自営業者の将来の年金確保のための助けになってくれるものに「付加年金」という制度があります。

あまり聞いたことがないという方も多いかも知れませんが、この付加年金は普通ではあり得ないくらいのお得な制度のため、一度中身を知ると逆に忘れられない言葉となるかも知れません。

このページではそんな付加年金について詳しく解説していますので、加入を検討される方はよければ参考にしていってください。

制度の中身はとてもシンプル!2年で元が取れます

公的保険は色々と仕組みや計算が面倒だったりするものですが、付加年金に関してはその中身がとてもシンプルで分かりやすいです。

では、早速制度の中身を紹介しましょう。

【付加年金の概要】

  1. 国民年金保険料に月額400円を上乗せする(任意)
  2. その結果、「200円×付加年金保険料の納付期間」が老齢基礎年金に加算される

そうなのです、付加年金の概要はこの2点だけという、非常に簡単なものなのです。

とはいえ、これだけの説明だともしかしたら「毎月400円上乗せしてるのに、200円しか貰えないのは損なんじゃないの?」と思ってしまうかも知れません。

ですが、当然ですがそんなことはありません。以下に分かりやすい計算式を書いていますが、それを見れば一目瞭然でいかにお得かが分かると思います。

【付加年金の加算額の求め方】

まず最初に、付加年金を20年間上乗せした場合の総額を計算してみます。
400円×12ヶ月×20年=96,000円

20年間で9万6千円を上乗せして支払いました。

では、老齢基礎年金にいくら加算されるのかを計算してみます。
200円×12ヶ月×20年=48,000円

4万8千円が貰える計算になります。この時点だと確かに支払った額の半分しかもらえていません。

ただし、老齢基礎年金は毎年貰えます。そして付加年金はその毎年の老齢基礎年金に対し、常に48,000円が加算されることになります。

つまり、生きている限り毎年48,000円が加算され続けるのです。2年が元が取れて、その後はずっと貰いつづけるという状況が続くのです。

これはお得以外の何物でもありませんよね。

ただし、付加年金は加入できる人に制限があったり、国民年金基金との併用はできないなどの注意点もあります。それらについてはこの後すぐ解説していますので、付加年金の利用を検討している方は是非ともチェックしてみていってください。

誰が入れるの?加入条件を教えます

付加年金は第1号被保険者のみ利用することができる制度です。

第1号被保険者なんて聞き覚えのない言葉だと思いますが、第1号は国民年金に加入している人(自営業者など)のことを指しています。また、第2号被保険者は会社員や公務員で、一般的に厚生年金と呼ばれています。

第3号は第2号被保険者に扶養されている配偶者のことを指しています。

ということで、付加年金は国民年金に加入している自営業者が利用することができるのです。会社員や公務員の方(またはその妻)は残念ながら利用することができません。

また、注意点としては法廷免除や学生納付特例制度などで保険料の支払い免除を受けている方、老齢基礎年金の受給権がない方は付加年金を利用することができません。

ちゃんと年金保険料を支払っていないと利用できないという感じになっているので、ここは注意しておきましょう。

申込みはどこでするの?

付加年金を利用する場合は、お住まいの市区役所、または町村役場の窓口から申し込むことができます。もし何か分からないことがある場合は、お住まいの市役所(または区役所・町村役場)に電話するか、直接尋ねれば間違いなく解決します。

申し込み時に必要となるのは身分証と印鑑です。現金は必要ありません。

また、申込み方法についてはこちらのページでも詳しく解説していますが、特に新しい情報を載せている訳ではないので、見なくても問題ありません。
付加年金の申し込みは5分でOK!役所で必要となるものや注意点など

国民年金基金との同時加入はできない

自営業者が入れる年金制度の一つに国民年金基金があります。この国民年金基金は掛金が全額控除されるなど、かなり税制面で優遇されている年金制度なのですが、この国民年金基金に加入している方は付加年金を利用することができません。

国民年金基金と付加年金は、併用することができないのです。いや、正確に言うと国民年金基金に加入すると、付加年金も自動的に加入扱いとなるため、重複利用ができないというのが正解の表現です。

国民年金基金よりも確定拠出年金の方が良いかも・・?

また、国民年金基金の場合は月額68,000円まで掛金を増やすことができますので、「付加年金の400円だけじゃなくて、もっと掛金を増やして控除を増やしたい!」という場合は国民年金基金で大きな金額を掛けるというのもお勧めです。

ただし、個人的には国民年金基金よりも、資産を自分で運用出来てインフレにも対応している確定拠出年金の方がお勧めだと感じています。

確定拠出年金は国民年金基金と合わせて68,000円までしか掛金を増やせないという決まりがあるので、国民年金基金を利用するのであれば「確定拠出年金+付加年金」が現状では最も魅力を感じる組み合わせだと思っています。

ただし、正直言ってどの方法が正解かは未来にならないと分かりませんし、インフレへの対応に対しての考えは人それぞれ違ってきますので、リスクヘッジを重視して「確定拠出年金+国民年金基金(多くても2万円くらい)」で掛けるのも悪くないと思います。人によってはこちらの方が魅力を感じるかも知れません。

この記事を書いた人

taka
taka
当サイト「takaの保険節約術」運営者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者。骨折&手術で身をもって保険の大切さを知って以降、独学で身に付けた保険の知識を紹介するようになりました。FPから紹介された保険の見直しもやってます。保険だけでなく安定度の高い資産運用方法を常に模索しています。ラーメン、焼肉、ラケットスポーツ好き。

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