確定拠出年金って最近よく聞くけど、これって何がお得なの?自分にも関係あるの??
このような確定拠出年金に興味がある、または学び始めている方に向けて、このページでは初心者が押さえておきたい個人型確定拠出年金(個人で入れるもの)の基本情報をまとめています。
確定拠出年金はパット見は分かりにくいイメージが凄くあり、これまで投資を全くやってこなかった人にとっては本を読んでも分からないことだらけだという結果にもなりかねません。
そのような初心者の方に向けて、ここでは出来るだけ分かりやすく解説することを心掛けて記事を書いていますので、加入を検討している方は良ければ参考にしてもらえればと思っています。
このページの内容
このページでは、以下の順番で情報を載せています。
■目次
初心者の方は出来れば最初から読んでいくことをお勧めします。
それでは、いきます。
確定拠出年金とは?超簡単に解説
確定拠出年金とは、簡単に言うと「大事な老後の年金を自分で用意していこう!」という制度です。具体的には自分で投資信託を選び、毎月掛け金を支払い、自己責任で運用して、60歳を過ぎたら年金として使っていくというものです。
言ってみれば国が後押ししている投資といった感じです。通常の投資よりも税制面で大きなメリットが用意されているため、リスクが少ないのが特徴です。むしろ税制面の優遇措置が大きいため、掛金の上限が決められているくらいです。
また、日本は今後インフレになるだろうと予想されていますが、確定拠出年金の場合は預貯金と違ってインフレに備えることにもなるのです。何故備えられるかの細かい理由はちょっと複雑なので省きますが、インフレに備えたリスクヘッジになるのは間違いありません。
深刻な少子高齢化が進む中、公的年金だけに頼るのは正解とは言えません。間違いとも言いませんが、将来の自分を支えるのは今の自分を一番頼りにしなくてはいけない時代が来ています。
是非とも確定拠出年金について学び、上手く活用し、ご自身の資産を増やすことの楽しさを一緒に味わっていきましょう!
自己責任での運用となる
基本的に確定拠出年金は自分で投資信託を選びます。そしてその投資信託の運用商品の中から、自分で選択して運用を行います。
運用次第でお金の増減が変わってきますが、この増減は自己責任となっているのです。これは公的年金と比べて大きく違う部分ですよね。
この自己責任という言葉を聞くと「大きく減る可能性もあるのかな・・」と不安に思うこともあるでしょうが、長期間運用することでリターンのブレ幅が収縮していくため、時間を味方に付けられる方ならそれほど心配しなくても大丈夫だと思われます(保障は出来ませんが・・)。
また、60歳に近い人ほど運用の時間がなくなるため、若い人よりもリスクが高くなります。絶対的に安全でリスクがないという制度ではありませんので、そこは注意が必要です。
個人型確定拠出年金には誰が入れるのか
確定拠出年金には「企業型」と「個人型」があります。このページでは主にフリーランスの方が入れる「個人型確定拠出年金(
(iDeCo)」について解説しています。
さて、個人型確定拠出年金(イデコ)ですが、どういう人が加入できるのでしょうか。実はイデコは2017年になるまでは大きく分けて以下の2種類に当てはまる人しか加入することができませんでした。
- 国民年金に加入している自営業者
- 企業型確定拠出年金を導入していない企業の従業員
ですが、2017年1月から加入対象が拡張され、企業年金のあるサラリーマンや公務員、そして主婦の方も加入できるようになりました。
これで実質的に全ての人が加入できるようになったことになります。
企業型の確定拠出年金って何?誰が入れるの?
企業型と個人型は明確に異なる点があります。
それは企業型に加入できるのは「自分が勤めている企業が確定拠出年金を導入している方」という点です。企業型確定拠出年金は会社が月々の掛金を支払ってくれているというとてもありがたい状況であり、さらに増やしたい場合は個人が限度額の範囲内で掛金を拠出することも可能です。
ハッキリ言って個人型よりもだいぶお得な環境です。自営業の私から見ると羨ましい限りですね。
ただ、企業型の確定拠出年金は会社が導入していても当の社員にはあまり興味がなく、ほぼ放置状態の人がとても多いのが現状と言われています。
掛金の上限は?何歳まで払うの?
さて、個人型の確定拠出年金は月々いくらまで掛金を増やすことができるのでしょうか?何歳まで払うのでしょうか?
これに関してはすでに色々な情報サイトや証券会社・銀行が情報を発信しているのですでに知っている方が多いと思いますが、まだ知らない人のためにここでも書いておこうと思います。
まず初めに、掛金は60歳まで払い続けることになります。途中で支払いを停止したり、再開することも可能です。
そして月々の掛金の上限ですが、これはいくつかのパターンがあります。ちなみに、各パターン共通で、掛け金は5,000円以上1,000円単位で指定することができます。
国民年金に加入している自営業者 | 月6万8千円まで |
専業主婦・主夫 | 月2万3千円まで |
公務員 | 月1万2千円まで |
会社員 (企業型の加入者ではない) | 他に企業年金等がない場合:月2万3千円まで 他に企業年金等がある場合:月1万2千円まで |
会社員 (企業型の加入者) | 企業年金等がない場合:月2万円まで 企業年金等がある場合:月1万2千円まで |
このようになっています。
また、個人事業主の方でもし国民年金基金に加入している場合は、確定拠出年金と合わせて合計6万8千円までしか拠出することができないので注意してください。(将来のインフレに備えるなら確定拠出年金の方に掛けておく方をお勧めします)
ちなみに小規模企業共済(自営業者のみ)は国民年金基金や確定拠出年金に関係なく、上限7万円まで掛金をあげることができます。
また、確定拠出年金の掛金をもっと上げたい!と思う方がいるかも知れませんが、税金面で大きな優遇措置が取られているため、残念ながら上限が決められているのです。
最大のメリット!?掛金が全額控除になり、運用収益も非課税で、引き出す時もかなり優遇される
確定拠出年金の最大のメリットとも言えるのが「掛金の全額が所得控除される」という点です。これがいかにお得なのかは、数字で見れば一目で分かります。
まず、年収500万円の人が30歳の時に月掛金3万円で加入したとします。
- 1年間の掛金は3万円×12ヶ月=36万円
- 年収500万円の人の所得税は10%。住民税も10%。取られる税金は20%
- 36万円が全額所得控除される
- 36万円×20%=1年間だと7万2千円ものお金を毎年払わなくて済む!
- 60歳まで掛金を払うと、7万2千円×30年間=216万円も払わなくて済む!!
- 年収が高い人ほど所得税率が高くなり、さらに有利になる
どうでしょうか。月に3万円の掛金でもこれだけお得なのです。これを上限の6万8千円にして毎月支払うことを考えると・・・。掛金を増やすために仕事を頑張ろうって気になってきますね。
運用収益も非課税!
そして確定拠出年金は運用次第によっては複利でどんどん増えていきますが、その運用収益に対しても非課税となっています。通常の投資の場合は運用収益分に所得税が発生してしまいますので、この点も確定拠出年金の優遇されている点と言えます。
引き出す時に税金がかかるが、こちらも優遇されている
「掛金は全額控除した!運用収益も非課税だ!これって最強じゃないか!!」と思えてしまうほど魅力的な確定拠出年金ですが、引き出す時に税金(所得税)がかかるという点は注意しておかなければいけません。
あれ?それって結局は税金の引き伸ばし(課税繰り延べ)に過ぎないんじゃないの?結局は税金払うから何もお得になってないじゃないか!!と気付く方も多いと思いますが、実は60歳を過ぎてお金引き出す時にかかる税金も優遇措置が取られています。
- 年金受取:公的年金等控除の対象となる
- 一括受取:退職所得控除の対象となる
この2つの優遇措置のおかげで、年金形式で受け取ろうが一括で受け取ろうがかなり税制面でお得になるのです。
具体的には、年金受取りの場合は公的年金等控除の対象となり、65歳未満は年に70万まで非課税で、65歳以上は年に120万円までなら税金はかかりません。それ以上になると徐々に税金がかかるようになってきますが、それでも掛金全額控除でお得になるお金よりはかなり少なく済みます。
また、一括受取の場合は退職所得控除の対象となり、こちらもかなり税制面で優遇されます。特に長い期間(20年以上)支払うとさらにお得になっていくので、出来れば40歳になる前から始めたいところです。
ただし、一括受取の場合は一点注意しておくことがあります。個人事業主の方はあまり関係ないかも知れませんが、会社員の方で退職金と確定拠出年金の一括受取が同じ年になった場合、両方合わせて1回の控除しか受けられませんので、実質的に確定拠出年金の分がかなりの割合(場合によっては全て)が課税の対象になるという可能性も出てきてしまいます。
企業の従業員で個人型確定拠出年金を利用しようとしている場合、この点には注意しておいてください。
受取年齢、受取方法、60歳以降の運用について
確定拠出年金は原則的に60歳にならないと受取りを開始できません。例外的に60歳前に受取る方法もありますが、ほとんどの方は60歳からの支払いとなります。そして受取りを開始する際は70歳までに申請手続きをする必要があります。
もし申請をせずに70歳になってしまった場合も自動的に一時金(一括)として支払われるので安心です。
また、すぐ上でも解説していますが、積み上げたお金は「年金形式」か「一括」のいずれか好きな方法で受け取ることが出来ます。
税金面を考えると一括受取の方がお得なケースが多いですが、年金形式にした場合は残りの資産を受け取り終わるまで運用を続けることができるため、少しずつ増やしていくことも可能となっています。当然運用のリスクもありますが、安全性の高い運用商品に切り替えることも可能ですので、リスクは最大限減らすことも出来ます。
ちなみに、60歳になった時点ですぐに受取りを開始できますが、まだまだ運用して増やしたい!という場合は70歳まで給付を受けずに運用し続けることも可能です。
もしも60歳の時点で預貯金に余裕がある場合は、70歳まで運用するかどうか選択できるということは覚えておきたいところです。
特別法人税という爆弾の存在は知っておこう
あと注意しておかなければいけないのが「特別法人税」という存在です。こんな税金の名前、今まで聞いたことがないという人が多いと思いますが、個人型確定拠出年金に取り組む際はこのリスクを知ってから加入するかどうかを決める必要があります。
では特別法人税とは具体的に何なのでしょうか。
【特別法人税】
確定拠出年金の場合は、積立金の全額に、一律1.173%の特別法人税が課税される。なお、平成31年度末までは、特別法人税の課税は凍結されている。
そうなのです、もし特別法人税が実施されてしまった場合、私たちがコツコツと積み上げたお金から毎年1.173%が課税されてしまうのです。例えば積立金が500万円になっている年だと5万8千円くらい税金で取られてしまうことになります。
これが毎年続き、積立金が増えれば増えるほど課税額も増えていくことになります。これはかなり痛いですね・・。
ただし、実際は平成31年度末(以前は平成28年度末まででしたが、3年延長されました)を過ぎると課税が開始するかどうかはまだ未定のようです。出来ればこのままずっとやらないで欲しいところですが、どうなるかはまだ分からないというのが現状です。
個人型確定拠出年金を検討する際は、この特別法人税の存在を踏まえたうえで加入するかどうかを決めるようにしましょう。
とはいえ、やはり税制面、そして複利での運用のメリットを考えると、加入した方が良いと言えるでしょうが。
掛金は自由に変えられるのか?お金に困ったら辞められるのか?
個人事業主として仕事をしていくと、収入が少ない時もあれば多い時もあるでしょう。
「掛金を払うのが厳しい・・、少なくしたい」
「収入が増えたから掛金を一気に増やしたい!」
加入後はそんな要望も少なからず出てくると思います。
確定拠出年金は増額にしろ、減額にしろ、変えることができます。ただし、4月から翌年3月までの間で年1回しか変えられません。掛金変更の自由度は小規模企業共済に比べるとかなり低いのです。
また、掛金の積立を停止したり、その後に再開することも手続きを行うことで可能となります。
そして途中で辞められるかどうかですが、基本的に途中で辞めることは出来ません。さらに60歳まで引き出すことも出来ませんので、その場合は掛金の支払いを停止して運用のみを行っていく形になります。
いくら60歳以降の年金対策だからといって、こちらが自由に辞められないのはちょっと縛りが強すぎる気がしないでもないですね・・。
申込みはどこですれば良いの?
加入のための申込みは個人型確定拠出年金を受け付けている金融機関の窓口から行うか、または金融機関に電話して申込み書類を送付してもらうことも出来ます
金融機関は銀行や証券会社、信用金庫、保険会社などがありますので、手続き自体をすること自体は簡単に出来ます。
ただし、ここで初心者にとって一番のハードルが出現します。それは
どの金融機関を選ぶのか?
ということです。
金融機関の選び方は
・商品ラインナップはどうか
・口座管理料はいくらか
・信託報酬は低いか
などなど、本気で選ぼうとすると様々な観点から判断しないといけないため、自分の要望に沿ったところを個人で探すのは、初心者にとってはかなり難しいのが現状なのです。
そのため、ネットや書籍などでお勧めしているところなどを中心に見ていくのが初めの一歩となるでしょう。インターネットの情報は玉石混交ですので最終的には自分で判断する必要がありますが、それでも色々なサイトを見ることで知識も付きますし、かなり参考にはなると思います。
ちなみに、現時点で私がお勧めだと思っている金融機関は
・【楽天証券】個人型確定拠出年金
・SBI証券 iDeCo(イデコ)個人型確定拠出年金
この2つが良いのではないかと判断しています。それぞれのリンク先から公式サイトに入れますので、興味がある方は是非とも資料を取り寄せて、色々と比較・検討してみることをお勧めします。
ちなみに、私が利用しているのはSBI証券です。運用商品で良いのが揃っていますし、手数料も他と比較すると安いです。個人型確定拠出年金(イデコ)に興味がある方にはかなりお勧めだと思います。
もしSBI証券での管理人のポートフォリオ(購入ファンド)やメリット・デメリットなどを見たい方は、こちらのページをチェックしておいてください。SBI証券のイデコについて基本的なことは大体わかるかと思います。
⇒SBI証券のイデコ(iDeCo:個人型確定拠出年金)のメリットとデメリットを解説!管理人のポートフォリオも公開中
楽天証券のメリットやデメリット、お勧めファンドを知りたい方はこちらをどうぞ。
⇒楽天証券のイデコ(iDeCo:個人型確定拠出年金)のメリットとデメリット、申込み前の注意点など
この記事を書いた人
- taka
- 当サイト「takaの保険節約術」運営者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者。骨折&手術で身をもって保険の大切さを知って以降、独学で身に付けた保険の知識を紹介するようになりました。FPから紹介された保険の見直しもやってます。保険だけでなく安定度の高い資産運用方法を常に模索しています。ラーメン、焼肉、ラケットスポーツ好き。
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