自転車事故による高額賠償を背景に、2015年10月1日から兵庫県で始まった自転車保険への加入義務化。
大阪でも2016年7月1日に義務化が施行され、埼玉県、名古屋市、滋賀県、京都府、鹿児島県など、各自治体が続々それに続いています。他にも数県で加入を「努力義務」としており、今後は全国でその動きが加速していくことが予想されています。
義務化地域と加入義務化地域について
2020年2月現在では、以下の地域が義務、加入義務となっています。
また、直近では東京都、奈良県、愛媛県が2020年4月に義務化が予定されています。
ちなみに義務と努力義務の違いですが
→自転車保険への加入を条例で義務化されたもの
努力義務
→自転車保険に加入するように努めなければならないもの
となっています。
義務化地域での未加入者は罰則等はあるのか
自転車保険への加入義務が条例で決められている地域にお住まいの方は、自転車保険への加入が義務付けられています。
ですが、もし自転車保険に加入していない場合はどうなるのでしょうか?何か罰則などはあるのでしょうか??
これについてですが、特に罰則等は設けられていません。そのため、自転車保険に加入していなくても何かを強制されるということはないようです。
ですが、今後は自転車保険に入っていないと会社が学校で自転車通勤・通学を認めない・・というケースが出てもおかしくありませんので、加入義務地域の方は積極的に加入しておくことをお勧めします。
個人的には自転車事故による高額賠償にはやはり備えておくべきと考えているので、加入義務地域でないとしても加入しておいて損はないと思います。
どんな保険に入ればいいのか
では、どんな保険に加入しておけばいいのでしょうか。「自転車保険」と言われるものに本当に入らなければいけないのでしょうか。
実はそんなことはないのです。自転車事故によって生じた他人へのケガを補償することができる保険、または共済であれば問題ないとされています。
つまり、自転車利用者、またはその保護者の方は個人賠償責任保険にさえ加入していればその義務を果たしたことになります。
そうなのです、一般的に「自転車保険の加入を義務化」と言われているのですが、専用の自転車保険に加入する必要はなく、他人のケガによる高額賠償に備えられる「個人賠償責任保険」にだけ入っていれば大丈夫なのです。
そして個人賠償責任保険は単品で契約することが可能となっており、それが一番保険料を安く済ませることができます。また、個人賠償責任保険は自転車保険に含まれている他、自動車保険・火災保険・傷害保険に付帯することも出来ます。共済やTSマーク付帯保険も同様です。
個人賠償責任保険は最低でもこれだけの条件が欲しい
一口に個人賠償責任保険と言っても、提供する会社ごとにその内容は異なります。そのため、もしかしたら「これは絶対必要!」という補償が付いていない可能性もあるのです。
例えば示談交渉が付いていないものを選んでしまった場合、万が一の事故の際は自分で相手方と色々な交渉をしなければならなくなります。事故を起こしてとても滅入っている時に、示談交渉をしてくれる人がいることがどれほど大きな助けになるか、容易に想像できると思います。
このように、個人賠償責任保険には「これだけは付いていて欲しい!」という補償があるのです。個人的には以下の点を満たしているものを選んでほしいなと思っています。
- 示談交渉付き
- 5,000万円以上の賠償責任補償額がある(出来れば1億円)
- 家族全員が対象
- 自転車以外の日常生活も補償してくれるものが良い
- 保険料が安い
示談交渉が付いているのはもはや外せません。また、事故の程度によってはもの凄い高額賠償になってしまう可能性もありますので、5,000万円以上の賠償責任補償額は欲しいです。ただし、事例では9,000万円を超える賠償金を請求されるケースもありますので、出来れば1億円は欲しいですね。(自転車事故の賠償事例 | 自転車保険の選び方 – 価格.com)
家族全員をカバーしてくれるもののであれば、自分が入っておけばそれだけで子供の自転車利用分の義務もはたしていることになります。
そして自転車以外でも他人にケガを負わせてしまう可能性は日常生活中、またはスキー・スノボ中などにも潜んでいますので、日常生活全般を補償してくれるものだと嬉しいです。
お勧めは三井住友VISAカードのポケット保険
出来れば以上の補償内容を満たしている個人賠償責任保険を探し、加入を検討してもらえればと思っています。
参考として特に私がお勧めだと思っているものを挙げますと、私は三井住友VISAカードのポケット保険が月々140円の保険料で最高1億円の補償が受けられるので非常にお勧めだと思っています。
三井住友VISAカードのポケット保険の特徴をまとめると
- 保険料は月々140円
- 補償限度額は1億円
- 家族全員が対象
- 示談交渉サービス付き
- 日常生活中の事故(自転車事故)にも対応
- 加入も解約も自由に出来る
というかなり魅力的な内容になっています。三井住友VISAカードを持っていないと利用できないのが一番のハードルなのですが、「エブリプラス」であれば年会費永年無料で発行できますので、個人賠償責任保険を探している方はチェックしておくことをお勧めします。
すでに個人賠償責任保険に入っている可能性もある
今現在、自動車保険・火災保険・傷害保険のいずれかに加入している方は、すでに個人賠償責任保険を付帯して契約している可能性があります。
その場合は契約内容を見直し、上で挙げた項目をどれほど満たしているか確認しておいてください。ちなみに家族全員が対象となっているのであれば、他で加入する必要はなくなります。(もしも条件を満たしていない補償内容であれば、他も検討した方が良いかも知れません)
もし加入がまだであり、その内容が良いモノであったならば、そちらで加入しておくのが一番楽な方法となります。
専用の自転車保険はどうなのか
自転車保険は個人賠償責任が付いているのはもちろん、自転車事故による自分(被保険者)のケガ・死亡・高度障害に対して補償してくれます。
保険料は個人だと月々300円~400円、家族全員だと月々400円~1,000円くらいが相場となっています。
確かに個人賠償責任単品と比べると保険料は少し高めですが、医療保険と比べると非常に安いため、「医療保険には入ってないけど、何かしら自分(または子供)の自転車事故に対するケガへの補償が欲しい」という場合は自転車保険を検討してみても良いと思っています。
自転車保険のお勧めや比較情報に関してはこちらのページでまとめています。
⇒おすすめの自転車保険の比較と評価ランキング
とはいえ、基本的に個人賠償責任保険さえあれば自転車保険はいらないかなというのが個人的な見解です。
義務化はされているが、今のところは加入していなくても罰則はなし
ここまで解説しておいてなんですが、実は兵庫県では自転車保険は加入を義務化されてはいるものの、それを破ったところで罰則を受けることはありません。
何故かと言うと、保険に入っているかどうかを個人個人で確認していくことが非常に難しいと判断されたからです
。そのため、もし自転車保険(正確には個人賠償責任保険)に入っていなかったとしても、今のところは大きな問題になることはないのです。
ですが、自転車事故による高額賠償は年々増えてきており、万が一の場合はとてもすぐには支払いきれない賠償金を請求されることもあり得ます。
最近はスマホの「ながら運転」も問題になっており、残念ながら何かしらの法的規制でもされない限りはスマホ操作による事故はさらに増えると思われます。特に自転車通学をしているお子さんがいるご家庭では他人事ではない問題となるでしょう。
また、賠償金狙いでわざと当たってくる人もいないとも限りません(実際増えているそうです・・)。
そのような背景も踏まえ、自転車保険の加入の義務化という話が兵庫県を中心に出てきたのだと思います。もちろん強制ではなく、罰則もないので加入しなくてもいいのかも知れませんが、万が一高額賠償になった場合は自分や家族の人生、そして被害者の人生を大きく左右させてしまいます。
そのような重大な問題発生を未然に防ぐためにも、個人賠償責任保険だけには加入しておいた方が間違いないと言えるでしょう。
この記事を書いた人
- taka
- 当サイト「takaの保険節約術」運営者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者。骨折&手術で身をもって保険の大切さを知って以降、独学で身に付けた保険の知識を紹介するようになりました。FPから紹介された保険の見直しもやってます。保険だけでなく安定度の高い資産運用方法を常に模索しています。ラーメン、焼肉、ラケットスポーツ好き。
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