よく「自営業の人は医療保険は必須だよ!」という言葉をよく聞きます。

これは自営業の人は「病気で働けない=収入がなくなる」という図式が成り立つ場合が多いためです。保険ショップなどの無料保険相談サービスでも、自営業の人はまず初めに医療保険の重要性をかなり説いてくるはずです。

私自身もFP資格を持ってはいますが自営業で生活しているため、「何かあった時のために、医療保険って多分必要なんだろうなぁ」と漠然と考えていました(何故か当時から加入する気にはならなかったため、今でも入っておりませんが・・)。

ですが、色々と医療保険や国の公的保障、最近の自営業のライフスタイルに対する知識が増えていくにつれ、「自営業とはいえ、別に医療保険は必須って訳でもないのでは?」と思うようになりました。人の考えって変わるものですね・・。

このページでは、何故私が「自営業とはいえ、人によっては医療保険は必須ではない」と感じたかの理由を解説していきます。個人事業主の方で、医療保険に加入すべきかどうか迷っている方は良ければ参考にしていただけたらと思います。

スポンサーリンク

自営業の人は公的保障が不十分!?会社員よりも医療保険の必要性が高い理由

何故自営業の人は医療保険の必要性が高いと言われるのか、それは国が用意してくれている公的保障(健康保険)が会社員よりも弱いからです。

サラリーマンが加入できる健康保険は、以下の7つを保障してくれています。

  1. 家族療養費
  2. 高額療養費
  3. 出産育児一時金
  4. 出産手当金
  5. 傷病手当金
  6. 埋葬料
  7. 公的介護保険(40歳以上から)

対して自営業が加入する国民健康保険には、上記の中の「傷病手当金」と「出産手当金」の2つが付いていません。そして傷病手当金は医療保険を検討するうえでかなり重要な公的保障となるため、自営業の方は医療保険の必要性が会社員よりも高いと言われているのです。

7つの保障について簡単に解説

上で7つの公的保障を挙げましたが、そもそも傷病手当金という保障がどんなものなのか、またはこれらの保障自体初めて聞いた・・という方も少なくないと思います。

そのため、まずはこの7つについて簡単に解説したいと思います。

家族療養費

かかった医療費の7割を負担してくれる制度。そのおかげで私たちは本来払うべき医療費の3割を負担するだけで済むようになっています。

この制度は健康保険の中でも一番有名で、ほとんどの人がこの3割負担を知っているかと思います。逆に言うと、健康保険の役割はこれしか知らないという方もかなり多いのが現状です。

高額療養費

手術などの高額医療を受けた場合、一般的な経済状況であればひと月での最大自己負担額を9万円以下で済ませられる制度です。

また、1年以内に3回以上の高額療養費の給付がある月があった場合、4回目からは自己負担額が44,000円まで下がります。

この高額療養費のおかげで莫大な医療費になることが少なくなるため、ある程度の貯蓄があれば医療保険に入らなくても対応できるようになっています。

出産育児一時金

出産した場合、子供一人につき42万円が支給される制度です。健康保険加入者、またはその妻が出産した時に適用されます。

出産手当金

出産のために会社を休んだ場合、出産前の42日間から、出産後の56日間までの範囲内で保障される制度です。標準報酬日額の3分の2が支払われます。

残念ながら自営業(国民健康保険)の場合は、この出産手当金を受け取ることは出来ません。

傷病手当金

業務外の病気やケガの療養のため、会社を休んだ場合に補償される制度です。会社を休んだ4日目から最長で1年6ヶ月まで支給されます。

1日の支給額は標準報酬日額の3分の2です。つまり、1年6ヶ月までは例え休んだとしても、これまでの66%のお金を貰えることになるのです。

この傷病手当金があるおかげで、会社員は医療保険の必要性がかなり低くなっていると言えます。また、業務上のケガで仕事ができなくなった場合は労災保険が保障してくれます。会社員って良いですね・・。

残念ながら自営業(国民健康保険)の場合は、この傷病手当金を受け取ることは出来ません。

埋葬料・家族埋葬料

被保険者、またはその家族(被扶養者)が亡くなった場合に5万円が支給されます。

公的介護保険

40歳以上の人が自動的に加入する制度です。介護や支援のサービスを受けた時の自己負担額が1割で済むようになります。

上記7つの保障について、より詳しく知りたい方はこちらのページへどうぞ。
健康保険があれば医療保険はいらない!?健康保険がどれほど役立つかを知っておこう
自営業は傷病手当金の保障がないため、医療保険の必要性が高くなるのが現状

上記7つの中で、病気やケガで入院した時に大きな助けとなってくれるのが「家族療養費」「高額療養費」「傷病手当金」の3つです。この3つがあることで、民間の医療保険の必要性を大きく下げてくれています。

しかしながら、自営業の人が加入する国民健康保険の場合、傷病手当金を受け取ることができません。そのため、病気やケガで長期間の入院や自宅療養を余儀なくされた場合、仕事によっては収入がゼロになってしまう人も出てきてしまいます。

治療費の方は高額療養費のおかげで莫大になることはありませんが、収入がなくなった中で毎月医療費を払い続けるのはかなりの痛手となります。

そのような理由から、自営業の人は公的保障が会社員よりも不十分となり、医療保険の必要性が高くなっているのです。

とはいえ、本当に自営業は医療保険が必要なのか?

以上のことから、自営業の人は会社員よりも医療保険に対してしっかりと検討しなくてはいけないのですが、とはいえ、じゃあ自営業の人は全員医療保険に加入した方が良いのかというと、決してそうではありません。

今はパソコンがあれば仕事ができる時代

何故かというと、今はパソコンとインターネットがあるため、自営業の人は会社員よりもより自由に稼ぐ方法を実践できるからです。そのため、例え入院中であろうとパソコンがあれば仕事ができるという人の場合は医療保険に頼らなくても良くなります。

ただし、一人親方やタクシー運転手などの「身体が資本」の仕事をしている方はこの方法は使えませんので、医療保険の必要性はかなり高いと言えますが。

医療保険はそもそも元が取れない確率が高いので、保険料を払うのがもったいない

また、そもそも医療保険自体の必要性が低いということも考慮しなくてはいけません。医療保険や手術や入院をした時に給付金を受け取ることができるものですが、そもそも手術はそれほど多くするものではありませんし、最近は医療の進歩により入院日数が大幅に少なくなっていますので、医療保険の活躍の場が減っています。

そんな中、大きな病気をしたとしても、支払った保険料を回収できるほどの給付金を受け取ることができるのでしょうか?正直言って、よほど入院日数が長引く病気にでもならない限り、支払った保険料を上回ることはないでしょう。つまり、ほとんどの方が損をすると言えます。

例えば、当サイトでお勧めの医療保険として挙げているオリックス生命の「新CURE(キュア)」で保険料を計算してみます。

【オリックス生命 新キュアの保険料】
・30歳男性
・終身保障
・60歳払済
・入院給付金日額:1万円
・先進医療特約付き
・月払保険料:4,416円
・総支払保険料:1,589,760円

男性30歳が終身保障、60歳払済で加入した場合、月々の保険料は4,416円60歳までに約160万円を支払うことになります。

1日入院した場合の給付金が1万円なので、160日間の入院でようやく元が取れることになります。終身保障なので生涯の入院を保障してくれることになりますが、それでも160日間も入院するものなのでしょうか?

入院日数は人によって大きく差がありますが、平均で32日くらいと言われています。ですがこれはあくまで平均であり、統合失調症の500日以上の入院・アルツハイマー病の200日以上の入院を含めたうえでの平均です。実際は半分くらいの人が10日以内で退院するのが現状で、がんであっても20日を超える入院はあまりありません。

生涯の入院日数となると人によって大きく異なるのでハッキリしたことは言えませんが、160日(手術給付金を含めると140日くらい)も入院するかはかなり微妙なラインと言えます。

つまり、多くの方は払い込んだ保険料以上の給付金を受け取ることができず、保険料を払うこと自体が無駄になることになります。一部の方のみ支払った保険料を超えて入院給付金を受け取ることができますが、可能性は低いと思います。

ただし、医療保険はある程度の長期入院になった場合の備えになるという考え方もあるため、一概に必要ないとは言えません。そうなんです、本当に保険の必要性ってひとそれぞれなので、こういう議題は結論を出すのが難しいんですよね・・。

高額療養費制度があるため、ある程度の貯金があれば必要ない

国民健康保険でも高額療養費制度が利用できるため、ひと月の医療費は8万円~9万円に抑えられます。また、年間で4ヶ月以上の治療になった場合、4回目からは自己負担額が44,000円まで下がります。

そのため、300万円(会社員なら150万円~200万円)くらい貯金がある方は医療費の備えとして十分な額を用意していることになり、医療保険の必要性はかなり低いと判断するFPもいます。実際私もその意見には同意です。損をする可能性が高い医療保険に加入するよりも、自分の貯金で対処するのであれば入院した分だけ自分で払えば良いのですから、損をすることはありませんからね。

ただし、何らかの重大な病気になり、数年単位の入院になってしまった場合は貯金だけでは追いつかなくなると思われます。そのような場合になって初めて、医療保険に入っておいた方が良かったと思うかも知れません。

ただし、そうなる確率は非常に低いことと、そもそも医療保険は保障される入院日数の上限が1入院で60日、通算で1,000日(新キュア参照)しか保障されませんので、結局医療保険に入っていても本格的な長期入院には対応できないことになるのですが。

また、基本的に私はパソコンがあれば仕事ができるため、何年入院しようが指が動かせて考えることが出来ればお金を稼ぐことができます。なので、私のような方の場合は医療保険は本当に必要ないな・・と思ってしまいます。

医療保険が必要な人と、そうでない人を分けてみる

医療保険が必要かどうかの考察は様々なパターンを考察しないと答えが出せないため、どうも文章が長くなってしまう傾向になります。読んでいる人もちょっと疲れてしまったことでしょう・・(^_^;)

なので、ここからは単純に「医療保険が必要な人、不要な人はどんな人か」を簡潔にまとめていきます。

医療保険が不要な方
医療費として使える貯金が300万円くらいある

会社員なら150万円くらい医療費で使える貯金があれば医療保険の必要性はとても低いと判断できますが、自営業の場合は傷病手当金がないので、療養中の生活費も貯金から捻出する必要があります。

そのため、250万円~300万円くらいの医療用貯金があれば、自営業でも医療保険は特に必要ないのでは・・と考えています。

パソコンさえあれば仕事ができる人

貯金がそこまではないにしても、入院・または自宅療養になった時にパソコンで仕事ができてしまう場合は医療保険の必要性はかなり低いと言えます。指さえ動かせて頭が回る状態であれば収入源は確保できますので、入院中とはいえ普段と変わらない収入を期待できるでしょう。

そのため、貯金が少ない状態であっても、パソコンが主な仕事の方は医療保険の必要性は低いです。

医療保険が必要な方
貯金がほとんどなく、ギリギリの生活を送っている方

収入が生活ギリギリで、貯金がほとんどない場合、入院・手術をすると一気にピンチになってしまいます。この場合は職種問わず医療保険に加入しておく方が安心できるかと思います。

パソコンで仕事ができる人の場合でも、ギリギリの生活の中で入院費と生活費のダブルパンチはかなり痛いですので、リーズナブルな医療保険を一つ探して加入しておいた方が無難かと思われます。

一人親方、個人タクシーの運転手など、体が資本の人

身体が資本の仕事をしている方は入院すると一気にピンチになります。この場合は収入がゼロになることに加え、治療費と生活費が重くのしかかってきます。

前述のように医療費用の貯金が300万円程度あるなら医療保険の必要性はかなり低くなりますが、もしそうでない場合は医療保険に入っておいた方が安心感は強いでしょう。

管理人taka管理人taka

医療保険をお探しの方はこちらの医療保険 おすすめの比較と評価ランキングのページがお役に立てると思います。

スポンサーリンク