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2000年から開始された公的介護保険制度。

この言葉自体初めて聞いたり、または聞いたことはあるけど中身は全然知らない・・という人も多いのではないでしょうか。

このページではそんな方に向けて、公的介護保険制度について「誰でも分かるように出来るだけ簡単に!」をモットーに解説を進めていきます。今まで介護保険の解説を見たけど分かりにくくてすぐに辞めた・・という経験がある方も、良ければ読み進めてもらえればと思います。

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公的介護保険制度はこの5点を押さえておこう

公的介護保険は大きく分けるとこの5点を押さえておけば問題ありません。

  1. 40歳以上になると強制加入
  2. 保険料は住んでる地域、収入によって異なる
  3. 要介護状態になった場合に介護サービスを受けられる(65歳未満の場合は条件あり)
  4. 介護サービスを利用した時の自己負担額について
  5. 公的介護サービスを受けるまでの流れ

それでは、一つずつ説明していきましょう。

① 40歳以上になると強制加入

公的介護保険は、40歳になると全員が加入する公的保険です。40歳から保険料を払い始め、亡くなるまで一生払い続けます。健康保険の介護版みたいなものです。

基本的には65歳以上の人を第1号被保険者、40歳~65歳未満の人を第2号被保険者と呼びます。

第1号被保険者第2号被保険者
対象年齢65歳以上40歳~65歳未満
保険料・年金年額18万円以上を受け取っている場合は年金から天引き
・それ以外の人は各市町村に納付
健康保険に上乗せ
自己負担・1割
・合計所得金額が160万円以上の人は2割
1割

保険料は65歳未満の場合は健康保険に上乗せされ、65歳以上になると年金から天引きする形で徴収されます。こちらが何か手続きを行う必要はなく、自動的に保険料の支払いが開始されます。

入らないという選択肢はあるのか?

基本的に40歳になると全員が強制加入となっているので、全員が保険料を支払う必要があります。

ただし、生活保護受給者の場合は加入することができず、保険料を支払うこともありません。じゃあ生活保護受給者の人は介護費用が全額自己負担なのかというとそうではなく、「介護扶助費」というものからお金を出してくれるため、生活保護受給者の方も保障されている形になります。

ちなみに、65歳以上の「第1号被保険者」になるとそのような括りはなくなり、全員が加入している形になります。その時、生活保護受給者も保険料を支払う必要が出てくるのですが、その分は「生活扶助費」から支給されることになっています。

ちょっとややこしいですが、基本的には全員が加入しているのです。

② 保険料は住んでる地域、収入によって異なる

公的介護保険の保険料は月々いくら支払うことになるのでしょうか?これについては状況によって異なりるため、それぞれで確認する必要があります。

第2号被保険者(40歳~65歳未満)の場合

健康保険・国民健康保険のどちらに加入しているかで公的介護保険料が異なります。

健康保険・収入に保険料率をかけた金額
・平成27年度の保険料率は1.58%
・勤務先と折半するため、半分の0.79%が徴収される
・月収が30万円の場合:30万円×0.79=2,370円が月々の保険料となる
国民健康保険前年の所得に応じて決まる
こちらを参考に:葛飾区の国民健康保険料の計算方法

第1号被保険者(65歳以上)の場合

65歳以上の場合は、世帯や所得状況、お住まいの場所によって保険料が異なります。

以下に参考として葛飾区の保険料を載せておきます。(ソースはこちら

所得段階対象となる方年額保険料
第1下記(1)~(3)のいずれか
(1)生活保護受給者
(2)老齢福祉年金受給者で、区民税世帯非課税
(3)区民税世帯非課税で、合計所得金額+課税年金収入額が80万円以下
28,704円
第2 区民税世帯非課税で、
合計所得金額+課税年金収入額が80万円超120万円以下
43,056円
第3区民税世帯非課税で、
合計所得金額+課税年金収入額が120万円超
53,820円
第4区民税本人非課税(世帯に課税者がいる場合)で、
合計所得金額+課税年金収入額が80万円以下
64,584円
第5区民税本人非課税(世帯に課税者がいる場合)で、
合計所得金額+課税年金収入額が80万円超
71,760円
第6区民税本人課税で、
合計所得金額が125万円未満
78,936円
第7区民税本人課税で、
合計所得金額が125万円以上200万円未満
89,700円
第8区民税本人課税で、
合計所得金額が200万円以上300万円未満
107,640円
第9区民税本人課税で、
合計所得金額が300万円以上500万円未満
114,816円
第10区民税本人課税で、
合計所得金額が500万円以上800万円未満
147,108円
第11区民税本人課税で、
合計所得金額が800万円以上1,100万円未満
172,224円
第12区民税本人課税で、
合計所得金額が1,100万円以上1,500万円未満
190,164円
第13区民税本人課税で、
合計所得金額が1,500万円以上2,000万円未満
208,104円
第14区民税本人課税で、
合計所得金額が2,000万円以上2,500万円未満
229,632円
第15区民税本人課税で、
合計所得金額が2,500万円以上
251,160円

③ 要介護状態になった場合に介護サービスを受けられる(65歳未満の場合は条件あり)

公的介護保険の保険料を支払い始めると、もし要介護状態になった場合に介護サービスを受けることができるようになります。

ただし、65歳以上の方とそうでない方とでは適用されるための条件が異なります。以下、それぞれの場合での条件を見てみましょう。

65歳以上(第1号被保険者)の場合

65歳以上の人(第1号被保険者)の場合、要介護状態になった原因を問わずに公的介護保険が適用されます。

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具体的にはお住まいの市町村から要介護認定を受けると開始されます。要介護認定を受けることで「介護が必要だ」と認識されるのですが、要介護認定にはいくつかの区分があり、症状の度合いによって支給される限度額などが異なります。

【要介護認定の判定目安】

要支援1要介護状態まではいかないが、社会的支援が必要
要支援2「要支援1」よりも日常生活を行う能力が低下している
要介護1部分的な介護が必要となる
要介護2「要介護1」よりもさらに部分的な介護が必要
要介護3全面的な介護が必要(中程度)
要介護4介護なしでは生活が困難となり、重度の介護が必要
要介護5介護なしでは生活を行うことができず、最重度の介護が必要

症状が重くなるほど支給される限度額が増えていきますが、それに関しては次の章で詳しく解説しています。

40歳から65歳未満の人(第2号被保険者)は老化に起因するものだけしか適用されない

65歳以上の人と同様、40歳から65歳未満の人も表のような要介護認定を受けると介護サービスが受けられるようになるのですが、実は40歳から65歳未満の人(第2号被保険者)は老化に起因する特定疾病によって要支援・要介護状態になった場合のみ給付されるという仕組みになっています。

【老化に起因する特定疾病16】
以下の16の特定疾病が原因で要介護状態になった場合のみ給付される

  1. がん末期
  2. 関節リウマチ
  3. 筋萎縮性側索硬化症
  4. 後縦靱帯骨化症
  5. 骨折を伴う骨粗鬆症
  6. 初老期における認知症
  7. 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病
  8. 脊髄小脳変性症
  9. 脊柱管狭窄症
  10. 早老症
  11. 多系統萎縮症
  12. 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
  13. 脳血管疾患
  14. 閉塞性動脈硬化症
  15. 慢性閉塞性肺疾患
  16. 両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

例えば、40歳から65歳未満の人が交通事故によって要介護状態になったとしても、給付を受けることはできないのです。これはかなり残念な決まり事ですね・・。

④ 介護サービスを利用した時の自己負担額について

要介護認定を受けた場合、訪問介護や介護施設、地域密着型の介護サービスなどを受けた場合に自己負担額が1割で済むようになります。

自己負担額が1割なのはありがたいですが、これに関しては押さえておくべきポイントが3つあるので、是非とも読んでおいてください。

所得によっては2割負担になる

介護サービスを受けた時の自己負担額は原則1割なのですが、65歳以上の人(第1号被保険者)で合計所得金額が160万円以上(年金収入に換算すると280万円以上)の人は2割負担になると決まっています。

支給限度額を超えた場合は全額自己負担になるが・・

自己負担額は1割(所得が高いと2割)と決まっていますが、では際限なく介護サービスを1割負担で利用できるのか?というと、そうではありません。

実は要介護状態の度合いによって支給される限度額が決まっているのです。限度額を超えて利用した分に関しては全額自己負担になってしまいます。

限度額については以下の表をご覧ください。

区分支給限度額
(月額)
自己負担額
(月額)
要支援150,030円1割:5,003円
2割:10,006円
要支援2104,730円1割:10,473円
2割:20,946円
要介護1166,920円1割:16,692円
2割:33,384円
要介護2196,160円1割:19,616円
2割:39,232円
要介護3269,310円1割:26,931円
2割:53,862円
要介護4308,060円1割:30,806円
2割:61,612円
要介護5360,650円1割:36,065円
2割:72,130円

上記の支給限度額を超えた場合は全額自己負担となります。・・となっているのですが、実は超過分についても「高額介護サービス費」という制度が適用され、高額になった場合は払戻しが受けられるようになっています。

何だかよく分からなくなりそうですが、要は「自己負担額はあまり高くはならない」ということが分かればOKです。

「高額介護サービス費」のおかげで自己負担額が高額にならずに済む

支給限度額が決められている公的介護保険ですが、「高額介護サービス費」のおかげで自己負担額が一定額以上にならなくて済むようになっています。

具体的には、一般的な所得の方であれば自己負担の上限は37,200円となっています。その他の場合については以下の表をご覧ください。

区分負担の上限(月額)
現役並み所得者(145万円以上)44,400円
一般所得者37,200円
市区町村民税を課税していない24,600円
・老齢福祉年金を受給している方
・前年の合計所得金額と公的年金等収入額の
合計が年間 80万円以下の方等
24,600円(世帯)
15,000円(個人)
生活保護受給者15,000円(個人)

もしも介護費が高額になった場合でも、このように自己負担額の上限が設定されているのは嬉しいところです。

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⑤ 公的介護サービスを受けるまでの流れ

公的介護サービスを受けるためには、市区町村での申請や審査判定を受けなければいけません。自己診断で受けれるものではないのです。

申請からサービス利用までの流れはこのようになっています。

  1. 住んでいる市区町村の窓口で要介護認定の申請書を提出する
  2. 調査員による訪問調査。主治医への意見書作成
  3. 介護認定審査会で、介護の要不要、介護区分の判定が行われる
  4. 介護認定審査会で認定を受ける。結果に不満があれば再考を申し立てることも可能
  5. 介護区分に応じてケアプランを作成
  6. 介護サービスの利用を開始

このような流れになります。結果が出るまでに少し期間が必要で、やることも多いですが、支援や介護が必要な方は自己負担1割のために早めに申請から開始しましょう。

この記事を書いた人

taka
taka
当サイト「takaの保険節約術」運営者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者。骨折&手術で身をもって保険の大切さを知って以降、独学で身に付けた保険の知識を紹介するようになりました。FPから紹介された保険の見直しもやってます。保険だけでなく安定度の高い資産運用方法を常に模索しています。ラーメン、焼肉、ラケットスポーツ好き。

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