30歳男性の保険料(月額):600円
30歳女性の保険料(月額):670円

健康保険の3割負担分の実費補償、そして自由診療・先進医療での10割負担分も全て補償してくれるというがん保険です。

1,000万円を超える治療費がかかるような重度のがんでも、自分が出した治療費の実費分は全て補償してもらえるため、がん保険の中でも特に頼りがいのある商品と言えます。

その反面、5年の更新ごとに保険料が高くなってしまうため、年金生活を送る老後ではこの保険料を払うのが厳しくなる人も出てくるでしょう。しかも補償期間は最長でも90歳であり、終身で補償されるわけではありません。それらの点にどう折り合いを付けるかが、この保険に加入するかどうかの分かれ道になるかと思われます。

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基本的に補償内容がセコム損保の「自由診療保険メディコム」とかなり似ていますが、異なる点もいくつかあるため、この保険を検討の際は両者の違いも把握しておくことをお勧めします。
「セコム損保のメディコム」と「SBI損保のがん保険」の違いと、どちらが良いのかを考察

押さえておきたい注目ポイント

SBI損保のがん保険(自由診療タイプ)の大まかな特徴をサッと知りたいという人向けに、押さえておきたい要点だけをピックアップしました。

自由診療・先進医療を含めた実費分を負担してくれる
がん診断保険金の条件が良い
若いうちは保険料がかなり安く、他のがん保険と併用しやすい
5年の更新ごとに保険料が上がるので、60歳以降の継続は経済的に厳しいかも
90歳以上は更新できない
通常の治療の場合は保険金が少ないケースも
差額ベッド代は対象外

公式ページはこちらから
SBI損保のがん保険(自由診療タイプ)


以下、詳しい説明に入りますので、興味がある方は読み進めてもらえればと思います。

SBI損保のがん保険(自由診療タイプ)の詳細

月払保険料の例

条件保険(払込)期間:5年更新入院・通院日額:実費分(先進医療・自由診療も含む)
※ 下表の()内はがん診断給付金100万円を付けた場合の保険料
契約年齢男性女性
20歳450円(890円)460円(1,010円)
25歳460円(940円)430円(1,230円)
30歳600円(1,070円)670円(1,560円)
35歳670円(1,260円)1,030円(2,040円)
40歳970円(1,720円)1,610円(2,880円)
45歳1,440円(2,420円)2,100円(3,840円)
50歳2,050円(3,500円)2,640円(4,890円)
55歳2,930円(5,140円)2,920円(5,820円)

※ 上の表は2020年3月現在の保険料です。

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セコム損保のメディコムと似たような補償内容となっていますが、こちらの方が保険料が安いです。

保障内容

項目内容
契約可能年齢20歳以上~75歳未満
がん診断保険金100万円
(2年に1回を限度)
保険期間5年(90歳まで自動更新)
主契約【がん入院保険金】
がんの治療で入院、入院中の手術、入院でのがん治療で先進医療・自由診療を受けたとき、がん治療にかかった費用が無制限に補償される。
【がん通院保険金】
通院でがん治療、通院による手術、通院でのがん治療で先進医療・自由診療を受けたとき、がん治療にかかった費用が最大1,000万円まで補償される。
(5年ごとに1,000万円限度)
特約【がん診断保険金】
がん(悪性新生物、上皮内新生物)と診断確定されたとき、一時金が支払われる
(2年に1回限度に、条件を満たせば何回でもOK)
払込回数月払・年払
払込方法・口座振替
・クレジットカード払
・コンビニエンスストア払
保険料の
払込免除
なし

保障プラン(男性・30歳加入時)

項目プラン.1プラン.2
【保険料】550円970円
【主契約】
がん入院保険金
(診断確定されたガンの治療目的のみ)
・かかったがんの治療費を無制限に補償
・入院日数無制限
【主契約】
がん通院保険金
(診断確定されたガンの治療目的のみ)
・5年ごとに1,000万円まで補償
・通院日数無制限
がん診断保険金
(2年に1回を限度)
 - 100万円

メリット部分

自由診療・先進医療を含めた実費分を負担してくれる

SBI損保のがん保険(自由診療タイプ)は実際にかかった医療費を補償してくれるという特徴を持っています。

これは健康保険の3割負担だけでなく、健康保険が適用されない10割負担の自由診療や先進医療の入院治療費も全額補償してくれるのです。

これは正直言ってかなりありがたいです。がん治療では深刻なものになると長期間の入院を余儀なくされますし、治療費も1,000万円を超えるような膨大な額になる可能性もあります。そのかかった治療費を実費した分全て補償してくれるのは非常に助かると言えるのではないでしょうか。

また、今後のがんは通院治療も増えていくと予想されていますが、通院についても5年ごとに1,000万円まで補償してくれるため、入院だけでなく通院に関しても万全の補償体制となっています。

他のがん保険だと治療費が一定額以上になると保障が追いつかなくなる可能性があります。「がんの治療費に対して万全な保障を用意しておきたい」と考える場合は、SBI損保のがん保険(自由診療タイプ)はかなり有用性の高い保険だと言えます。

また、実費分だけでなく、がんと診断された場合に貰える100万円の給付金も助かります。これにより、治療の実費分+100万円が貰えることになりますので、仕事ができない間の生活費の足しにすることもできるのもありがたいですね。

ただし、公的医療の場合は治療費が高額になると「高額療養費」として一定額が払い戻される制度がありますが、この高額療養費相当分は支払われることはありません。

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似た保険の自由診療保険メディコムでは高額療養費分も補償してくれますが、代わりに保険料が高くなっています。

がん診断保険金の条件が良い

SBI損保のがん保険(自由診療タイプ)には「がん診断保険金」が用意されており、がんと診断確定されると一時金として100万円が支給されるようになっています。

この補償はがんになった時に50万円~100万円単位のまとまったお金が貰えるため、個人的にはがん保険の中でもかなり重要視しているものです。そしてSBI損保のがん保険(自由診療タイプ)は他のがん保険と比べ、この補償の条件がなかなか良いなと感じられますので、この商品自体のお勧め度も上がっている形になっています。

具体的には
・悪性新生物だけでなく、上皮内新生物も同額補償
・一時金で100万円が何回でも貰える(2年に1回が限度)
2回目以降も診断確定のみでOK
という点がメリット部分となっています。

特に「2回目以降も診断確定のみでOK」というのが良いですね。他のがん保険だと2回目以降は入院や手術が条件となっているところも多いので、診断確定の時点で100万円が貰えるのはかなりありがたいと言えます。

ただし、注意点もあります。それは「同じがんの場合、診断給付金は支払われない」という点です。つまり、最初にがんと診断されて100万円貰ったとして、2年後にまだ同じガンで闘病している場合は診断給付金は支払われないということです。

よく比較される自由診療保険メディコムでは2年に1回ではなく、3年に1回限度の給付となっていますが、3年後に同じがんの治療でも診断給付金を受け取れるので、どちらが良いという判断を付けるのが難しくなっています。

若いうちは保険料がかなり安く、他のがん保険と併用しやすい

SBI損保のがん保険(自由診療タイプ)は50歳くらいまでの保険料がかなり安いです。例えば30歳男性だと月々970円、40歳時点でも1,600円と、かなりの安さを誇っています。50歳では月々3,330円になりますが、これでも全然許容範囲内と言えるでしょう。

この保険料は似たタイプの自由診療保険メディコムよりも安いです。保険料の安さを重視して見る場合、SBI損保の方がメリットが高い形になっています。

しかも前述しているように、この保険に加入しておけば深刻ながんになった時の治療費(1,000万円を超えるような場合でも)の心配がほぼいらなくなるため、「子供が独立するまではがんに対して万全にしておきたい!」と考える方は若いうちに加入しておくのも良いかと思います。

また、この保険はがん診断保険金の100万円が貰えるのは良いものの、それ以外は基本的に治療の実費分しか貰うことができないため、長期入院を余儀なくされた場合に生活費に困ってしまうという状況も考えられます。

そのため、他のがん保険と併用すると診断給付金がよりたくさん貰えるようになるため、当面の生活費もかなり安心できるのではないかと思われます。

個人的には、SBI損保のがん保険(自由診療タイプ)とは新がんベスト・ゴールドαと併用するのが良いのではと思っています。この商品は保険料が安いものの、がん診断給付金がしっかりと貰えるので、老後までしっかり役立ってくれる保険になるでしょう。

デメリット部分

5年の更新ごとに保険料が上がるので、60歳以降の継続は経済的に厳しいかも

SBI損保のがん保険(自由診療タイプ)は長期間の入院や高額治療に対応できるという素晴らしい一面を持っているがん保険ですが、かなり大きなデメリット部分を持っています。

それが「5年の更新ごとに保険料が高くなる」という点です。若いうちは非常に安い保険料なので安心して契約していられるのですが、それが60歳、70歳となると、保険料はこれまでとは打って変わってかなり高めになってしまいます。

がんは実際のところ、若いうちはかかる可能性がかなり低く、老後(特に70歳、80歳くらい)になってから急に罹る可能性が高くなる病気です。

「これから本格的に補償が役に立ってくる」という時には保険料がかなりの高額になっているため、年金暮らしではその負担が経済的に厳しくなってしまうことも十分に考えられるのです。とはいえ、一度がんになった場合は他の一般的ながん保険に加入することが出来ないため、高い保険料のままでしかたなく継続するという状況にもなってしまいます。

個人的には、「子供が成人するまでの若いうち」に他のがん保険と併用して万が一に備え、60歳以降は併用している方のがん保険を残してこちらは解約する・・といったようなやり方で利用するのも一案かなと思っています。

ただ、がんの罹患率が高くなる老後にこそ備えたい保険商品であるのは間違いないため、経済的にある程度余裕があり、この保険料くらいで年金生活は左右されないという場合は、この保険は老後の継続加入の価値は十分にあるがん保険だと言えるでしょう。

90歳以上は更新できない

SBI損保のがん保険(自由診療タイプ)には終身での補償がなく、90歳で契約は終了となっています。「高い保険料を払うなら終身で保障して欲しい!」という方にはちょっと向いていない内容となっています。

通常の治療の場合は保険金が少ないケースも

通常の治療に関しては、例えば治療費が100万円(窓口支払が3割負担の30万円)の場合は、高額療養費の自己負担額である8万7千円のみが支給されることになります。

あくまで自己負担分が補償されるものであり、治療費や3割負担分が全て支給される訳ではありませんので、加入を検討する際はこの点は押さえておきましょう。

差額ベッド代は対象外

この保険はかなり長期の入院に対応できるのが大きなメリットとなっていますが、差額ベッド代は対象外となりますので、もし差額ベッド代が発生するような少人数病室を利用した場合はその分だけ自己負担することになります。

差額ベッド代は1日に3,000円~8,000円、または数万円する場合もありますので、長期の入院になるとこの費用がバカにならなくなります。

差額ベッド代が発生する部屋を利用しなければいいのでは・・と思うかも知れませんが、病気や病院次第では利用せざるを得ないという状況も十分にあり得ます。そのため、実費分だけ補償してくれる形のこの保険では経済的に厳しくなってしまうことも考えられるので、差額ベッド代が対象外になっているのはかなりデメリットと言えるでしょう。

セコム損保の「自由診療保険メディコム」との違い

この保険はセコム損保の「自由診療保険メディコム」と内容が非常に似ているため、どのような違いがあるのか、どちらの方ががん保険としてお勧めなのかで迷う方も多いかと思われます。

そのため、この保険を検討する際は先に両者の違いを把握しておくことをお勧めします。
「セコム損保のメディコム」と「SBI損保のがん保険」の違いと、どちらが良いのかを考察

管理人の最終評価

数千万円単位の高額治療でも実費分はしっかり補償されるという、他のがん保険には無い魅力を持っている商品です。しかも若いうちは保険料がとても安くて利用しやすいため、他のがん保険との併用を検討するのも良いかと言えるがん保険となっています。

とはいえ、5年の更新ごとに保険料が高くなるという大きなネック部分を持っています。もしこの保険に加入するならば60歳以降は保険料が高額になっていくため、老後の経済状況次第では解約するという選択肢も考えておかなければいけません(なので併用がお勧め)。

ただ、基本的には高額治療に備えられる数少ないがん保険の一つであるため、経済的に多少の余裕があり、この保険料くらいで年金生活は左右されないという方はチェックしておいて損のない商品だと思います。

管理人taka管理人taka

がん保険をお探しの方はこちらのがん保険 おすすめの比較と評価ランキングのページがお役に立てると思います。

この記事を書いた人

taka
taka
当サイト「takaの保険節約術」運営者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者。骨折&手術で身をもって保険の大切さを知って以降、独学で身に付けた保険の知識を紹介するようになりました。FPから紹介された保険の見直しもやってます。保険だけでなく安定度の高い資産運用方法を常に模索していますので、興味がある方はLINEの方でご質問を。ラーメン、焼肉、テニス好き。

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