火事だけでなく、台風による水害や泥棒による盗難被害でも保険金を受け取れる火災保険。

大事なマイホームと家財を守る心強い存在ですが、いつどんな時でも保険金が支払われるとは限りません。場合によっては保険金が支払われないこともあります。

「支払われないなんて、こんなはずじゃなかった!」とならないように、どんな時に支払われないのかを一緒にチェックしていきましょう。

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そもそも基本の補償範囲に入っていなければ支払われない

火災保険の仕組みとは?」で解説をした通り、火災保険は次の6つの基本補償の組み合わせで成り立っています。

  1. 火災・落雷・破裂・爆発
  2. 風災・雹災・雪災
  3. 水ぬれ・外部からの物体落下等・騒擾
  4. 盗難
  5. 水災
  6. 破損・汚損

①火災等、②風災等は火災保険の基本なのでほぼ全ての契約で補償範囲に入っていますが、③~⑥は契約内容によっては補償範囲に入ってない場合もあります。

当然ですが、補償範囲に入っていなければ、火事や風災の時に保険金が受け取れても、水害や盗難・破損では保険金は受け取れないので注意してください。

「経年劣化」「気をつけていれば避けられた事故」などの場合は支払われない

もし基本の補償範囲でカバーされていたとしても、次の場合には保険金は支払われません。

  • 犯罪(契約者や保険金受取人による故意、重大な過失、法令違反)
  • 自然による経年劣化(自然消耗、劣化、変質、さび、カビ、剥がれ、肌落ち、発酵、ねずみ食い、虫食い等)
  • 使用による経年劣化(すり傷、かき傷、塗料剥がれ、ゆがみ、たわみ、へこみ、落書き)
  • 欠陥住宅(建物がそもそも施工不良の場合は施工会社に賠償責任があるため)
  • 置き忘れ、紛失(家財の場合)
  • 戦争、革命、内乱、暴動
  • 地震、噴火、これらによる津波
  • 核燃料物質等に起因する事故

火災保険はあくまでも「偶然かつ突発的に起きた事故」で損害が出たときに保険金が支払われます。意図的に起こした事故や、どんな家でも起こりうる経年劣化による損害では支払われません。

予測できた事故や防げたはずの事故に対しても対象外となります。例えば、「豪雪地帯なのに雪止めを付けていなかった」「台風で雨どいが壊れたままなのに放置して更に被害が広がった」などです。

ただ、これらは厳密な検証が難しく、場合によっては保険金が支払われるケースもあるので、迷ったらまずは保険会社に給付請求の連絡をしてみると良いでしょう。

尚、一番上の「犯罪」カテゴリに含まれる「重大な過失」ですが、これはうっかりミスではなく当然気をつけていれば避けられた事故を指します。

例えば過去の事例でいくと、「寝タバコ」「天ぷら油に火をつけたまま家を離れた」「小さい子供のライターでの火遊び」などが当てはまります。子供の火遊びは親が監督責任を果たしていないとみなされたことになります。

いずれにしてもその時の個別判断になるので一概に支払われないとは言えませんが、火事の原因になるような行いは日ごろから注意して避けるのが当然ですがベストです。

その他、戦争や地震など被害が広範囲に及び全世帯に保険金を支払える確証がない事故についても対象外となっています。(地震に関しては地震保険を付帯することでカバーされます)

破損・汚損はこんな時も支払われない

加えて、「破損、汚損」の場合は次のような時も支払われません。

  • 差押え、収容、没収等
  • 修理作業中上の過失、技術ミス
  • 不測且つ突発的ではない電気的事故・機械的事故
  • 詐欺・横領
  • 土地の沈下、隆起、移動、振動

やはり、偶然起きてしまった事故ではない、本人に責任がある、などの場合や、地盤変化など被害が広範囲に及ぶと想定されるものについては対象外となっています。

尚、破損・汚損の場合、家財は下記のものは補償の対象外なので注意してください。

  • 電球、ブラウン管の管球類に発生した単独損害
  • 楽器の弦が切れた、打楽器の打皮の破損、楽器の音色や音質の変化
  • 保険の対象である液体の流出、混合による損害
  • メガネ、コンタクトレンズ、補聴器、入れ歯、義足等
  • 携帯電話、PHS、スマホ、ポケベル、ノートPC等
  • 船舶、航空機、ラジコン模型等(船舶保険でカバーできる)
  • 自動車、原付(自動車保険でカバーできる)
  • 動物、植物
  • 1個または1組の金額が30万円を超える貴金属、宝石、書画、骨董、彫刻、その他美術品
     (破損・汚損に限らず、明記物件特約を付帯することでカバーされる)

外への持ち出しが前提のものや消耗品は範囲に入りません。自動車や船舶は自動車保険などそれ専用の保険でカバーできます。また、高価な貴金属等は特約を付けることで補償範囲に入れられます。

費用の補償が支払われない時は?

火災保険は「基本の補償」「費用の補償」「特約」の3つから成り立っていますが、このうち「費用の補償」は「基本の補償」から建物や家財に対して保険金が支払われないと支払われません。

理由は「基本の補償」に付帯しているものだからです。

mayumayu

【費用の補償って?】
被害時には、実際の損害にも仮修理や仮住まいなど色々な諸費用がかかります。その諸費用分として基本の補償に上乗せで保険金を支払ってくれるのが「費用の補償」です。

特約もこんな時は支払われない!

特約についても、基本的には今まで紹介してきたような事例では支払われません。

次の2つの特約については、建物や家財の損害に限らず日常生活での事故に対して補償が出ますが、以下のような場合にはやはり保険金が出ません。

特約名 補償内容 保険金が支払対象外になるケース
弁護士費用特約 日常生活で弁護士に損害賠償請求を依頼した場合の費用が出る 犯罪、自殺、無免許や飲酒運転、差押さえ等、日照権など住宅の損壊を伴わない事由、業務上の事故
個人賠償責任特約 日常生活で相手に損害賠償責任を負った時にその損害額が出る 同居親族に対する事故、業務上の事故、レンタル用品など借り物、ゴルフ・カート以外の自動車、船舶、銃器に関する事故

まとめ

火災保険はいざという時に経済的負担を減らしてくれる心強い味方ですが、いつでも頼れるわけではありません。

大事なのは、もし家や家財に被害が出てしまったときに、すぐに気づいて状況を適切に説明し、保険金を請求できるかどうかです。被害の発生時期や因果関係があやふやだと支払われない可能性があるためです。

被害が出た際にはきちんと保険金を受け取れるよう、日ごろからチェック・修理を小まめにして家を大事にしながら住んでいきましょう。

この記事を書いた人

mayu
mayu
東京都在住。現役の保険営業ウーマンとして個人のお客様から保険相談を受けています。ファイナンシャルプランナー2級。趣味は都内お散歩とカラオケ(目標は演歌マスター)

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