男性の保険料(月額):14,750円
女性の保険料(月額):15,095円
(30歳、保険金額500万円、60歳払済、特定疾病保険料払込免除特則付き、健康祝金なし)
死亡・高度障害の他に介護状態になった場合に保険金を受け取ることができるのがこちらの保険。通常の終身保険ではカバーしきれない部分をしっかり押さえているという特徴を持っています。
介護時の保険金受け取りの条件は「要介護2以上の認定」、または「所定の要介護状態になった場合」ですので、比較的軽度の介護状態でも貰うことができるのがポイントです。
他にも保険料払込期間を1年単位で自由に選べたり、三大疾病時の払込み免除特約も付けることが出来るというメリットがあるので、かなり注目度の高い保険と言えるでしょう
保険料こそ他の終身保険より高いですが、万が一を考えると検討の価値は十分にあります。
押さえておきたい注目ポイント
東京海上日動あんしん生命の「長割り終身」の大まかな特徴をサッと知りたいという人向けに、押さえておきたい要点だけをピックアップしました。
- 死亡・高度障害の保障に加え、介護保障も一生涯付いている
- 要介護2以上の認定で保険金を受け取れる
- 保険料払込期間を1歳単位で選べる
- 三大疾病時に保険料が免除される特約を付けることができる
【デメリット・注意点】
- 保険料が高くて解約返戻率が低いため、貯蓄性を重視する方にはお勧めしない
- 若いうちに要介護2に認定される人は少ない
- 健康祝金を付けるかどうかで悩むかも知れません
- 保険料払込期間中は解約返戻金が70%に抑えられている
以下、詳しい説明に入りますので、興味がある方は読み進めてもらえればと思います。
長生き支援終身の詳細
男性の月払保険料と解約返戻金の例
・保険(払込)期間:60歳
・保険金額:500万円
・特定疾病保険料払込免除特則:付加
・健康祝金:なし
契約年齢 | 男性の月額保険料 | 女性の月額保険料 |
---|---|---|
20歳 | 10,640円 | 10,835円 |
30歳 | 14,750円 (払込満了直後の 返戻率:90.0%) | 15,095円 (払込満了直後の 返戻率:89.2%) |
40歳 | 23,250円 | 23,660円 |
50歳 | 48,370円 | 48,230円 |
※ 上の表は2018年7月現在の保険料です。
介護保障や3大疾病時の保険料払込免除特約の分だけ保険料が高くなっています。貯蓄性で見るなら他の終身保険の方が良いですが、介護も兼ねている終身保険なので、万が一のリスクに備える場合は重宝します。
保障内容
項目 | 内容 |
---|---|
種類 | 【終身介護保険】 ・被保険者が死亡・高度障害状態になった、または所定の要介護状態になった場合に保険金が支払われる ・払込が満了した後も保障は一生涯にわたる ・解約返戻金がある ・保険料は加入時のまま、途中で上がることはない |
【低解約返戻金型】 保険料払込期間中は解約返戻金を低く抑えている(70%)が、従来型の終身保険と比べて保険料が割安になっている | |
申込み方法 | 郵送、代理店 |
契約可能年齢 | 15歳~69歳 |
保険金額 | 200万円~5,000円(10万円単位で選べる) |
保険期間 (保険料払込期間) | 祝金なし:79歳以下なら自由設定 祝金を80歳で受け取る:79歳以下なら自由設定 祝金を70歳で受け取る:69歳以下なら自由設定 ※ 10年以上の払込期間が必要で、1歳単位で自由に選べる |
特約その.1 | 【リビング・ニーズ】 余命6ヶ月と判断された場合、死亡保険金額の全部または一部に相当する金額を生存中に受け取れる |
特約その.2 | 【特定疾病保険料払込免除特則】 がん、急性心筋梗塞、脳卒中の所定の疾病状態になった場合、以後の保険料払込が免除される |
その他の特約 | ・年金支払特約 ・指定代理請求特約 |
払込回数 | 月払、年払、一部前納(総額の半分を最初に支払う)全期全納(最初に一括で全て支払う) (支払いはまとめた方が少しお得に) |
払込方法 | 口座振替、クレジットカード |
保険料の 払込免除 | 被保険者が責任開始期以後に発生した不慮の事故を直接の原因として、その事故の日からその日を含めて180日以内に所定の身体障害の状態になられたとき |
診査 | 告知扱いなので医師の診断は不要 |
非喫煙者割引 | なし |
メリット部分
死亡・高度障害の保障に加え、介護保障も一生涯付いている
この保険では通常の終身保険よりも月々の保険料が少し多くなっていますが、その代わりに死亡保障に加えて介護保障も受けられるようになっています。
つまり、通常の終身保険では死亡時と高度障害になった時に保険金が貰える仕組みになっていますが、この保険では要介護状態になった時でも同じ額の保険金額が貰えるのです。
将来、一人で立ち上がることも出来ない状態になるなんて想像したくもありませんが、もしかしたらそうなる可能性も残念ながらあるのです。また、若いうちに事故にあい、介護状態になるケースも決してないとは言えません。
そうなった場合、動けなくなったとはいえ、通常の死亡保障しかない終身保険では当然保険料が支払われることはありません。それに介護状態になるということは多くの人が仕事ができずに収入がなくなるため、保険料の払込みが出来ずに解約せざるを得なくなります。ただ、契約して間がない時は解約返戻金もかなり少ないため、ハッキリ言ってそれを頼ることも出来ません。
また、介護状態が長引けば治療費や介護費用などの問題は当然発生しますし、費用がかさむと公的介護保険では対応できなくなってしまいます。
そのような問題に対処するために、この「長生き支援終身」はあるのです。
ちなみに、長生き支援終身のように死亡・高度障害の保障と介護保障が組み合わされ、さらに掛け捨てではない貯蓄型の終身保険になっている商品はそれほど多くないため、この保険は万が一介護が必要になることを心配される方にはかなりお勧めとなっています。
長寿社会の今、長生きすればするほど要介護状態になる可能性が増してきます。自分の面倒は自分で見るという心意気を持っている方は是非ともチェックしておくべき保険と言えるでしょう。
要介護2以上の認定で保険金を受け取れる
長生き支援終身は公的介護保険で要介護2以上と認定された場合に保険金が支払われます。
要介護2は軽度の介護を必要とする状態です。具体的には以下の状態をいいます。
食事や排泄に何らかの介助を必要とすることがある。立ち上がりや片足での立位保持、歩行などに何らかの支えが必要。衣服の着脱は何とかできる。物忘れや直前の行動の理解の一部に低下がみられることがある。
(長生き終身保険パンフレットより引用)
要介護2はそれほど重大な状態ではなく、比較的軽度な状態です。ここで介護保険金が貰えるのはかなりありがたいと言えます。
85歳以上になると約2人に1人が要介護・要支援認定者になるというデータがあり、その中でも要介護2以上の方は6割を超えるとのことです。やはり結構多いんですね・・。
また、要介護2と認定されなくても、所定の要介護状態になった場合は介護保険金が支払われます。支払いの対象になるためには以下のA、Bいづれかに該当し、要介護状態が180日を超えて継続したと医師により診断確定されることが必要となります。
A | 常時寝たきり状態で、下のaに該当し、かつ、下のb~eのうち2項目以上に該当して他人の介護を必要とする状態 |
a. ベッド周辺の歩行が自分ではできない。 b. 衣服の着脱が自分ではできない。 c. 入浴が自分ではできない。 d. 食物の摂取が自分ではできない。 e. 大小便の排泄後の拭き取り始末が自分ではできない。 | |
B | 器質性認知症と診断確定され、意識障害のない状態において見当識障害があり、かつ、他人の介護を必要とする状態 |
保険料払込期間を1歳単位で選べる
長生き支援終身は保険料の払込期間がかなり自由に設定できるようになっています。
他の終身保険では10年・15年払済、60歳・65歳払済というパターンが多いのですが、長生き支援終身では10年以上の払込期間であれば1歳単位で自由に選べるようになっています。
例えば40歳で加入して払込期間を13年にして、53歳で満了という設定も自由に出来るということです。家庭の経済状況に合わせて自由に選べるのは、なかなか面白いシステムだなと思います。
ただし、以下の条件の範囲内でしか選べません。
- 祝金なし:79歳以下で満了になるように
- 祝金を80歳~90歳で受け取る:79歳以下で満了になるように
- 祝金を70歳~80歳で受け取る:69歳以下で満了になるように
三大疾病時に保険料が免除される特約を付けることができる
長生き支援終身は「特定疾病保険料払込免除特則」を付けることが出来ます。この特約を付けることで、がん、心疾患、脳血管疾患の所定の疾病状態になった場合、以後の保険料払込が免除されます。(保障はそのまま続きます)
三大疾病時に保険料の払込みが免除されるこの特約は、がん家系の方や健康面で不安がある方にとってはかなりありがたいものになってくれる可能性があります。特約分の保険料はかかりますが、この特約は必要だと感じる人は少なくないと思います。
※ 現在の日本人の死亡原因の割合のうち、約2人に1人(54.2%)の方が三大疾病でなくなっています。
デメリット部分
保険料が高くて解約返戻率が低いため、貯蓄性を重視する方にはお勧めしない
この保険は死亡保障に介護保障が付いた終身保険のため、他の終身保険よりも月々の保険料が高い傾向にあります。
また、満期後の解約返戻率も他と比べると低いため、貯蓄性を重要視する場合はあまりお勧めできない保険となっています。
「介護状態になってしまった場合の保障が欲しい」という方には凄くお勧めの保険となりますが、単純に死亡保障や貯蓄性を求める方は他の終身保険を選ぶのが良いでしょう。
若いうちに要介護2に認定される人は少ない
長生き支援終身は要介護2以上に認定されるか、所定の要介護状態になったときに保険金が支払われます。
ただ、要介護2以上に認定される人は若いうちではそれほど多くありません。65歳~69歳の要介護・要支援認定者の認定率は全体のわずか2.9%しかおらず、その中で要介護2は20%以下くらいとなっています(2.9%の20%以下なのでかなり少ないです・・)。
65歳未満となるともっと少なくなりますので、若いうちはこの保険のお世話になることはかなり少なくなるでしょう。
申し込み前の注意点
健康祝金を付けるかどうかで悩むかも知れません
長生き支援終身では少し保険料を上乗せすることで「健康祝金」をつけることが出来ます。これは所定の年齢に達した時にまだ保険金を受け取っていないのであれば、健康祝金が支給されるというものです。
健康祝金の支払対象年齢は2つタイプがあり、お好みで選べます。
①:70歳(5%)、75歳(5%)、80歳(20%)
②:80歳(5%)、85歳(5%)、90歳(20%)
例えば①の健康祝金を付けることで、70歳になった時には契約した保険金額の5%を、同様に75歳では5%、80歳では20%を受け取ることが出来ます。
もし500万円の保険金額で契約した場合は70歳(25万円)、75歳(25万円)、80歳(100万円)が貰えることになるので、総額で150万円貰えます。これは②の場合でも貰える総額は同じです。
さて、ここで問題になってくるのが、わざわざ月々の保険料を上げてまで健康祝金を付けるべきなのか?ということです。これ、悩む人はかなり多いのではないかと思います。
基本的に、健康祝金を付けた場合は保険料が少し高くなります。例を挙げると、30歳男性が60歳払済で保険金額500万円で契約した場合、健康祝金なしのプランだと保険料払込総額は5,011,200円となります。同条件で健康祝金を②のタイプで付けた場合、保険料払込総額は5,331,600円となります。
その差額は320,400円です。つまり、②のプランで契約した場合、約32万円の保険料を余分に支払うことになりますが、90歳まで介護を受けずに元気でいられた場合は150万円が貰えるようになるため、118万円もお得になるのです。
健康祝金の150万円を受け取ったからと言って、保険金額が減額されることはありませんので、単純に118万円が貰えるというなかなか興味深い制度が健康祝金なのです(ただし、解約返戻金は貰った健康祝金の分だけ減ります)。
【30歳男性、60歳払済、保険金額500万円で契約した場合】
支払対象年齢 | 健康祝金総額 | 余分に払う 保険料 | 差額 |
---|---|---|---|
80歳、85歳、90歳 | 150万円 | 約32万円 | 約118万円多くもらえる |
こう見ると健康祝金を付けた方がお得だから良いんじゃないの?と思ってしまいますが、これはあくまでも支払対象年齢まで保険金が支払われなかった場合に限ります。例えば80歳より前に事故に遭って介護状態になったり、死亡や高度障害になってしまった場合は健康祝金はもらえないのです。
そうなった場合、保険料をいくら支払おうが契約した保険金しかもらえませんので、余分に支払った分はまるまる損になってしまいます。
70歳~80歳(もしくは80歳~90歳)の自分がどうなっているのか、当然ながら想像は出来ないと思います。なので、健康祝金を付けるべきか否かで迷ってしまうのですね。
ですが、最近は長寿社会になっており、医療も日々進歩しています。70歳~80歳で祝金が貰える①のタイプであれば十分に元気でいられる可能性はあると思いますので、健康に自信がある方は①なら契約しても良いのではないかと思っています。
②については、さすがに良いとも悪いとも言えませんが、何の問題もなく90歳を迎えられる人は多くはありませんので、よほど健康に自信がある方以外は申し込まない方が無難かも知れません。
そして余計な保険料は払わず、確実に決まったお金を貰いたい場合は「健康祝金なし」でいくのが良いでしょう。
※ ただし、もちろん人によって状況は大きく変わりますので、答えは人それぞれで異なります。
保険料払込期間中は解約返戻金が70%に抑えられている
終身保険にはよくあるパターンですが、長生き支援終身は保険料を少しでも安くするために保険料払込期間中の解約返戻金は従来の70%に設定されています。(これを「低解約返戻金型」と言います)
つまり60歳払済で契約した場合、60歳になる前に解約するとこちらが支払った保険料総額の70%しか返ってこないのです。
やむを得ず途中解約せざるを得ない状況になる可能性もあるかも知れませんが、基本的には満了まで解約せずにいきたいものですね。
管理人の最終評価
介護状態になった時には当然お金が必要になるため、そこも保障されているのはなかなかのメリットと言えます。死亡・高度障害の他に介護状態まで保障してくれる終身保険はあまりないため、万が一に備えるという点で見るとこの保険は検討の価値はあると思われます。
年齢を重ねるにつれ、介護状態になるリスクはどんどんと高くなっていきますので、この保険に入ってより高い安心を手に入れておくのも悪くありませんね。
ただし、その分保険料は他の終身保険と比べると高くなってしまいます。それに応じて返戻率も低くなっており、30代から加入する場合でも満期直後の返戻率は100%を切ってしまいます。そのため、貯蓄性を重視する場合は別の保険も合わせて検討する必要があります。
終身保険をお探しの方はこちらの終身保険 おすすめの比較と評価ランキングのページがお役に立てると思います。
この記事を書いた人
- taka
- 当サイト「takaの保険節約術」運営者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者。骨折&手術で身をもって保険の大切さを知って以降、独学で身に付けた保険の知識を紹介するようになりました。FPから紹介された保険の見直しもやってます。保険だけでなく安定度の高い資産運用方法を常に模索しています。ラーメン、焼肉、ラケットスポーツ好き。
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