自営業や無職の人、またはアルバイトやパートなどで短時間労働をしている方は国民年金保険に加入することになります。(サラリーマン家庭の主婦・主夫の方は第3号被保険者として国民年金に入っています)

しかしながら、国民年金保険への加入だけでは将来貰えるのは老齢基礎年金だけとなり、例え満額を貰えるようにちゃんと40年間払っていたとしても、それだけで生活するのはかなり大変なのが現状です。

まして独身の場合は夫婦の半分しかもらえません。そのため、今のうちから老後の計画をしっかりと立て、将来困らないように準備していくことがとても重要となります。

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国民年金(老齢基礎年金)はいくら貰えるのか

まず気になるのは「国民年金保険だけの人って、将来いくら貰えるの?」ということだと思います。

国民年金を払っている人は65歳から老齢基礎年金を貰えることになりますが、老齢基礎年金は20歳から60歳までの40年間しっかりと国民年金保険料を納付してようやく満額となります。

満額の金額は780,100円(平成28年度)となっています。

つまり、月々65,000円が貰えるということですね。これは一人当たりの金額ですので、夫婦で年金生活に入った場合はその倍の月々13万円を受け取れることになります。

ただし、これはあくまで満額の場合の金額であり、保険料を払っていない未納の期間があるとそれに応じて年金額は少なくなります。そのため、保険料の未納や免除がある方は国民年金の任意加入制度を利用し、60歳から65歳の間に支払っておきたいところです。

生涯でいくら貰えるのか

生涯ではいくらくらい貰えるのか、興味がある方のためにちょっと計算してみます。

まず65歳からの平均寿命ですが、こちらの「平成27年簡易生命表の概況|厚生労働省」によると、男性は84歳、女性は89歳が平均寿命となっています。

毎年780,100円が貰えるので、平均寿命で計算してみると

  • 男性:14,821,900円
  • 女性:18,722,400円

このようになります。

夫婦で生活する場合は、3,354万円くらい貰える計算になりますね。

これが多いか少ないかはこの後に検証していきますが、厚生年金を受け取れるサラリーマン家庭と比べると2,000万円~2,500万円くらい受取り金額が少ないです。かなり差がありますね・・。

国民年金(老齢基礎年金)だけで生活できるのか、いくら貯金が必要なのか、実際に計算してみる

では、満額で月々6万5,000円しか貰えない国民年金(老齢基礎年金)だけで生活することはできるのでしょうか?

最初に結論を言っておくと、皆さんの想像通り、国民年金だけで生活するのはかなり厳しいです。「じゃあいくら足りなくなるの」という疑問は当然生まれてくるので、ここではいくら貯金が必要になるのかを計算してみたいと思います。

これは持ち家があるかどうかでだいぶ変わってきますし、さらに独身か夫婦かでも大きく変わってきます。なので、それぞれのパターンでの必要貯金額を書いておきます。

以下は比較的ゆとりのある生活を送るための水準で計算しています。

独身(持ち家なし)の場合

生活費に加えてアパートの賃料も負担しなければいけないため、月々6万5,000円ではとても間に合わないでしょう。生活していくためには今の仕事をずっと続けていくか、もしくはアルバイトやパートをする必要があります。

または貯金を切り崩して生活することになりますが、仮に生活費が月々18万円だったとしても毎月11万5千円が赤字になっていくので、男性の平均寿命である84歳まで生きると仮定すると約2,620万円の貯金が必要になります。

ただし、家賃が安い土地に住む場合は、必要貯金額はこれよりもかなり減ります。

独身(持ち家あり)の場合

持ち家があると経済的にはだいぶ楽になります。家賃の6万円分が浮くとして計算すると、毎月5万5千円が足りない程度で済みますので、84歳までの必要貯金額は約1,250万円となります。

夫婦(持ち家なし)の場合

夫婦の場合は貰える年金額が倍の13万円になりますが、必要となる生活費や家賃も高くなります。統計的にはゆとりある生活を送るためには月々32万円くらい必要と言われています。ということは月々19万円が足りないことになりますので、かなり切実な感じがありますね・・。

これで平均寿命まで生きた場合、夫は84歳までですので、それまでで必要な貯金額は約4,330万円。そこから妻が89歳まで生きた場合は毎月8万5千円が赤字となるため、さらに510万円が必要となります。

そのため、夫婦で必要となる貯金額は4,330万円+510万円=4,840万円です。

ただ、夫婦の場合はお互いで節約しあったり、または家賃が安いところに住めばこれよりもかなり必要金額は少なくなります。

夫婦(持ち家あり)の場合

持ち家がある場合、夫婦の生活費は統計的には月々25万円くらい必要と言われていますので、毎月12万円が赤字になります。

平均寿命まで生きた場合、夫は84歳までですので、それまでで必要な貯金額は約2,740万円。そこから妻が89歳まで生きた場合は毎月5万5千円が赤字となるため、さらに330万円が必要となります。

そのため、夫婦で必要となる貯金額は2,740万円+330万円=3,070万円です。

切り詰めればもっと必要額は減る

上記は結構余裕のある生活を送った場合の金額ですので、趣味に使う金額を無くし、家賃が安い田舎に住む場合はもっともっと必要金額は少なくなります。

ただし、現実的な問題として、このままだと貯金が足りない状態で年金生活に入りそうだと予想される場合は、自営業としてやってきた仕事を今後も続けていった方が良いでしょう。または何らかのパート・アルバイトをする必要が出てきます。

老後の生活に向けての不安を解消するために、今から対応策を講じていこう

上記の計算のように国民年金(老齢基礎年金)だけで生活していくのは難しいので、今のうちから何らかの対応策を講じ、実行していく必要があります。

貯金が十分にある方は別ですが、もし現時点で必要となる貯金が貯まっていないという場合は、よければ以下の7つの方法を参考に対策を練っていただけたらと思います。

その.1 一生現役!体力が続く限り、または死ぬまで働ける仕事を見つける。必要があれば資格を取る

国民年金保険の加入者は自営業の方が多いので、仕事があってその気があれば年金受給年齢の65歳になっても全然働き続けることができます。

また、自営業の仕事を65歳で辞めたとしても、何らかのアルバイトやパート、または正社員として雇用してもらうことも不可能ではありません。この場合は仕事が見つかるかどうかという問題がありますが、やる気になれば仕事は何かあるものです。

または今のうちに資格を取り、老後はその資格を活かしてやりたい仕事をする・・という方法もあります。

特に男性は仕事を無くした後はこれまでの大黒柱という立場から大きく変わってしまう可能性が高いので、精神的にも体力的にも落ち込みやすいです。反対に適度に仕事をしていた方が健康を維持しやすく、家族との関係も良好になりやすいので、老後に働くというのは個人的にはかなりお勧めの方法です。

「もう老後は絶対に働くのは嫌だ!」という場合には逆に苦痛になってしまいますが、そうでない方は老後の仕事の役に立ちそうな資格を取るなど、検討してみてはどうかと思います。

その.2 生活レベルを落とし、月々の貯金額を増やす

もし今贅沢をしていると感じたり、貯金できる部分も浪費していると思うのであれば、是非ともそれらを貯金(もしくは投資や保険)に回すことをお勧めします。

また、もう少し家賃が少ないところでも大丈夫という場合は、安いところに引越すことも大切です。

人によっては月々数万円の節約になる人もいますので、長い目で見れば数百万単位で変わってきます。大きな財産になってくれるはずですので、貯金が足りていない方は無駄な浪費部分を貯金してみてください。

その.3 付加年金を利用する

国民年金を払っている人は付加年金という制度を利用することができます。

【付加年金の概要】

  1. 国民年金保険料に月額400円を上乗せする(任意)
  2. その結果、「200円×付加年金保険料の納付期間」が老齢基礎年金に加算される

付加年金の良い所は、生きている限り老齢基礎年金に「これまでに支払った保険料の半額」が毎年ずっと加算され続けるところにあります。基本的には払った金額は2年が元が取れて、その後はずっと貰いつづけるという状況が続くので、これ以上ないほどお得な制度なのです。

増える金額は少ないですが、リターンが非常に大きい仕組みになっているので、是非とも利用を検討してみてください。

詳しくはこちらから
付加年金は2年で元が取れる超お得な制度!概要・申込み方法などを解説

その.4 国民年金保険料の未納分を無くす(任意加入制度・後納制度を利用)

もし国民年金の保険料で未納期間があるという場合、どこかのタイミングで払っておくことをお勧めします。

国民年金(老齢基礎年金)は個人年金保険よりもかなり高い返戻率になります。ましてや貯金とは比べ物にならないほどお得です。

そのため、もしも保険料を未納している期間があれば、過去5年前まで遡って納付できる「後納制度」を利用したり、60歳から65歳に加入できる「任意加入制度」を利用して保険料を払ったほうがいいでしょう。個人年金保険に加入するよりも、その方がずっと費用対効果が高いですので。

任意加入制度についてはこちらのページで詳しく解説しています。
国民年金の任意加入制度は利用すべき?貯金するよりも2倍以上お得になるので迷わず活用しよう

その.5 確定拠出年金や小規模企業共済も検討してみよう

個人事業主の場合、小規模企業共済や確定拠出年金を利用することができます。これは将来受け取るための年金を今のうちから掛けておこうという制度です。

ここでは詳しく解説しませんが、この2つは掛金の全額が所得税控除になるので、節税を考える方に非常にお勧めの年金制度です。将来貰える金額も貯金よりは断然増やしやすいので、自営業の方は是非とも利用を検討してみてください。
小規模企業共済のメリットとデメリット、申込み前の注意点など
個人型確定拠出年金のメリットとデメリット、初心者が確実に押さえておきたい基本情報をまとめました

その.6 結婚していない人は、全力で婚活する

上で書いた計算では夫婦の方が必要となる貯金額の方が独身よりも多かったですが、それは一般的な生活水準を求める場合です。

夫婦であれば国民年金(老齢基礎年金)は合計で13万円貰えるので、もしも持ち家があり、かなりの節約ができるのであれば、生活費を13万円以内で抑えることもできるかも知れません(かなり頑張る必要があると思いますが)。それなら赤字にならずに生活することができますね。

子供がまだ独立していない場合は無理ですが、子供がいない、または独立後であれば、貯金を使わずに生活していくことも頑張れば不可能ではありません。

また、夫婦ならどちらかがパートやアルバイトをするという方法も選択できます。夫婦で協力しあえるというところも良いですね。精神的な満足度も高くなることでしょう。

独身で自営業で頑張っている方は、今のうちに頑張って婚活するというのも将来に向けての一つの対策となります。かなりお勧めです。

その.7 終身保険、個人年金保険に加入する

終身保険や個人年金保険は支払った保険料よりも多くの金額を受け取ることができるため、銀行で貯蓄するよりもかなりお得な運用をすることができます。

こちらも合わせて検討しておくと良いでしょう。
終身保険はここがおすすめ
個人年金保険はここがおすすめ

ただし、個人事業主の場合は上記で紹介している確定拠出年金や小規模企業共済の方がお勧め度は高いため、まずはそちらを検討してみてください。もしそれらを全部利用していて、まだ掛金を増やしたい場合はこちらもチェックしてみてください。

自営業の場合は夫に万が一があった時を想定すべき!

国民年金だけの場合、将来の年金生活に不安を感じる方も少なくありませんが、国民年金だけの家庭の場合はもう一つ不安要素があります。

国民年金だけでは保障が不十分なため、夫に万が一(死亡や障害)があった場合、一気に生活すること自体が難しくなってしまうということです。

その不安を何とかするために、定期保険・もしくは収入保障保険への加入を是非とも検討してみてください。詳しく話すと長くなるのでここでは省きますが、個人事業主の夫を持つ家庭の場合はこの2つは本当に無くてはならない保険となるからです。

ただし、どの保険商品に入ろうか分からない、商品が多すぎてどれを選ぼうか迷っているという方は、保険のスペシャリストであるFPの無料保険相談を利用してみてください。

お勧めの保険相談サービスについては以下のページでまとめていますので、興味がある方は見ておいてください。特に1位にランクしている保険見直しラボは非常にお勧めですので、質の良いベテランFPを探している方はチェックしておくことをお勧めします。

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