JA共済の年金共済(個人年金保険)です。正式名称は予定利率変動型年金共済ライフロードとなっていますが、長いので以降はライフロードと呼ばせていただきます。

この商品は個人年金保険の中でも特に高い返戻率が期待できます。ただし、予定利率が変動するタイプのため、返戻率が正確に予測できないということに注意する必要があります。

ただ、最低保証利率で運用した場合でもそれなりに高い返戻率が期待できますので、個人年金保険の中ではかなり魅力ある商品と言えるでしょう。

イデコに満額をかけているけど、もう少し年金を増やしたい・・という方はチェックしておいて損はないと思います。

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押さえておきたい注目ポイント

JA共済の年金共済「ライフロード」の大まかな特徴をサッと知りたいという人向けに、押さえておきたい要点だけをピックアップしました。

【メリット】

  • 返戻率(受取率)が個人年金保険の中で最も期待できる
  • 終身年金タイプも用意されている
  • 個人年金保険料控除、年払、カード払を駆使して実質的な返戻率の最大化ができる
  • 誰でも加入可能

【デメリット・注意点】

  • 利率は毎年変動するため、将来的に利率が下がる可能性がある
  • 途中で解約して資金を引き出す場合、解約返戻金が掛金よりもかなり下回る可能性がある
  • 基本的にはイデコを優先すべき

以下、詳しい説明に入りますので、興味がある方は読み進めてもらえればと思います。

ライフロードの詳細

返戻率の例
・加入年齢:25歳
・保険料払込期間:60歳満了
・年金受取開始年齢:60歳
・年金受取期間:10年
・月額保険料:10,000円

予定利率男性の返戻率女性の返戻率
最低保証(0.75%)
で運用の場合
約108.6%約108.6%
2019年度の利率(1.47%)
で運用の場合
約125.9%約125.7%

※ 上の表は2019年7月現在の保険料です。

管理人taka管理人taka

今後の予定利率にもよりますが、個人年金保険の中ではとても高い返戻率(受取率)となっています。イデコが限度額までいっている方は、検討しても良いかと思います。
ちなみにイデコの詳細やお勧め証券会社などはこちらでチェックできます。
個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」のメリットとデメリット、初心者が確実に押さえておきたい基本情報をまとめました

保障内容

項目内容
契約可能年齢18歳~85歳
年金受取期間保証期間付終身年金(10年・15年)、確定年金(5年・10年・15年)
予定利率当初5年間:0.5%
6年目以降:年ごとで変動(2019年度は1.47%)
特約【税制適格特約】
所定の条件を満たした場合、一般生命保険料とは別枠で個人年金保険料控除の対象となり、共済掛金のうち一定額について所得控除を受けられる
払込回数月払、年払
払込方法口座振替、クレジットカード
公式サイト予定利率変動型年金共済 ライフロード|JA共済

メリット部分

返戻率(受取率)が個人年金保険の中で最も期待できる

JA共済のライフロードは2019年度の予定利率が1.47%となっています。当初5年間は0.5%という低い利率での運用が決まっているものの、仮にその後はずっと1.47%の利率で運用できた場合、期待できる返戻率が125%を超えてくれます(25歳~60歳まで加入、60歳からは年金支払開始の場合)。

この125%という返戻率は、他の個人年金保険ではまずお目にかかれない数値となっています。

他で最も返戻率が期待できるのが住友生命の「たのしみワンダフル」なのですが、こちらは条件を近くして加入した場合でも107%前後くらいにしかならないため、ライフロードの125%という数値と比べるととても低いことが分かります。

個人年金保険は少しでも返戻率が高い方が保険としての魅力が高くなるため、ライフロードは最も優先的に検討すべき個人年金保険であると言えるでしょう。

ただし、上記の返戻率はあくまでも今後ずっと予定利率が1.47%でいった場合の数値です。もし最低保証の0.75%での運用となった場合は、一気に下がって108.6%という返戻率となるという点は注意しておく必要がありますね(これでも他の個人年金保険よりは高いのですが・・(^^;))。

ですが、最近の超低金利でもライフロードの予定利率は2017年は1.5%、2018年は1.48%、そして2019年は1.47%となっているので、今後は多少の増減はあっても最低保証まではまずいかないであろうと予想しています。

予想ですので外れることはあり得ますが、1%以下に行くことはあまり考えられないので、そうなると他の個人年金保険よりも十分なパフォーマンスが得られるのではないかと思っています。

終身年金タイプも用意されている

JA共済のライフロードでは確定年金だけでなく、終身年金での受取を選択することも出来ます。

終身年金とはその名の通り、被保険者(契約者)が生きている間はずっと年金を受け取り続けられるというものです。いわゆる厚生年金(国民年金)と同じと見ることも出来ますね。

健康面に自信があるのであれば終身年金にしておいて、一生涯にわたって厚生年金(国民年金)の足しにしていくというのもアリかと思います。

ちなみに、25歳加入で60歳払込終了してその時点から年金を受け取る場合、87歳まで生きれば元が取れる計算になります。それよりも長生きすればどんどんお得になりますし、反対にそれよりも早く亡くなれば元が取れずに損をしたということになります。

平均寿命は2017年の段階で男性は約81歳、女性は約87歳とありますので、女性であれば掛金は回収できる可能性がありますが、男性だとかなり少ないのかなと思います。

ただ、最近は医療の発達により寿命が延びている傾向にありますので、将来は平均寿命が90歳までいっても全然おかしくありません。

そのため、長生きした際の経済的リスクを回避するため、このような終身年金タイプの保険に加入しておくのもリスクヘッジとして悪くないかなと思っています。

個人年金保険料控除、年払、カード払を駆使して実質的な返戻率の最大化ができる

ライフロードは個人年金保険料控除、年払、カード払を利用することで、実質返戻率を最大化することができます。これについて、一つずつ見ていきましょう。

まず一つ目は「所得控除」です。ライフロードは生命保険料控除の中の「個人年金保険料控除」が利用できる商品です。

個人年金保険料控除は年間保険料が高くなるほど控除額が増えていき、年間保険料が8万円以上になると所得税は限度額の4万円(住民税の場合は保険料が56,000円を超えると限度額の2.8万円)が控除されるようになります。

つまり、年間保険料を8万円にすることで、最も節税効果が高くなるのです。ライフロードは1,000円単位で掛金を設定できるので、月々7,000円の支払(年間で8万4千円)にするのがベストとなります。

ちなみに額面年収が400万円の家庭の場合、所得税は限度額の4万円、住民税も限度額の2.8万円の徐徳控除により、年間およそ5,000円が軽減されるようになります。これが20年続けば10万円なので、個人年金保険料控除はバカにできないのです(年収が高い方はもっと多くの額を軽減できます)。

2つ目は「年払」ができることです。年払にすると月払と比べて支払う掛金総額が少なくなりますので、最低利率で運用した場合でも3%ほど返戻率が高くなります。もし予定利率が高いままでの運用であればさらに返戻率が高くなりますので、余裕がある方は年払の方も検討すると良いでしょう。

ただ、年払は10万円からとなりますので、個人年金保険料控除を考えると少し払いすぎとなりますが、それでも一括で払える方は年払にした方が実質的な返戻率はかなり高くなるでしょう。

最後は「クレジットカード払」です。JA共済は以前はクレジットカード払が出来ませんでしたが、2016年4月以降からの契約に関してはクレジットカード払もできるようになりました(2016年3月以前までの契約の場合、クレジットカード払に変更することはできないのが残念なところです・・)。

クレジットカードは年会費無料のカードでも1%前後のポイント還元が期待できるため、実質的に1%くらい返戻率が高くなることになります。

月払でも年払でもクレジットカード払が出来るはずですので、少しでも実質返戻率を高めるためにクレジットカード払をしていくのが良いかと思います。


上記3つを組み合わせることで、通常よりも実質返戻率はさらに高まってくれますので、利用できる場合は是非とも活用するようにしてください(^^)

誰でも加入可能

JA共済というと農家でしか加入できないのでは?と思いがちですが、普通の農家組合員以外の人も利用できます。

出資金も数千円ですし、他よりも高い返戻率を考えるとここはあまりデメリット部分には入らないかなと思います。

デメリット部分

利率は毎年変動するため、将来的に利率が下がる可能性がある

JA共済のライフロードは他の個人年金保険と比べてかなり高い利率で運用してくれるという注目の商品ではありますが、予定利率が毎年変動するという点は注意しておかなければいけません。

ちなみに、直近3年間の利率は以下のようになっています。
2019年:1.47%
2018年:1.48%
2017年:1.5%

少し前と比べると利率は徐々に下がっています。来年以降は上がっているという可能性もありますが、さらに下がる可能性もあるということは頭に入れておかなければいけません。この点はライフロードのデメリット部分と言えるでしょう。

ただ、メリット部分でも言っていますが、現在の超低金利時代でも1.5%前後の利率をキープしていますので、多少の不景気が起こっても大きく利率が下がることはないのではないかと私は考えています(確実ではないですが・・)。

下がったとしても1%以下に行くことは現実的ではないのかなと思っています。

また、一応最低利率は0.75%と決まっており、その利率でずっと運用したと仮定しても他の個人年金保険と同程度の返戻率となってくれます。最低利率のままでの運用となる可能性はかなり低いと考えられるので、多少予定利率が下がったとしても個人年金保険の中では最もチェックしておくべき商品だと思います。

途中で解約して資金を引き出す場合、解約返戻金が掛金よりもかなり下回る可能性がある

基本的に個人年金保険はどの商品でも途中解約は推奨していませんが、それはライフロードも同じです。

何故かというと、まだ掛金の払込が完了していない段階で解約した場合、これまでに払い込んだ掛金の総額よりも少ない金額しか返ってこない可能性があるからです。

つまり元本割れしてしまうのですね。ここでは「可能性がある」と言いましたが、よほど払込終了年齢に近い時期でもない限り、高い確率で掛金総額を下回るはずです。

このページを見ている方で損をしたいと思っている人はもちろんいないと思いますので、ライフロードのような個人年金保険に入る場合は無理のない掛金設定をすることが重要となります。返戻率が高いからと言って無理して高い月額で払った結果、家計が苦しくなって途中解約・・、または急に大きな出費があって解約せざるを得ない状況になった・・ということになるのは出来るだけ避けなければいけません。

なので、途中解約せずに払いきれるような、余裕を持った掛金設定をお勧めします。

管理人の最終評価

個人年金保険の中では最も高い返戻率が期待できる商品と言えるでしょう。

基本的には個人年金保険よりも個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」の方がお勧めではありますが、「イデコを満額かけているけど、もう少し年金を増やしたい・・」という方はJA共済のライフロードは検討の価値があるかと思います。

管理人taka管理人taka

個人年金保険をお探しの方はこちらの個人年金保険 おすすめの比較と評価ランキングのページがお役に立てると思います。

この記事を書いた人

taka
taka
当サイト「takaの保険節約術」運営者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者。骨折&手術で身をもって保険の大切さを知って以降、独学で身に付けた保険の知識を紹介するようになりました。FPから紹介された保険の見直しもやってます。保険だけでなく安定度の高い資産運用方法を常に模索していますので、興味がある方はLINEの方でご質問を。ラーメン、焼肉、テニス好き。

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