男性の保険料(月額):227.80USドル
(30歳、保険金額10万米ドル、15年払込満了、低解約返戻金プラン)

[満了時の返戻率]
男性:約93.7%

2018年11月に「ドルスマート」から「ドルスマートS」として新たに発売されたUSドル建の終身保険です。

主な改定内容は三大疾病・介護の特約が用意されたことですが、これが適用範囲が広くてなかなか良い内容となっています。

また、保険料がとても安く、積立利率が年3.0%最低保証で積立利率変動型、無料の健康サポートサービスがあるなど、外貨建て保険の中ではかなりお勧めの部類に入っている商品です。

ただし、外貨建てなので保険金・返戻金受取時に円高になってしまうと損をする可能性があります。この保険を検討する際は、そのような為替リスクがあることを必ず考慮した上で決めるようにしましょう。

押さえておきたい注目ポイント

メットライフ生命「USドル建終身保険(ドルスマートS)」の大まかな特徴をサッと知りたいという人向けに、押さえておきたい要点だけをピックアップしました。

【メリット】

  • 円建ての終身保険と比べると保険料がかなり安い
  • 据え置いた場合の返戻率の伸びがとても高いため、長期的な資産運用の面でもお勧め
  • 三大疾病・介護特約の適用範囲が広い
  • 積立利率が高い
  • クレジットカード払が出来る
  • 無料の健康サポートを利用できる
  • 外貨預金と違い、保険会社が破綻しても保護される

【デメリット・注意点】

  • 為替リスクがあるため、損をする可能性があることは知っておこう
  • 保険料払込満了直後の返戻率がとても低い(付加保険料が高い?)
  • 為替手数料が高い
  • もし投資に興味があるなら「収入保障保険+イデコ(もしくはNISA)」なども考えるべき
  • 基本プランと低解約返戻金プランがあるが、高い返戻率を狙うなら低解約返戻金プランが良い
  • 三大疾病・介護特約の部分が先に該当した場合でも、主契約の死亡保障はなくならない
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以下、詳しい説明に入りますので、興味がある方は読み進めてもらえればと思います。

USドル建終身保険(ドルスマートS)の詳細

低解約返戻金プランの返戻率の例
・契約年齢:30歳男性
・保険料払込期間:15年払込満了
・保険金額:10万USドル
・保険料:227.80USドル

経過年数
(年齢)
払込保険料
累計額
積立利率
年3.0%
積立利率
年3.5%
積立利率
年4.0%
解約
返戻金額
返戻率解約
返戻金額
返戻率解約
返戻金額
返戻率
10年
(40歳)
27,33617,77465.0%18,34867.1%18,94169.2%
15年
(45歳)
41,00438,46193.7%40,22198.0%42,067102.5%
20年
(50歳)
41,00446,431113.2%50,305122.6%54,490132.8%
30年
(60歳)
41,00457,329139.8%65,405159.5%74,562181.8%

三大疾病・介護保障 低解約返戻金プランの返戻率の例
・契約年齢:30歳男性
・保険料払込期間:15年払込満了
・保険金額:主契約分[5万USドル]、三大疾病・介護特約分[5万USドル]
・保険料:261.80USドル

経過年数
(年齢)
払込保険料
累計額
積立利率
年3.0%
積立利率
年3.5%
積立利率
年4.0%
解約
返戻金額
返戻率解約
返戻金額
返戻率解約
返戻金額
返戻率
10年
(40歳)
31,41620,32064.6%20,60765.5%20,90466.5%
15年
(45歳)
47,12443,56292.4%44,44294.3%45,36596.2%
20年
(50歳)
47,12452,370111.1%54,307115.2%56,399119.6%
30年
(60歳)
47,12463,488134.7%67,526143.2%72,105153.0%

※ 上の表は2018年11月現在の保険料です。

管理人taka管理人taka

円建ての終身保険と比べると保険料はかなり安めとなっています。為替リスクこそありますが、割安な保険料を求める方にはとてもお勧めの保険と言えます。

保障内容(終身保険)

項目内容
契約可能年齢満6歳~満80歳
保険金額最低3万USドル (1,000USドル単位)
最高2億円(メットライフ生命所定のレートで換算)
または円に換算して7億円以下のうち低い金額
保険期間終身
保険料払込期間10年、15年
55歳まで、60歳まで、65歳まで、70歳まで、75歳まで、80歳まで、85歳まで、90歳まで
主契約【死亡保険金】
死亡したとき、保険金が支払われる
【高度障害保険金】
責任開始日以後の傷害または疾病を原因として所定の高度障害状態に該当したとき、保険金が支払われる
特約【三大疾病・介護給付終身保険特約】
死亡・高度障害状態、または悪性新生物、心疾患、脳血管疾患や要介護状態により所定の支払事由に該当したとき、保険金が支払われる
【三大疾病・介護保険料払込免除特約】
悪性新生物、心疾患、脳血管疾患や要介護状態により所定の保険料払込免除事由に該当したとき、以後の保険料の払込が免除される
払込回数月払・半年払・年払
払込方法・口座振替
・クレジットカード
保険料の
払込免除
・被保険者が不慮の事故により所定の身体障害状態に該当したとき、保険料の払込が免除される
・三大疾病保険料払込免除特約を付けており、所定の状態に該当したとき、保険料の払込が免除される


支払事由(三大疾病・介護給付終身保険特約、保険料払込免除特約)




悪性新生物初めて悪性新生物を診断確定されたとき
(責任開始時の属する日からその日を含めて91日目以後)
心疾患心疾患の治療を目的として
・所定の手術を受けたとき
・または継続20日以上入院したとき
脳血管疾患脳血管疾患の治療を目的として
・所定の手術を受けたとき
・または継続20日以上入院したとき

要介護状態
  • 傷害または疾病を原因として、公的介護保険制度の要介護2以上に認定されたとき
  • または認知症・寝たきりによる所定の要介護状態がその該当した日からその日を含めて180日継続したとき
    (医師による診断確定を要す)

メリット部分

円建ての終身保険と比べると保険料がかなり安い

外貨建ての保険によく見られる傾向ではあるのですが、USドル建終身保険(ドルスマートS)も円建ての終身保険と比べると保険料がだいぶ安い傾向にあります。

USドル建なので為替リスクがあるというデメリットがありますが、この保険料の安さはそのデメリットを埋めて余りあるくらいのメリットと言えるかも知れません(少し良いすぎかもですが・・)

では、一般的な円建ての終身保険と比べてどれほど保険料がお得なのか、人気商品であるオリックス生命の「RISE(ライズ)」とドルスマートSを比較してみたいと思います。

【表.1 為替レートが1ドル=110円の場合】
・契約年齢:30歳男性
・保険料払込期間:15年払込満了
・ドルスマートの積立利率:年3%

商品名月額保険料保険金額満了直後の
解約返戻率
ライズ
(オリックス生命)
47,355円1,100万円約101.9%
ドルスマートS
(メットライフ生命)
25,058円
(227.80USドル)
1,100万円約93.7%

【表.2 為替レートが1ドル=130円の場合】
・契約年齢:30歳男性
・保険料払込期間:15年払込満了
・ドルスマートの積立利率:年3%

商品名月額保険料保険金額満了直後の
解約返戻率
ライズ
(オリックス生命)
55,965円1,300万円約101.9%
ドルスマートS
(メットライフ生命)
29,614円
(227.80USドル)
1,300万円約93.7%

表で比べてみると一目瞭然なのですが、ドルスマートSの方がオリックス生命のライズよりも圧倒的に安いです。

ライズの保険料の約47%も安いという結果になっているので、保険料だけでいうならドルスマートSの方が断然メリットが高いと言えるでしょう。いくら為替リスクがあるとはいえ、この保険料の差を見逃すのはあまりにももったいないですよね。

保険金額が同じ場合は保険料が安い方がお得になるので、もし死亡保障をメインで考えるのであればドルスマートS一択となるのは間違いないです。

ただし、ドルスマートSの気になる点は「満了直後の解約返戻率」の低さです。ライズの101.9%に対し、ドルスマートSは93.7%という低さになっているのです。

これについてはデメリット部分で詳しく解説していますので、興味がある方は是非とも読み進めていただければと思います。

ちなみに、据え置いた場合の返戻率の伸び率はオリックス生命のライズを大幅に上回ってくれます。これについてはすぐ下で解説しています。

据え置いた場合の返戻率の伸びがとても高いため、長期的な資産運用の面でもお勧め

ドルスマートSは満了直後の返戻率こそ低いものの、据え置いた場合はもともとの積立利率の高さが最大限活きるようになり、どんどん返戻率が高くなってくれます。

これは円建ての終身保険と比べると明らかです。試しにオリックス生命のライズと比べてみましょう。

【解約返戻率の比較表】
・契約年齢:30歳男性
・保険料払込期間:15年払込満了
・低解約返戻金プラン

経過年数
(年齢)
ライズ
(オリックス生命)
ドルスマートS(メットライフ生命)
積立利率
年3.0%
積立利率
年3.5%
15年
(45歳)
101.9%93.7%98.0%
20年
(50歳)
104.9%113.2%122.6%
30年
(60歳)
110.9%139.8%159.5%

満了直後こそライズよりも8.2%も低いという結果になっていますが、その後はドルスマートSの方がどんどん高くなっていってくれるのが分かります。

50歳時で8.3%、60歳時で28.9%もドルスマートSの方が高くなりますので、伸び率が全然違うという結果がハッキリと出ています。

しかもその数値は最低保証である3%で運用した場合の結果です。もし3.5%で運用された場合は満了後15年で円建てより40%近くも返戻率が高くなってくれますので、これは長期的な資産運用を目的とする場合はかなりメリットがあると言えますね。

満了直後の返戻率が低いので学資金目的など利用するのは向いていませんが、「死亡保障+長期的な資産運用」という目的で保険を探す場合、ドルスマートSはかなりお勧めの終身保険となっています。

三大疾病・介護特約の適用範囲が広い

2018年11月に従来の「ドルスマート」という商品に改定を行い、「ドルスマートS」として新たに発売されました。

このドルスマートSになったことで「三大疾病・介護給付終身保険特約」が付けられるようになりました。この特約は3大疾病(がん・心疾患・脳血管疾患)または要介護状態になった場合に保険金が受け取れるという形になっています。

この特約の支払事由は以下のようになっています。




悪性新生物初めて悪性新生物を診断確定されたとき
(責任開始時の属する日からその日を含めて91日目以後)
心疾患心疾患の治療を目的として
・所定の手術を受けたとき
・または継続20日以上入院したとき
脳血管疾患脳血管疾患の治療を目的として
・所定の手術を受けたとき
・または継続20日以上入院したとき

要介護状態
  • 傷害または疾病を原因として、公的介護保険制度の要介護2以上に認定されたとき
  • または認知症・寝たきりによる所定の要介護状態がその該当した日からその日を含めて180日継続したとき
    (医師による診断確定を要す)

この特約、適用範囲が他と比べるとかなり良いです。

まず、3大疾病の特約は「急性心筋梗塞」や「脳卒中」など狭い範囲で指定されているところが多いものですが、この保険では「心疾患」や「脳血管疾患」など、一つの病気に限らずに広い範囲をカバーしてくれています。

また、心疾患や脳血管疾患では「60日ルール」といった60日間就業不能状態が続くことといった条件が付くものが多いですが、この保険では「継続20日以上の入院」という支払事由になっているため、条件的には優しくなっていると言えます。

そして介護部分に「認知症・寝たきりによる所定の要介護状態が180日間続くこと」という部分が書いてあるのも注目です。「公的介護保険制度の要介護2以上」だけだと40歳未満の方は対象とならないので、この要件が加わることで40歳未満の方が万が一寝たきりになった場合でも特約保険金を受け取ることができるようになっています。

このように3大疾病関連の特約としてはなかなか条件が良いと思いますので、死亡保障だけでなく保障の範囲を広げておきたいという方は付加することを検討するのもお勧めです。

ちなみに、こちらの3大疾病の特約は掛け捨てではなく、解約した場合は解約返戻金として還ってきますので、金銭的にもリスクが少ないのが特徴です。

積立利率が高い

ドルスマートSは積立利率が年3%最低保証となっており、さらに運用結果によっては積立利率が高くなるという「積立利率変動型」を採用しています。

どんなに成績が悪くても年3%を保証しており、運用成績が良ければ4%、5%になる可能性もあるのです。円建ての終身保険ではよくても1%前後と言われていますので、3%最低保証というのは他とは比べ物にならない高さとなっています。

ちなみに、外貨建て保険の中でも人気が高いソニー生命の「米ドル建保険」も積立利率が高いですが、こちらは3%固定となっていますので、ドルスマートSの方が積立利率の点では勝っていると言えますね。

ただし、ドルスマートSは保険会社の取り分(付加保険料)が高い設定になっていますので、保険料払込満了後にしばらく据え置くことでようやく本領を発揮する商品となっています。

保険料払込満了直後では積立利率の高さを十分に活かせていない状況ですので、その点は注意する必要があるでしょう。

管理人taka管理人taka

一応書いておくのですが、三大疾病・介護給付終身保険特約は主契約の死亡保障部分とは異なり、積立利率変動型ではありません。分かりにくいのでスルーしても問題ないですが、特約を付ける際は運用成績が良くても返戻率の増加率はあまり良くならないという点は知っておくと良いかと思います。(それでも円建ての返戻率より全然良いのですが・・)

クレジットカード払が出来る

先ほども名前を出したソニー生命の米ドル建保険も良い外貨建て終身保険であり、このドルスマートと良く比較される商品です。

ただ、ソニー生命はクレジットカード払が出来ませんが、メットライフ生命はクレカ払いOKとなっています。そのため、積立利率だけでなくポイント分を考えてもドルスマートSの方が一歩上を行っています。

無料の健康サポートを利用できる

ドルスマートSに加入することで「メットライフクラブ」という商品付帯サービスを無料で利用できるようになります。

このサービスは会員の健康をフォローするもので、知名度の高いティーペック社が提供しているサービスです。日々の健康の悩み・セカンドオピニオン・がんに関する悩み・精神的な悩み・法律上の不安や税務の悩みについて無料で相談できるという内容になっています。

小さいお子さんがいるご家庭では病院に行く余裕もない方も多いかと思います。そのような状況の中、電話で気軽に相談できるサービスがあるというのは精神的にも嬉しいサービスと言えますね。

ただ、内容によっては自己負担が発生するものもありますので、無料利用範囲をしっかり把握してから利用することをお勧めします。

健康生活ダイヤル2424時間年中無休で看護師などの経験豊かな専門スタッフがご相談をお受けします。
(被保険者、被保険者の一親等以内の親族)
健診・人間ドックなんでも相談室専門スタッフが、健康診断・人間ドックの結果の見方や、結果に応じた改善方法についてのご質問・ご相談などわかりやすくお応えします。
(被保険者、被保険者の一親等以内の家族)
乳がん検診コンシェルジュ女性視点で選んだ乳がん検診施設探しから、専用コールセンターによる検診相談・予約手配まで、コンシェルジュがまとめてサポート。
(契約者・被保険者およびそれぞれの一親等以内の家族)
セカンドオピニオンサービス医学界の各専門分野を代表する医師のセカンドオピニオンを無料で受けることができます。
(被保険者)
ベストホスピタルネットワーク/
受診手配・紹介サービス
専門分野の医師が在籍する医療機関での受診・治療を紹介・手配します。
(被保険者)
入院サポートサービス電話一本で家事代行・ベビーシッターなど、ご家族をサポートするサービスをご紹介します。
(契約者・被保険者およびそれぞれの一親等以内の家族)
糖尿病総合サポートサービス糖尿病に関する電話での相談に応じるほか、専門医や、専門医療機関を無料でご紹介します。
(被保険者)
ガン総合サポートサービスガンに関するさまざまな質問や相談に無料で総合的に対応します。
(被保険者)
仕事とガン治療の両立サポート就業中または就業希望のガン患者さんに対して、職場への伝え方のアドバイスや、仕事とガン治療を両立する上でのメンタル面の不安解消、各種公的制度の有効活用や申請をサポートいたします。
(被保険者)
メンタルヘルスサポートサービス精神的な悩みやこころの問題について、電話や面談でカウンセリングを無料で受けられます。
(被保険者)
くらしの相談ダイヤル(法律・税務相談)法律や税務にかかわる悩みについて、プロフェッショナルな専門スタッフが無料で電話相談をお受けいたします。
(契約者・被保険者およびそれぞれの同居一親等以内の家族)

外貨預金と違い、保険会社が破綻しても保護される

日本の銀行で外貨預金を運用している場合、預金保険制度の対象外となってしまいます。そのため、銀行が破綻するなどの万が一があった時は支払能力に応じて補償額が変化してしまいます。つまり、かなり損をしてしまう可能性もあるのです。

ですが、メットライフ生命のドルスマートSは保険会社が販売している商品ですので、保険会社が破綻するなどの万が一があった場合は生命保険契約者保護機構があるおかげで責任準備金(保険会社が積み立てている私たちの保険料)の90%までは原則補償されるようになっています。

破綻する可能性はかなり低いですが、しっかりと補償が付いているというのは安心できるポイントと言えますね。

デメリット部分

為替リスクがあるため、損をする可能性があることは知っておこう

メットライフ生命のドルスマートSはUSドル建の保険のため、保険料払込時または解約返戻金受取時・保険金受取時の為替レートによって損をしてしまう場合があります。

例えば保険料支払時は円高(例:1ドル=90円)の方が良いですが、逆に円安(例:1ドル=130円)になってしまうと、その分だけ余計な保険料(この例だと1ドルにつき40円分)を支払うことになってしまいます。

また、この保険は終身保険なので自分の自由なタイミングで解約ができるため、出来るだけ円安になるのを待ってから解約返戻金を受け取るという方法が使えます。老後資金として用意していた方は円安になるのを待つことも出来るわけです。

ですが、「貯金だけでは子供の学費が足りない」「病気になったので急にお金が必要になった」などの場合はその時の為替レートで解約する必要があるため、もしその時に円高になっていたら解約返戻金が思っていたよりも少ないという結果になってしまうのです。

死亡保険金の場合も同様です。死亡保険金をドルで保持することも可能ですが、お葬式代などで急にお金が必要な場合、その時の為替レートが不利であってもそのレートで保険金を受け取る必要が出てきます。

為替レート次第では確かに大きな得になる可能性がありますが、この商品を検討する際は万が一の事態の時に不利な為替レートになってしまう可能性があることも覚えておく必要があるでしょう。

保険料払込満了直後の返戻率がとても低い(付加保険料が高い?)

ドルスマートSは積立利率を年3%最低保証としているという、終身保険の中でも類を見ないほどの利率の高さとなっています。この利率は最近の円建てでは到底追いつくものではありません(年1%前後が良いところです)。

にも関わらず、満了直後の解約返戻率は円建てのオリックス生命「RISE(ライズ)」より8.2%も低いのです。

【30歳男性、15年払込満了、満了直後の解約返戻率】
ライズ:約101.9%
ドルスマートS:約93.7%

これにより、導き出される答えは「保険会社が付加保険料を多く抜いている」ということです。付加保険料とは保険会社の経費に充てられるもので、手数料や人件費などがこれに当たります。

保険に加入すると私たちが支払っている保険料からこの付加保険料が引かれるため、実質的に積み立てられている金額は支払っている保険料総額よりも少なくなります。

そして満了直後の解約返戻率が低い方が付加保険料を多くとっていると見ることができるので、この場合だとドルスマートSの方が付加保険料が多いと言えるのです。

貯蓄目的で満了後に何年も据え置く予定というのであれば、本来の積立利率の高さが功を奏してどんどん解約返戻率は高くなってくれるのですが、保険料を払い込んだ満了直後に解約するには向いていない商品となっています。

間違っても、学資保険の代わりなどに利用するのは辞めておきましょう。

この商品は完全に死亡保障目的で契約するか、もしくは「死亡保障+長期目線の資産運用」という目的の場合に利用するのが良いかと思います。

為替手数料が高い

メットライフ生命は為替手数料が高めです。

昔は1ドル=1円というかなり高い為替手数料でしたが、現在は半額の1ドル=50銭まで引き下げられています。ですがそれでも他と比べると高いですので、この為替手数料の分だけ他よりも少し損をするということは覚えておく必要があります。

他の生命保険や銀行と比べると分かりやすいと思いますので、以下の表を参考にしてもらえればと思います。

会社名為替手数料
ソニー生命片道0.01円
プレデンシャル生命片道0.25円
三井生命片道0.25円
マニュライフ生命保険料支払時:片道0.5円
解約返戻金・保険金の受取:片道0.01(米ドル)
メットライフ生命片道0.5円
ソニー銀行片道0.15円
新生銀行片道0.15円
楽天銀行片道0.25円
三井住友銀行片道1円

例えば10万米ドルの保険金を貰う場合、ソニー生命のように片道0.01円で計算すると為替手数料は1,000円という安さで済みます。

これがメットライフ生命のように片道0.5円の場合は5万円の為替手数料がかかることになります。1,000円と5万円とではだいぶ違いますので、この点は、ソニー生命の「米ドル建保険」の方が優れていると言えます。

申込み前の注意点

もし投資に興味があるなら「収入保障保険+イデコ(もしくはNISA)」なども考えるべき

ドルスマートSは保険料が安くて積立利率が高いというメリットを持っている終身保険ではありますが、保険商品である以上保険会社に運用手数料などを取られてしまうため、投資などで自分で回した方がより利率の高い運用ができる可能性があります。

そこで押さえておいて欲しいのが、外貨建て保険の代わりに「収入保障保険+イデコ(もしくはNISA)」にするという方法です。

収入保障保険は掛け捨てではありますが、非常に安い保険料で高い死亡保障をかけられるという特徴があります。実は終身保険よりも収入保障保険の方がかなり安い保険料で契約することができますので、その差額をイデコもしくはNISAで運用していくのもかなり良い方法なのです。

イデコであれば掛金の全額が所得控除になりますし、運用次第では年3%を超えることも十分に可能ですので、まだイデコを利用していない方は「収入保障保険+イデコ(もしくはNISA)」も検討してみてはどうかと思います。(NISAは所得控除こそありませんが、利益が非課税になるという特徴を持っています)

基本プランと低解約返戻金プランがあるが、高い返戻率を狙うなら低解約返戻金プランが良い

この保険では「基本プラン」と「低解約返戻金プラン」の2つのプランから選ぶことが可能となっています。

この2つのプランの特徴は以下の通りです。

  • 基本プラン…積立期間の解約返戻金が低くならない代わりに、保険料が高くなっているプラン。保険料払込期間中の解約する場合はあまり損にならないが、満了後は低解約返戻金プランよりも返戻率が低くなる。
  • 低解約返戻金プラン…保険料払込期間中の解約返戻金を低く抑えることで、保険料を割安にしているプラン。保険料払込期間中に解約した場合はかなり損をすることになるが、満了後は基本プランよりも高い返戻率を維持してくれる。

どちらにもメリットとデメリットがありますが、基本的に保険料払込期間中に解約するという事態は万が一のイレギュラーがない限り発生しないため、保険料が安くなって返戻率が高くなる低解約返戻金プランを選択するのが良いかと思います。

もし保険契約時に貯蓄があまりなく、収入減があまり確保できない状況でなることが予想されるなら途中で解約して損をする可能性が高くなるので、終身保険に入ること自体辞めた方が良いでしょう。

三大疾病・介護特約の部分が先に該当した場合でも、主契約の死亡保障はなくならない

三大疾病・介護給付終身保険特約を付けた場合で、三大疾病になったり介護状態になったりしてこの特約の方が主契約よりも先に適用になった場合、特約保険金は支払われますが主契約の死亡保障はなくなりません。

何故こんな説明をしたかというと、主契約の保険金と特約の保険金は独立しており、特約の保険金を貰った際に主契約の終身保険部分はなくなってしまうのではないか・・という勘違いをされる方もいるかもしれないと思い、この説明を付け加えさせていただきました。

逆に混乱させる可能性もありますので、何のことか分からない方はこのままスルーしてもらっても全く問題ありません。もし「特約保険金を先に貰った場合はどうなるのか・・」という疑問を抱えてる場合は、その不安を抱える必要は全くないということだけ覚えておいてもらえればと思います。

管理人の最終評価

ドル建の保険なので為替リスクはありますが、保険料の安さ、積立利率の高さは終身保険の中でも群を抜いています。

ただし、保険料払込満了直後は解約返戻金がかなり低いため、学資金に使う目的で利用するのはお勧めしません。

この商品はその保険料の安さを活かした「死亡保障」と、積立利率の高さを活かした「長期的な資産運用」がとても魅力的です。「死亡保障+長期的な資産運用」を求める方にはかなりお勧め度が高い商品と言えます。

為替リスクがあるので必ず得をするという保障はありませんが、チェックしておいて損のない終身保険だと思います。

また、公式サイトだけでは各状況での解約返戻率や保険金などの詳細を調べられず、他の終身保険と比較することが難しい状況のため、この商品に興味がある方は保険相談サービスを利用して専門のFPに色々とアドバイスを貰うのが良いかと思います。

優秀なFPがいるところを利用すれば、外貨建てと円建ての違いや終身保険のおすすめ商品なども詳しく教えてくれると思いますので、興味がある方是非とも利用してみてください。

管理人taka管理人taka

終身保険をお探しの方はこちらの終身保険 おすすめの比較と評価ランキングのページがお役に立てると思います。

この記事を書いた人

taka
taka
当サイト「takaの保険節約術」運営者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者。骨折&手術で身をもって保険の大切さを知って以降、独学で身に付けた保険の知識を紹介するようになりました。FPから紹介された保険の見直しもやってます。保険だけでなく安定度の高い資産運用方法を常に模索していますので、興味がある方はLINEの方でご質問を。ラーメン、焼肉、テニス好き。

保険契約を検討される際には、契約概要を必ずご確認下さい。

保険を探している方はこちらへどうぞ


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