三井住友海上の「GKすまいの保険」は豊富な補償プランや特約から、ご自身に合ったものを選べるのが特徴です。シンプルな補償にしたい方にも、手厚い補償にしたい方にも向いています。
ただ、保険料が全体的に高くなる傾向にあるので、とにかく安く抑えたい方にはやや不向きです。
日本の三大損保会社といわれる三井住友海上の火災保険、保険料や補償内容をチェックしていきましょう。
このページの中身
■目次
以下、詳しい説明に入りますので、興味がある方は読み進めてもらえればと思います。
保険料の例
【専用住宅の見積り例】
・築年数:10年
・延床面積:90㎡
・保険金額:建物2,000万円、家財1,000万円
・自己負担金額:1万円
・長期一括払い
戸建て(H構造、所在地:埼玉県)
内訳 | 保険料(水災あり) | 保険料(水災なし) | |
---|---|---|---|
火災保険 (保険期間10年) | 建物 | 273,780円 | 223,210円 |
家財 | 213,400円 | 156,150円 | |
地震保険 (保険期間5年) | 建物 | 111,700円 | 111,700円 |
家財 | 55.,850円 | 55,850円 | |
合計 | 654,730円 | 507,870円 | |
1年あたり | 82,228円 | 71,446円 |
マンション(M構造、所在地:東京都)※「バルコニー等修繕費用特約」自動セット(保険料220円)
内訳 | 保険料(水災あり) | 保険料(水災なし) | |
---|---|---|---|
火災保険 (保険期間10年) | 建物 | 85,150円 | 75,450円 |
家財 | 103,840円 | 68,990円 | |
地震保険 (保険期間5年) | 建物 | 90,100円 | 90,100円 |
家財 | 45,050円 | 45,050円 | |
合計 | 324,360円 | 279,810円 | |
1年あたり | 45,929円 | 41,474円 |
戸建は耐火性が低いとされる「H構造(木造一戸建て)」で計算しているので、保険料が高く見えます。マンションは耐火性が高いので、戸建ての約半分の保険料になります。
三井住友海上の火災保険は、どの条件で見積もっても全体的に保険料が高めになります。
その分、費用補償や特約が手厚いのが特徴です。
補償内容
(1)主契約(基本補償・プラン)
契約プラン 補償内容 | 6つの補償プラン | 5つの補償プラン | 4つの補償+破損汚損プラン(※1) | 4つの補償プラン | 2つの補償プラン |
---|---|---|---|---|---|
火災・落雷 破裂・爆発 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
風災・雹災 雪災 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
水災 | ○ | ○ | × | × | × |
水濡れ | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
盗難 | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
物体落下・飛来・衝突・騒擾・破損・汚損 | ○ | × | ○ | × | × |
自己負担額 | 建物…1万円、3万円、5万円、10万円 家財…1万円、3万円、5万円 | ||||
基本補償から支払われる保険金には次の費用も含む (全プラン共通) | |||||
損害防止費用 | 損害発生または拡大防止のための消火活動で発生した費用(消化薬剤の費用など) | ||||
仮修理費用 | ○ | × | ○ | × | × |
(※1)建物がマンション等の共同住宅の場合のみ選べます。
契約プランは全部で5つあり、補償を手厚くしたい方からシンプルにしたい方まで、様々なニーズに応えられるようになっています。また、補償の区分けが「物体落下・平井・衝突・騒擾」と「破損・汚損」が同じ括りになっているので、各プランを比較する際は整理して考えやすいです。
ただし、自己負担額を1万円以上で設定する必要があるので、火災などが起きた際には自己負担なしで全て保険で備えたい方にはあまり向かないと言えます。
また、付帯サービス「暮らしのQQ隊」は補償範囲が広い2プランでしか付けられないので、こういったサービスを重視する方にも向かないと言えます。
(2)費用補償(自動セット特約)
種類 | 補償内容 |
---|---|
事故時諸費用特約 | 損害保険金が支払われる場合に、損害保険金の一定割合が支払われる。金額は次の3つから選べる。 ※すべての契約にセットされるが、セットしないこともできる。 ①損害保険金×30%(300万限度) ②損害保険金×20%(300万限度) ③損害保険金×10%(300万限度) |
地震火災費用特約 | 地震などによる火災で建物が半焼以上、もしくは家財が全焼した時に支払われる。 金額は次の3つから選べる。 ①保険金額×5%(300万限度) ②保険金額×30%(限度額なし) ③保険金額×50%(限度額なし) |
バルコニー等修繕費用 | バルコニー等の共用部分が損害を受け、マンション管理組合等ではなく自分で修理した場合に支払われる。 ※保険の対象がマンション戸室等の場合に必ずセットされる。 ◆1事故につき30万円限度 |
費用補償や特約は各社たくさん種類を取り揃えていますが、三井住友海上の場合は、最低限必要な費用補償を”自動付帯特約”としてセットしています。
ただし、事故時諸費用特約を外せたり、バルコニー修繕費用は共同住宅にのみ付けられたりなど、状況に応じてカスタマイズできるのも特徴です。
(3)特約
種類 | 補償内容 | |
---|---|---|
事 故 の 保 障 を 充 実 さ せ る | 失火見舞費用特約 | 自宅から出火し、近隣の建物や家財に燃え移った時に、支出した見舞金が支払われる。 ◆1被災世帯あたり30万円限度かつ、損害保険金×30%限度 |
類焼損害・見舞費用特約 | 自宅から出火し、近隣の建物や家財に燃え移った時に、その損害額(※)と支出した見舞金が支払われる。 ※法律上の損害賠償責任がなくても支払われる。 ◆保険金額は近隣住宅・家財の価格から計算。1億円限度。 | |
屋外明記物件特約 | 建物の敷地内にある大型の車庫などで、申込書に明記した物に出た損害額が支払われる。 対象は物置、車庫等の付属建物で66㎡以上のもの、物干、井戸、遊具、敷石など。 ※自己負担額は建物と同額。 | |
家財明記物件特約 | 建物敷地内にある貴金属、宝石および美術品で申込書に明記した物に出た損害額が支払われる。 ※自己負担額は家財と同額。 ◆盗難、破損汚損による損害の場合は1つ100万円限度 | |
自宅外家財特約 | 自宅外に持ち出した家財に損害が出た場合に損害額が支払われる。 (例:旅行中にカメラを誤って落としてこわしてしまった、等) ※「6つの補償プラン」または「4つの補償+破損汚損プラン」の場合に付けられる。 ※携帯電話やメガネ、自動車など外への持出しが前提の物は対象外。 ※自己負担額は家財と同額。 ◆通貨等の盗難は10万円、預貯金証書の盗難は100万円、貴金属は100万円が上限 | |
居住用建物電気的・機械的事故特約 | 建物の機械設備(エアコン・給湯器・照明等)に電気的・機械的事故(ショート・スパーク過電流等)が起きた時にその修理費用が支払われる。 ※「6つの補償プラン」または「4つの補償+破損汚損プラン」の場合に付けられる ※自己負担額は建物と同額。 ◆屋外設備は1回100万円が限度 | |
賠 償 事 故 に 備 え る | 日常生活賠償特約 | 日常生活の中で契約者またはその家族が他人にケガを負わせたり、他人のものを壊したりして損害賠償責任を負った時にその賠償額が支払われる。(※1)(※2) (例:自転車で高齢者とぶつかり、ケガをさせてしまった) ◆1回の事故につき1億円限度 |
受託物賠償特約 | 偶然な事故によって借用戸室(賃貸の部屋)に損害を出してしまった時の費用が支払われる。※自己負担額は0円 預かり物やレンタル品を壊してしまった場合などに損害額が支払われる。(※1)(※2) ◆1回の事故につき30万円または100万円限度 | |
借家賠償・修理費用特約 | 偶然な事故によって借用戸室(賃貸の部屋)に損害を出してしまった時の費用が支払われる。(※1)(※2) 【借家賠償保険金】 貸主(大家さん)に対する法律上の賠償費用が支払われる。 【修理費用保険金】 賃貸借契約上、入居者が修理する場合、その修理費用が支払われる。 | |
賃 貸 建 物 オ ー ナ ー 向 け | 家賃収入特約 | 火災等の事故によって賃貸している建物の家賃収入が得られなくなった場合の損失額が支払われる。 ◆支払限度額…家賃月額×約定復旧月数(契約時に決める) |
家主費用特約 | 賃貸住宅内での死亡事故発生に伴う空き室期間、家賃値引き期間分の家賃収入の損失や、清掃・脱臭・遺品整理等にかかる費用が支払われる。 ※「6つの補償プラン」または「4つの補償+破損汚損プラン」に付けられる 【家賃収入保険金】 ◆事故が発生した戸室: 30日以上の空室期間、新たな入居者への家賃値引期間に生じた損失。(最大12ヶ月) ◆上下左右の隣接戸室:30日以上の空室期間に生じた損失。(最大12ヶ月) 【死亡事故対応費用保険金】 賃貸可能な状態に戻すための復旧、改装、清掃等の費用(1事故100万円限度) | |
建物所有者賠償(示談代行なし)特約 | 所有している建物の偶然な事故により他人に対して損害賠償を負った時に支払われる。(※2) (例:台風により共用ドアが割れ、入居者がケガをした) | |
マンション居住者包括賠償特約 | 賃貸マンションのすべての入居者を対象に、日常生活で賠償事故が発生し、損害賠償を負った場合に、その賠償額をまとめて補償する。(※1)(※2) | |
建物水災支払限度額特約 | 建物の水災事故の場合に、次の通り支払われる。 【全焼・全壊の場合】損害保険金額=建物保険金額×30%または10% 【全焼・全壊以外の場合】損害保険金=損害額-自己負担額 ※建物がマンション等の共同住宅で「6つの保障プラン」または「5つの保障プラン」の場合に付けられる。 | |
そ の 他 | 風災・雹災・雪災支払条件変更(20万円以上事故補償)特約 | 風災・雹災・雪災によって20万円以上の損害が出た場合、自己負担額を適用せずに保険金が支払われる。 例:基本補償で自己負担額を1万円にした場合 損害額20万円以上…水災の自己負担額ゼロ=20万円支払い 損害額20万円未満…保険金の支払いなし |
(※1)示談交渉サービス付き
(※2)示談交渉費用、訴訟費用、緊急措置費用などの、実際に負担した費用も支払われます。
費用補償(自動セット特約)が最低限な分、特約はいろいろな種類から選べるようになっています。近隣の建物への被害が心配なら「失火見舞費用特約」・「類焼損害・見舞費用特約」を、敷地内の車庫や井戸・家財をしっかり守りたい方は「自宅外家財特約」・「屋外明記物件特約」・「家財明記物件特約」を付けると良いでしょう。
その他の特約で「風災・雹災・雪災支払条件変更特約」がありますが、これを付けると20万円以上の事故のみ対象になるので、保険料を抑えることができます。また、賃貸オーナー向けの特約が豊富に揃っているのも特徴です。
その他
付帯サービス「暮らしのQQ隊」
「6つの補償プラン」・「4つの補償+破損汚損プラン」限定のサービスです。
24時間365日受付で、30分程度の応急処置に要する作業料、出張料は無料です。
付帯サービス「暮らしのQQ隊」
サービス名 | サービス内容 |
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水まわりQQサービス | 給排水管やトイレの詰まり、故障に伴う水のあふれ等が生じた場合に、 専門の業者を手配し、その業者が直接対応してくれる。 |
カギあけQQサービス | 玄関ドアのカギを紛失してしまった場合に専門の業者を手配し、 その業者が直接カギあけを行ってくれる。 |
※「6つの補償プラン」・「4つの補償+破損汚損プラン」で、「自宅外家財特約」および「受託物賠償特約(保険金額100万円)」をセットした場合は、「暮らしのQQ隊 家具移動・電球交換サービス(予約制)」も利用できる。
契約条件(保険料支払方法について)
保険期間 | 1~5年(1年単位) 「スーパーロング」という契約方法にすることで、保険期間を最長10年にすることもできます。 |
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払込期間 |
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払込方法 |
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月払いより年払い、年払いより一括払いの方が、払い込み保険料の総額が少なくなるのでお得です。
また、保険期間も長い方が割引が効くので安くなります。
メリット部分
基本の補償が色々なプランから選べる
三井住友海上の「GKすまいの保険」は、基本の補償となるプランが5パターンあるので、必要な補償内容に応じて選ぶことができます。
他社だと3パターンしかないところもあるので、比較的自由度が高いのは嬉しい点です。ただし、水災だけ外すプランはマンションなどの共同住宅の場合のみ選べるので注意が必要です。
特約が多くカスタマイズしやすい
自動セットの特約(費用補償)は最低限のものだけ付いているので、あとは各要望に合わせて必要な補償を上乗せできます。
補償をシンプルにして保険料を抑えることもできますし、逆に保険料は高くなりますがしっかり手厚くすることもできます。
特約の種類は一般的ですが、賃貸オーナー向けの補償が充実しているのが特徴です。
デメリット部分
保険料が比較的高い
三井住友海上の「GKすまいの保険」は多くの場合、他社と比べて保険料が高くなる傾向にあるので、保険料の安さを重視する方には向かないといえます。
また、自己負担額は0円にはできず最低でも1万円からですが、それでも他社よりやや高くなるケースが多いです。
付帯サービスを利用できない場合がある
急な水まわりトラブルやカギトラブルに対応してくれる無料付帯サービス「暮らしのQQ隊」ですが、「6つの補償プラン」または「4つの補償+破損汚損プラン」で契約した場合のみ利用できます。
それ以外のプランだと利用できないので、こういったサービスを重視する方にはあまりお勧めではないと言えます。
最終評価
三井住友海上の「GKすまいの保険」は、多少保険料が高くても補償内容を自由にカスタマイズしたい方や賃貸オーナーさんで色々な特約を付けたい方にはおすすめの保険です。反面、保険料の安さや無料付帯サービスを重視する方にはあまり向かないです。
尚、実際の保険料は契約条件によって異なるので、場合によっては三井住友海上が他社より安くなるケースもあります。各社見積もりを比較した上で判断されることをおすすめします。
この記事を書いた人
- mayu
- 東京都在住。現役の保険営業ウーマンとして個人のお客様から保険相談を受けています。ファイナンシャルプランナー2級。趣味は都内お散歩とカラオケ(目標は演歌マスター)
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