火災保険は各社さほど違いがないのですが、損保ジャパン日本興亜の「すまいの保険」はいろいろな補償がまんべんなく揃っており、比較的スタンダードな火災保険といえます。

また、地震に対する補償を手厚くできたり、太陽光発電システムの損傷、サイバー攻撃(IoT住宅費用「売電収入・サイバーリスク」特約)に備えられるなど、損保ジャパン日本興亜ならではの補償が用意されているのが特徴です。ただし、保険料は他と比べると少し高めとなっています。

それでは、国内3大損保会社である損保ジャパンの火災保険、内容や保険料をチェックしていきましょう。

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このページの中身

以下、詳しい説明に入りますので、興味がある方は読み進めてもらえればと思います。

保険料の例

【専用住宅の見積り例】
・築年数:10年
・延床面積:90㎡
・保険金額:建物2,000万円、家財1,000万円
・費用保険金:損害保険金×30%(限度額300万円)
・自己負担金額:なし
・長期一括払い

戸建て(H構造、所在地:埼玉県)

内訳保険料(水災あり)保険料(水災なし)
火災保険
(保険期間10年)
建物309,060円228,480円
家財212,670円127,420円
地震保険
(保険期間5年)
建物111,700円55,850円
家財111,700円55,850円
合計689,280円523,450円
1年あたり85,683円69,100円

マンション(M構造、所在地:東京都)

内訳保険料(水災あり)保険料(水災なし)
火災保険
(保険期間10年)
建物98,440円83,300円
家財56,610円46,070円
地震保険
(保険期間5年)
建物90,100円90,100円
家財45,050円45,050円
合計290,200円264,520円
1年あたり42,535円39,967円

戸建は耐火性が低いとされる「H構造」で計算しているので、保険料が高く見えますが、他社と比べると「やや高い~標準的」な保険料です。マンションはやや安くなる傾向があります。

mayumayu

この例は水災以外の基本の補償は全て付け、自己負担額なし、費用保険金も最高額出るように補償をしっかり充実させたプランです。補償の範囲や金額を下げることで保険料抑えることができます。

補償内容

主契約(基本補償・プラン)

    契約プラン
     
補償内容     
ベーシック
(Ⅰ型)
ベーシック
(Ⅰ型)
水災なし
ベーシック
(Ⅱ型)
ベーシック
(Ⅱ型)
水災なし
スリム
(Ⅰ型)
スリム
(Ⅱ型)
火災・落雷
破裂・爆発
風災・雹災
雪災
水災×××
物体落下・飛来
衝突・水濡れ・騒擾
××
盗難××
破損・汚損××××
自己負担額0万円(※)、1万円、3万円、5万円、10万円3万円、5万円、
10万円

(※)自己負担0万円を選択した場合でも、「破損・汚損」の自己負担額は1万円になります。

どんな場合でも保険金が受け取れるように補償を手厚くしたいなら「ベーシック(Ⅰ型)」、住まいが高台にあるなど水害の危険性がない場合は「ベーシック(Ⅰ型)水災なし」や「ベーシック(Ⅱ型)水災なし」、マンションの中層階以上で物体落下や盗難、破損・汚損の危険性が低い場合はシンプルな補償の「スリム(Ⅰ型)」や「スリム(Ⅱ型)」が良いでしょう。

費用補償

種類補償内容
地震火災費用 地震などによる火災で建物が半焼以上、もしくは家財が全焼した時に支払われる
◆支払額:保険金額×5%
残存物片付け費用 損害を受けた建物や家財の残骸の片付け費用
◆支払額:保険金額×10%限度
水道管修理費用 水道管が凍結して壊れた時の修理費用
※補償範囲が家財のみの場合、マンション共用部の水道管、パッキングのみの損害は対象外
◆支払額:1事故につき、1敷地内ごとに10万円限度
損害防止費用 火災・落雷・破裂・爆発による損害発生・拡大防止のためにかかった費用
※消火活動により受けた損害の修理費用、消化費用(人員・器材・薬剤費等)
◆支払額:保険金額限度
臨時費用 保険金が支払われるときに併せて払われる費用
◆支払限度額は次の5つから選べる。
①保険金額×30%(300万円限度)、②保険金額×30%(100万円限度)
③保険金額×20%(100万円限度)、④保険金額×10%(100万円限度)、⑤なし

これらの費用補償は全プラン共通で自動的にセットされており、臨時費用だけ限度額を選べます。
費用の保障に関しては他社とあまり変わりありません。

特約

種類補償内容










地震火災特約地震などによる火災で建物が半焼以上、もしくは家財が全焼した時に、費用補償「地震火災費用」に加えて、保険金額×所定割合が支払われる。
◆30プラン…地震火災費用から5%+地震費用特約から25%=保険金額×30%
◆50プラン…地震火災費用から5%+地震費用特約から45%=保険金額×50%
事故再発防止特約火災・落雷・破裂・爆発・盗難により保険金が支払われる時に、再発防止策を行うとその費用が支払われる。
(例:盗難にあったので防犯ガラス・フィルムを設置)
◆1事故につき20万円限度
携行品損害特約家から持ち出した身の回りの品が事故により損害を受けた時に支払われる。
(例:通勤途中に駅の壁にキャリーバッグをぶつけて壊してしまった)
◆保険金額は50万円もしくは100万円。自己負担額1万円。
類焼損害特約自宅から出火し、近隣の建物や家財に燃え移った時にその損害額が支払われる。
※法律上の損害賠償責任がなくても支払われます。
◆保険金額は近隣住宅・家財の価格から計算。契約年度ごとに1億円限度。
建物電気的・< 機械的事故特約建物の機械設備(エアコン・給湯器・照明等)に電気的・機械的事故(ショート・スパーク過電流等)が起きた時にその損害額が支払われる。
◆保険金額は、基本補償の額限度+残存物片付け費用+臨時費用
IoT住宅費用
「売電収入・
サイバーリスク」
特約
【売電収入補償】
屋根などに付けた太陽光発電システムが台風などで損害を受けて、売電収入が減った場合にその損失分が支払われる。
◆保険金額は、復旧期間内に生じた売電収入の損失額

【サイバーリスク費用補償】
住宅内のネットワーク機器(パソコン・家電等)がサイバー攻撃を受け、不正アクセスや個人情報漏洩の事故が起きた場合に負担した費用が支払われる。
◆30万円もしくは50万円を限度に実費が支払われる。

営業用什器・
備品等損害特約
店舗や事務所にて、火事などで業務用の什器や備品に損害が出たとき、その損害額が支払われる。
◆自己負担額1万円
商品・製品等
損害特約
店舗や事務所にて、火事などで保管している商品や製品に損害が出たとき、その損害額が支払われる。
◆自己負担額1万円







個人賠償責任特約日常生活の中で契約者またはその家族が他人にケガを負わせたり、他人のものを壊したりして損害賠償責任を負った時にその賠償額が支払われる。
◆損害賠償額(1000万円、3000万円、5000万円、1億円のいずれか限度)+訴訟費用+弁護士費用が支払われる。
★国内の事故なら示談交渉サービスが受けられる★
施設賠償責任特約※個人住宅ではなく、マンション賃貸・管理・小売店・料理飲食店・事務所が対象※
建物の欠陥や業務中に起きた事故により、他人にケガを負わせたり、他人のものを壊したりして損害賠償責任を負った時にその賠償額が支払われる。
◆損害賠償額(1000万円、3000万円、5000万円、1億円のいずれか限度)+訴訟費用+弁護士費用が支払われる。





借家人賠償責任特約【借家人賠償保険】
入居者が起こした事故で賃貸している部屋に損害が出て、入居者が大家さんに対して法律上の賠償責任を負った時にその賠償額が支払われる。
◆損害賠償額(2000万円、1000万円のいずれか限度)+訴訟費用+弁護士費用が支払われる。

【修理費用保険金】
偶然な事故により部屋に損害が出て、賃貸借契約上、入居者が修理することになっている場合、その修理費用が支払われる。
◆保険金額は300万円限度(自己負担3,000円)

家賃収入特約部屋が火災などにより損害を受け、家賃収入が止まってしまったときにその損失額が支払われる。
◆保険金額は、家賃月額×復旧までの月数。
事故対応等
家主費用特約
【家賃収入保険金】
部屋で死亡事故(自殺・犯罪・孤独死)が発生したため新たな入居者が見つからず、家賃収入が止まったり値引き期間が発生した場合に、その損害額が支払われる。
◆家賃月額×空室または値引月数(最大12ヶ月)

【死亡事故対応費用】
部屋で死亡事故が発生した後、賃借可能な状態に戻すための費用(清掃・消毒・リフォーム費用)が支払われる。
◆実費(1事故100万円限度)



安心更新
サポート
特約
万が一契約更新を忘れてしまっても、契約を自動更新する特約。
保険期間10年の契約にセットできる。

特徴は地震火災特約IoT住宅費用「売電収入・サイバーリスク」特約がある点です。

地震火災特約をつけると、地震の際にしっかり保険金を受け取れますし、IoT住宅費用「売電収入・サイバーリスク」特約は、太陽光発電損傷やサイバー攻撃など昨今リスクが高まっているものに対して補償を付けられます。

その他

【すまいとくらしのアシスタントダイヤル】

サービス受付時間サービス名
24時間365日
  • 水まわりのトラブル応急サービス
  • かぎのトラブル応急サービス
  • 防犯機能アップ応援サービス
  • 健康、医療相談サービス
  • 介護関連相談サービス
平日10時~17時
  • 住宅相談サービス
  • 法律相談サービス
  • 税務相談サービス

こちらは無料で自動付帯します。

「水まわりのトラブル応急サービス」はトイレが詰まったとき、「かぎのトラブル応急サービス」は鍵を失くしたときなどに無料で処置を頼めるので、いざ困ったときに役立ちます。

契約条件(保険料支払方法について)

払込期間
  • 月払い(1年 または 2~5年の整数年)
  • 年払い(2~5年の整数年)
  • 一括払い(1年 または 2~10年の整数年)
払込方法口座振替、郵便局、コンビニ、クレジットカード(一括払いのみ)
割引
  • 新築割引
  • 長期分割割引
  • 建物、家財セット割引

月払いより年払い、年払いより一括払いの方が、払い込み保険料の総額が少なくなるのでお得です。
また、保険期間も長い方が割引が効いて安くなります。

メリット部分

地震の際の補償を手厚くできる

損保ジャパン日本興亜の「すまいの保険」では、地震で被害を受けたときは「地震保険」を付けていれば、(火災保険金額×上限50%)×損害割合に応じて5%~100%が支払われ、さらに地震による火災で建物が半焼以上、もしくは家財が全焼した時には、費用保障「地震火災費用保険金」より火災保険金額×5%が支払われます。

それだけでなく、特約として用意されている「地震火災特約」を付けることで、地震の際に受け取れる保険金を増やすことができるのです。地震に対して不安を抱えている方は多くいるだろうと思いますが、この特約を付けることで地震への大きな備えになりますので、この点はこの商品の魅力と言って良いでしょう。

【例:火災保険金2,000万円の建物で小半損の場合】
地震保険から(2,000万円×50%)×30%=300万円、地震火災費用から2,000万円×5%=100万円
→合わせて400万円が受け取れます。

これに「地震火災特約30プラン」を付けると
→2,000万円×25%=500万円を加えて受け取れるので、500万円+400万円=900万円

「地震火災特約50プラン」だと
→2,000万円×45%=900万円を加えて、900万円+400万円=1,300万円がそれぞれ受け取れます。

太陽光発電システムの損傷、サイバー攻撃にも対応

エコへの関心や副収入への注目から、太陽光発電システムを設置によって売電収入を得るお家が増えています。ただ、昨今の大型台風やゲリラ豪雨、雹、竜巻などでソーラーパネルが損害を受け、売電収入が減るケースも増えています。

そんな時に備えられるのが特約IoT住宅費用「売電収入・サイバーリスク」特約です。屋根などに付けた太陽光発電システムが損害を受けて、売電収入が減った場合にその損失分が支払われます。

また、サイバーリスク費用補償もつけることができ、住宅内のネットワーク機器(パソコン・家電等)がサイバー攻撃を受け、不正アクセスや個人情報漏洩の事故が起きた場合に、30万円もしくは50万円を限度に実費が支払われます。

デメリット部分

保険料がやや高い

損保ジャパン日本興亜の「すまいの保険」は同条件で他社と比較した場合、特に戸建てだと保険料がやや高くなる傾向にあります。これは費用補償や特約が充実している分が保険料に上乗せされているからだと考えられます。

また、メリットでもある地震火災特約をつけるとさらに高くなるので、保険料をできるだけ抑えたいという方は他社でも試算することをお勧めします。

mayumayu

正確な保険料は、各社きちんと試算をしてみないと分かりません。建物の構造や立地、条件によっては損保ジャパンの保険料の方が安くなる可能性もあるので、まずは何社か料金比較をして見ましょう。

最終評価

火災保険は基本的な補償内容は各社さほど違いはありません。違いが出るのは費用補償や特約の種類・上限額です。その点で損保ジャパンは地震に手厚く備えられる(地震火災費用特約)のと、太陽光発電システムの損傷、サイバー攻撃(IoT住宅費用「売電収入・サイバーリスク」特約)に備えられる、というのが他社にはない強みです。

東南海地域や首都圏など今後地震のリスクが高いとされている地域に住んでいて、地震にしっかり備えたいという方や、家に太陽光システムを設置している方、IoT家電を使っている方にはいざという時に役立つ補償なので、お勧めです。

反面、保険料をできるだけ抑えたいという方は特に戸建ての場合だと保険料が割高になる可能性があるので、他社と比較した上で判断することをお勧めします。

この記事を書いた人

mayu
mayu
東京都在住。現役の保険営業ウーマンとして個人のお客様から保険相談を受けています。ファイナンシャルプランナー2級。趣味は都内お散歩とカラオケ(目標は演歌マスター)

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