国民年金の保険料を払わず、未納(滞納)のまま放置していませんか?このページを見ているということは、保険料を納付していないけど、このままでいいのかな?と不安を少なからず抱えているのだろうと思います。

何故払わないのかは人それぞれ事情があるものですが、私としてはちょっと心配になることがあります。それは「国民年金保険料を払わないことのデメリットをちゃんと知っているのかどうか」ということです。

実は国民年金は加入しておくことで多くのメリットを享受することができるのです。反対に、保険料を支払っていないとそれらのメリットを受けることができなくなります。

もしも「お金がもったいないから」という理由で国民年金の保険料を未納にしている方は、是非とも納付しないことのデメリットを知って欲しいです。その上で払うかどうかを選択していただければと思います。

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お金があるけど払いたくない!という人は、将来もっとお金を損する可能性があることを知っておきましょう

まず第一に知っておいて欲しいことは、国民年金は非常に優良な年金システムになっていることです。どのくらい優れてるのかは、民間保険である個人年金保険と比較するとすぐに分かります。

以下の表は男性が平均年齢まで生存した場合の、国民年金と個人年金保険の返戻率の差を表したものです。これをみればその差は一目瞭然となっています。

【国民年金と個人年金保険の比較表】
・契約者の性別は男性
・加入年齢は20歳
・据置期間は5年
・65歳からの平均年齢(84歳)まで生存(参考:平成27年簡易生命表の概況|厚生労働省

  国民年金
(老齢基礎年金)
年金かけはし
(明治安田生命)
加入期間 40年 35年
月々の保険料 16,260円 20,000円
保険料払込総額 7,804,800円 8,400,000円
受取り保険金総額 14,821,900円 10,670,000円
返戻率 190.0% 127.0%

個人年金保険の返戻率が127%なのに対し、国民年金は190%にまでなっています。これは100万円払ったら190万円が返ってくるということを示しているので、民間の保険商品と比べてどれほど有利な条件となっているかが分かると思います。

ちなみに男性の場合で190%ですが、女性はさらに寿命が長いため、返戻率は約240%にまで上がります。倍以上ですね・・。

ちなみに、何故ここまで高い返戻率になるのかの理由ですが、実は「国民年金は半分を国が負担しているから」なのです。つまり、将来貰える国民年金(老齢基礎年金)が1年で70万円となった場合、35万円は現役世代の保険料で負担し、残り半分の35万円は国庫負担(つまり税金)で支払われているのです。

私たちが受け取る年金の半分を税金で賄ってくれているから、ここまで返戻率が高くなるんですね。

年金を貰うだけが国民年金じゃない!

また、「国民年金って、将来年金を貰うだけのシステムでしょ?」と認識している方も多くいますが、障害年金遺族年金など、私たちに万が一があった際に非常に役立つ保障も付いているのです。

これは国民年金に加入していないと受けられない保障となっているため、これも未納・滞納のデメリットの一つとなっています。これについては以下で詳しく解説していきます。

管理人taka管理人taka

「国民年金は近い将来に破綻して受け取れなくなるのでは・・?」という不安を抱える方もいますが、日本という国が破綻しない限りは国民年金は続くだろうと考えていますので、年金が受け取れないような状況になることはほぼありえないと思います。支給年齢が遅くなる可能性はあるでしょうが・・。

国民年金保険料を未納・滞納にすることの7つのデメリット

では、ここからは国民年金を滞納することで発生するリスク(デメリット)を挙げていこうと思います。今現在保険料を払っていない方は、出来るだけ見ておくことをお勧めします。

その.1 高返戻率の年金商品をみすみす逃すことになる

上ですでに解説していますが、国民年金は他の民間商品とは比べられない程の高い返戻率(190%~240%)を誇る制度です。

もしこの返戻率で民間の個人年金保険を販売した場合、販売日と同時に申込者が殺到し、軽く混乱状態になるでしょう。そのくらい優良な年金システムを採用しているのです。

自分が払った分の2倍くらい貰える商品は他にありませんので、老後の生活を安定させたいなら国民年金保険料を納付しないという選択肢は考えられないと思います。

ただし、逆に早く死亡した場合は支払った保険料総額よりも少ない受取額になってしまいます。早く死亡することを想定する人はあまりいないと思いますが、この点は国民年金の弱点と言えます。

その.2 将来の年金額が減る

国民年金保険料が未納になっている期間があると、65歳からの老齢基礎年金は未納期間に応じて金額が低くなってしまいます。

老齢基礎年金は満額で780,100円(平成28年)しかもらえませんので、決して多い金額とは言えません。これがさらに減ってしまうのは非常に痛いので、出来るだけ未納期間が無いようにしたいものです。

その.3 そもそも年金自体が貰えない可能性も

国民年金は、保険料の納付期間が10年以上(平成29年8月1日から25年から10年に短縮)あった場合に受給資格期間を満たしたことになり、65歳からの老齢基礎年金を受け取ることができるようになります。逆に言うと、その期間に1ヶ月でも満たない場合は受給資格を得ることができないです。

例えば、国民年金を5年間だけ納付したという場合は受給資格期間を満たしたことになりませんので、65歳からの老齢基礎年金は1円も貰えないということになるのです。

せっかく払った期間があるのに、1円も返ってこないなんて嫌ですよね・・。なので、最低でも受給資格期間(平成29年4月からは10年間)は満たすように納付しておきたいところです。

その.4 障害年金が貰えない

国民年金加入者はもしも不慮の事故で怪我をして、障害等級1級・2級の障害を負ってしまった場合に780,100円以上の障害基礎年金を受け取ることができます。

年金の金額は障害等級が1級か2級か、そして子供の数によって異なりますが、2級の子供なしで780,100円、1級で子供が二人いる場合は約142万円を毎年受け取ることができるようになります(ただし、子供は18歳到達年度の末日までと決められています)。

ですが、この障害年金は国民年金を納付していないと受け取ることができません。次のいずれかの要件を満たさないと障害を負っても給付の対象外になってしまうのです。

  1. 初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
  2. 初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと

簡単に言うと直近で2ヶ月前から1年2ヶ月前までの間に保険料の未納があり、なおかつ国民年金の加入期間全体で3分の2以上の期間の納付を満たしていない(または免除されていない)場合は、障害年金を受け取る資格が発生しないのです。

障害を負ってしまった場合に、年金が貰えるかどうかはその後の生活を大きく左右することになります。「自分が障害状態になるはずがない」と誰しもが思うものですが、人生は何があるか分かりませんので、万が一に備えられる障害年金の存在は非常に重要なものとなっています。

その.5 遺族年金が貰えない

国民年金加入者が死亡した場合、遺された遺族は「遺族基礎年金」を受給することができます。こちらも障害年金と同じく、「780,100円+子の加算」で受給金額が決まります。ただし、子供は18歳到達年度の末日までと決められており、子供がその日を超えると遺族基礎年金は受給できなくなります。

遺された子と妻の生活を支える大切な役割を果たしてくれるこの遺族基礎年金ですが、やはり国民年金を払っていない人に受給資格はありません。

日本年金機構のホームページには

平成38年4月1日前の場合は死亡日に65歳未満であれば、死亡日の属する月の前々月までの1年間の保険料を納付しなければならない期間のうちに、保険料の滞納がなければ受けられます。

とあります。

要は2ヶ月前から1年2ヶ月前までの間に保険料を払っていない期間がある場合は、遺族基礎年金を受給することはできないということです。

遺族年金が貰えるようにしておくことは、残された家族のことをどれほど考えているかの証明にもなると思います。そのため、家族がいる方は遺族年金だけは受けれるようにしておきたいですね。

その.6 財産を差し押さえられる可能性も

国民年金を未納・滞納し続けていると「保険料を納付する気がないなら、財産を差し押さえますよ」という督促状が送られてくるようになります。

この督促状が来た時点で年金事務所へ行き、滞納している保険料を納付する意思を告げれば差押え処分を回避することができます(窓口に行けない場合は電話でも可)。

実は私も以前国民年金を未納のまま滞納していた時期があり、督促状が来るまで放置していたことがあります(^_^;) あの時は焦りましたね。すぐに年金事務所に飛んで行った記憶があります(笑)

で、この督促状に対して何も反応せずに放置してしまうと、いよいよ差押えに近付くと言われていますが、実際に差押えされた人を見たことも聞いたこともありませんので、この時点でほとんどの方が年金事務所へ相談もしくは納付しているのでしょう。

もしもお金がなくて保険料を納付できないのであれば、この後で説明する保険料免除や納付猶予制度を利用するようにしましょう。

その.7 未納分には加算金・延滞金が付くようになる

基本的に3年を超える期間の保険料を納付する場合、加算金がかかるようになります。これは少額ではありますがお金がかかるということですので、当時払うはずだった保険料よりも確実に高くなってしまいます。

この加算金により、滞納していればいるだけ当時に納付するよりも損になってしまいますので、出来るだけ未納・滞納をせずに払っておいた方が良いということになります。

また、先程の督促状の支払い期限を過ぎてしまうと14.6%というかなり高い利率の延滞金がかかってしまいますので、それまでには支払いたいものです。

【結論】納付しておいて間違いなく損はない

以上が「国民年金保険料を納付しない場合の7つのデメリット」となります。いかがでしたでしょうか。将来的な年金額はもちろんですが、現時点での万が一の事故を想定した場合でも、払っていることがどれほどメリットになるかをご理解いただけたかと思います。

私も会社を辞めて個人事業主になった当初、生活が厳しい時期に保険料を滞納していた時期がありましたが、当時の私が上記のデメリットを知っていたなら、無理してでも納付していたと思います。

今では未納や免除期間を含めて全ての期間を納付しています。かなりスッキリした気分ですね!また、納付した保険料は全額所得税控除となるため、節税にもなってくれます。この節税額は一般家庭の場合だと年間で4万円くらいのお得となりますので、かなり大きなメリットと言えるのです。

この記事をお読みの方で、もし現時点で保険料の未納・滞納がある方は、貯金を増やすでも個人年金保険に入るでもなく、ちゃんと国民年金保険料を払っておくことをお勧めします。

ほとんどの状況に置いて、それが一番お得だと思いますので。

お金がなくて保険料を納付できないなら、保険料免除や納付猶予制度を利用しよう

もしも失業などで経済的に厳しくて国民年金の保険料が払えない場合、迷わずに年金事務所や市役所・区役所へ相談に行きましょう。

年金事務所や区役所・市役所の年金課で申請書を提出し、承認されると保険料の納付が免除になります。免除される額は全額・4分の3、半額、4分の1の4種類があります。

また、20歳から50歳までで前年所得が一定額以下の場合、申請書を提出することで保険料の納付が猶予されるようになります。

この「国民年金保険料免除・納付猶予制度」を利用することにより、保険料を払っていなくても障害年金や遺族年金も受けられることになります。また、支払期間としてカウントされるため、10年以上(平成29年8月1日から25年から10年に短縮)の受給資格期間を満たすことにも役立ちます。

このように国民年金は「お金がなくても払え!」と言っている訳ではなく、生活が厳しい人向けの救済措置も用意してくれているのです。

管理人taka管理人taka

学生の方は「学生納付特例制度」を利用することになります。また、配偶者からDVを受けた方は「特例免除」を利用できますので、配偶者と別居中の方も保険料免除が適用されます。

納付期間の時効に注意して!

国民年金保険料の未納・滞納がある場合でも、後から納付することが可能となっています。

これを「後納制度」といい、通常は納付期限より2年を経過するまでの保険料を納付することが出来るようになっているのですが、平成30年9月30日までは過去5年間の保険料を納付できるようになっています。

これを過ぎると時効になってしまい、納付することができなくなってしまいますので注意してください。ただし、60歳から65歳の間であれば任意加入制度を利用することができるようになり、払っていない分をこの期間中に納付すことができるようになっています。また、受給資格期間の10年(平成29年8月1日から25年から10年に短縮)を満たしていない方は70歳まで任意加入制度を利用することができます。

管理人taka管理人taka

未納ではなく「保険料の免除」を受けていた期間についても、過去10年分であれば保険料を納付することが可能となっています。これを追納といい、65歳からの老齢厚生年金を増やしたい場合に利用することができます。

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