?!」と懐疑的になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
あるいは、既にこの1UPを契約したものの、「なんか違う気がする・・・」「間違えたかも・・・」と不安になっている方もいらっしゃるのでは。
手元に1UPの設計書や保険証券がある方は、証券や設計書をアプリで撮影すると、プロがそれを診断して問題点やムダを指摘してくれる無料アプリ「パシャって保険診断」の活用をおすすめします。診断結果はなんと3000文字くらいの詳細なものだそうです。
AppStoreでも高評価で、既に1万ダウンロードを突破しているらしい実績のあるアプリです。
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この保険を資料請求する方、気になっている方
この商品を資料請求しようと思っている方や、ちょっと気になっている・・・という方は、アプリの中で今加入している保険を同じく撮影して送ると、自分に合った保険はどういった保険か、今の保険のムダはどこにあるかをプロのコンサルタントが指摘してくれます。
保険に加入していない方、加入中の保険は関係なく新たに保険検討がしたいという方でも、即コンサルタントを紹介してもらったり、電話・チャット相談ができる機能もあります。
裏技的な使い方ですが、保険ショップでもらった提案のセカンドオピニオン的に利用する人も、保険検討する上では自分で知識をつけることも重要ですが、きちんとしたプロのコンサルティングサービスを受けることも重要だと思います。
自分たちの必要保障分を見極め、保険料とのバランスを取ることが、この保険を選ぶうえで重要になるでしょう。
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保険ショップでの相談なら保険見直し本舗がオススメ
保険相談ができる保険ショップはいくつかありますが、私のオススメしているのは保険見直し本舗です。
全店舗で住友生命を扱っていますし、当サイトでの評価もトップクラスとなっています。
他の会社と比較も行ってくれますので、住友生命のコンサルティングよりも広い目線で相談に乗ってくれるかと思います。
⇒保険見直し本舗のメリットとデメリット、無料相談前の注意点など
この記事を書いた人
- taka
- 当サイト「takaの保険節約術」運営者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者。骨折&手術で身をもって保険の大切さを知って以降、独学で身に付けた保険の知識を紹介するようになりました。FPから紹介された保険の見直しもやってます。保険だけでなく安定度の高い資産運用方法を常に模索しています。ラーメン、焼肉、ラケットスポーツ好き。
保険契約を検討される際には、契約概要を必ずご確認下さい。
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