保険料(月額):1,180円
(30歳、5年更新、入院保険金日額5,000円)
ANAが提供する医療保険です。他の医療保険と比べると保険料が非常に安く、それでいて補償内容が良いという、一見すると理想的な内容となっています。
ですが、保険料が5年ごとに値上がりするため、長期間の利用は最終的に他よりも多く保険料を払うことになる可能性がとても高いです。検討する際はその点だけ忘れないようにしてください。
子供が独立するまで・・などの短期利用や、他の医療保険・がん保険との併用として利用する場合にはかなりの魅力を発揮するため、興味がある方はその方向で検討することをお勧めします。
また、加入のためにはANAマイレージクラブに入会する必要がありますが、年会費も入会金も無料で済ませられるので、この点は特に問題ないでしょう。
押さえておきたい注目ポイント
ANAの保険「明日へのつばさ 医療保険」の大まかな特徴をサッと知りたいという人向けに、押さえておきたい要点だけをピックアップしました。
- 補償内容が良い割に、保険料が非常に安い
- 持病があっても加入できる可能性がある(過去にがんになった人は不可)
- 傷害による補償が別に用意されている
【デメリット・注意点】
- 5年ごとに保険料がどんどん値上げされる
- ANAマイレージクラブ会員にならないと加入できない(ANAのカードが必要)
- 入院の支払限度日数の延長がない
- 妊娠中でも加入できるが、特定部位の不担保には注意が必要
以下、詳しい説明に入りますので、興味がある方は読み進めてもらえればと思います。
明日へのつばさ 医療保険の詳細
月払保険料の例
・保険(払込)期間:5年更新
・入院保険金日額:5,000円、1万円、1万5,000円
・障害補償は付けていない
契約年齢 | 入院保険金日額 5,000円 | 入院保険金日額 1万円 | 入院保険金日額 1万5,000円 |
---|---|---|---|
20~24歳 | 740円 | 1,320円 | 1,890円 |
25~29歳 | 1,000円 | 1,820円 | 2,630円 |
30~34歳 | 1,180円 | 2,130円 | 3,080円 |
35~39歳 | 1,210円 | 2,170円 | 3,140円 |
40~44歳 | 1,170円 | 2,100円 | 3,040円 |
45~49歳 | 1,530円 | 2,770円 | 4,010円 |
50~54歳 | 2,040円 | 3,700円 | 5,350円 |
55~59歳 | 2,910円 | 5,280円 | 7,640円 |
60~64歳 | 4,000円 | 7,270円 | 10,530円 |
65~69歳 | 5,940円 | 10,800円 | 15,660円 |
70~74歳 | 10,100円 | 18,340円 | 26,580円 |
傷害追加プランの保険料
契約年齢 | 充実傷害補償 | スタンダード傷害補償 |
---|---|---|
20~74歳 | 780円 | 390円 |
※ 上の表は2018年6月現在の保険料です。
保険料はかなり安いですが、5年ごとに保険料が高くなっていく点には注意が必要です。
補償内容
項目 | 内容 |
---|---|
契約可能年齢 | 20~65歳 |
入院日額 | 5,000円、7,500円、10,000円、15,000円 |
入院した場合の支払い日数制限 | 180日 |
保険期間と 保険料払込期間 | 保険期間:5年更新 保険料払込期間:5年更新 |
主契約 | 【疾病入院保険金】 病気の治療を目的に入院された場合、保険金が支払われる (入院通算日数180日まで補償) |
【疾病手術保険金】 病気の治療を目的に手術された場合、入院日額の10倍の額の保険金が支払われる ただし、入院を伴わない手術の場合は入院日額の5倍 | |
【先進医療費用保険金】 病気の治療を目的に先進医療を受けられた場合、その費用を補償 (通算1,000万円限度) | |
【疾病退院時一時保険金】 退院後に100,000円の退院時一時保険金が支払われる | |
【放射線治療保険金】 病気の治療を目的に放射線治療を受けられた場合、保険金が支払われる (入院日額×10倍補償) | |
追加できる補償 | 【傷害入院保険金】 ケガの治療を目的に入院された場合、保険金が支払われる |
【傷害手術保険金】 ケガの治療を目的に手術された場合、保険金が支払われる | |
払込回数 | 月払 |
払込方法 | クレジットカード払 |
保険料の 払込免除 | なし |
公式サイト | 医療保険 | ANA ファシリティーズ株式会社 |
補償プラン(30歳男性)
項目 | 充実補償 | スタンダード補償 | お手頃補償 |
---|---|---|---|
【保険料】 | 3,080円 | 2,130円 | 1,180円 |
【主契約】 疾病入院保険金 | 日額15,000円 | 日額10,000円 | 日額5,000円 |
【主契約】 疾病手術保険金 | 入院あり:15万円 入院なし:7.5万円 | 入院あり:10万円 入院なし:5万円 | 入院あり:5万円 入院なし:2.5万円 |
【主契約】 先進医療費用保険金 | 最大1,000万円まで補償 (交通費等の費用も対象) | ||
【主契約】 疾病退院時一時保険金 | 10万円 | 10万円 | 10万円 |
【主契約】 放射線治療保険金 | 1回15万円 | 1回10万円 | 1回5万円 |
メリット部分
補償内容が良い割に、保険料が非常に安い
ANAの「明日へのつばさ 医療保険」は保険料が非常に安いです。
入院保険金・手術保険金・先進医療費用保険金・退院時一時保険金・放射線治療保険金が揃っている状態でありながら、保険料は他と比べてもかなり安い価格で利用することができるようになっています。
試しに、医療保険の中でもかなりお勧めの商品であるオリックス生命の「新CURE(キュア)」どと比べてみると、その安さが分かるかと思います。
【ANAとオリックス生命(新キュア)の医療保険比較表】
・男性、30歳で加入
・先進医療保障を付ける(新キュア)
・傷害補償も付ける(ANA)
項目 | 明日へのつばさ 医療保険 (ANA) | 新キュア (オリックス生命) |
---|---|---|
入院保険金 | 日額5,000円 (180日限度) | 日額5,000円 (三大疾病は日数無制限) (七大疾病は120日限度) |
手術保険金 | 入院あり:5万円 入院なし:5万円 | 入院あり:10万円 入院なし:2.5万円 |
疾病放射線治療保険金 | 1回につき5万円 | ― |
疾病退院時 一時保険金 | 10万円 | ― |
先進医療費用保険金 | 1,000万円まで | 2,000万円まで |
保険料 | 1,570円 | 1,531円 |
新キュアは3大疾病での入院が日数無制限で保障されることと、入院中の手術保険金が5万円高いこと、そして先進医療の保障が倍になっているという点で優っています。
ですが、それ以外ではANAの医療保険の方がより充実した補償となっています。病気での退院時に10万円が貰えるし、放射線治療も1回につき5万円が貰えるのも大きなメリットです。
総合的には、ANAの医療保険の方が内容が充実しているといえるでしょう。しかもそれでいて保険料はほぼ変わらないのです。
この結果だけを見ると、かなりの魅力がある医療保険だと言えるでしょう。
ただし、忘れてはいけない注意点もあります。それは5年更新ごとに保険料が高くなっていくということです。
例えば新キュアの方は何歳になっても月額保険料は1,531円のままですが、ANAの明日へのつばさ 医療保険の方は50歳になるころには2,430円となり、こちらの方がかなり高くなってしまいます。さらに60歳になるころには月額保険料が4,390円にまで上がってしまうため、長期的(または終身)に医療保険が欲しい方には考えさせられてしまう内容となっているのです。
そのため、加入を検討する際はその点も考慮して判断する必要が出てきます。(5年更新について、詳しくはデメリット部分で解説しています)
個人的には、子供が独立するまでの短期間だけ補償が欲しいと考える方にはなかなかお勧めできる医療保険ではないかと考えています。その反面、長期的な補償を求める方には向いていません。
持病があっても加入できる可能性がある(過去にがんになった人は不可)
持病がある方は保険に加入できなかったり、または加入しにくくなっているのが現状ですが、明日へのつばさ 医療保険では公式ホームページで「持病の有無が保険のご加入をお断りする理由にはなりません」としっかり書いてくれています。
医療保険は持病があると加入できない場合が多いですので、持病を持っている方にはありがたい保険と言えますね。
また、持病がある状態で加入したとしても保険を1年以上継続して、その間持病による入院や手術をされなかった場合、それ以後は補償の対象となってくれます。運の要素もありますが、この期間は出来るだけ体に気を付けて、持病を悪化させないようにしたいところですね。
過去にがんと診断されていたり、または過去2年以内に病気により医師による手術を受けたり入院したことがある方は加入することができないという点は注意しておいてください。
傷害による補償が別に用意されている
通常、医療保険は病気とケガの両方の入院・手術を保障してくれるものが多いです。
ですが、明日へのつばさ 医療保険では基本補償が病気のみとなっています。ケガ(傷害)に関する補償は別で付ける形となっており、スタンダード補償(入院日額10,000円のコース)の場合は月額390円、充実補償(日額15,000円)の場合は月額780円で付帯することが可能となっています。
この傷害補償の保険料は全年齢で共通です。
基本的には「医療保険に加入するなら、交通事故による傷害にも備えたい!」という方が多いと思いますので、そのような方には疾病補償と傷害補償が分かれているのは意味がないと感じられるかと思います。
ですが、「ケガの補償はいらない、病気の補償だけでいい」と考える方には、その分の保険料を入れていない形で契約することができるので、この部分はメリットだと感じられることでしょう。
デメリット部分
5年ごとに保険料がどんどん値上げされる
この保険は保険料が安いうえに補償内容もなかなか良いですので、魅力ある医療保険に写るだろうと思います。
ですが、この保険を検討する上で必ず考慮しなければいけない点があります。それが「5年ごとに保険料がどんどん高くなっていく」ということです。
正確には20歳~24歳まではいくら、35歳~39歳まではいくらというように、5歳きざみで保険料が見直されるというように設定されているのです(男女で同額)。
では、5歳きざみの更新ごとにどのようなペースで保険料が値上がっていくのか、表で見てみましょう。
【年代ごとの保険料表】
・障害補償は付けていない
契約年齢 | 入院保険金日額 5,000円 | 入院保険金日額 1万円 | 入院保険金日額 1万5,000円 |
---|---|---|---|
20~24歳 | 740円 | 1,320円 | 1,890円 |
25~29歳 | 1,000円 | 1,820円 | 2,630円 |
30~34歳 | 1,180円 | 2,130円 | 3,080円 |
35~39歳 | 1,210円 | 2,170円 | 3,140円 |
40~44歳 | 1,170円 | 2,100円 | 3,040円 |
45~49歳 | 1,530円 | 2,770円 | 4,010円 |
50~54歳 | 2,040円 | 3,700円 | 5,350円 |
55~59歳 | 2,910円 | 5,280円 | 7,640円 |
60~64歳 | 4,000円 | 7,270円 | 10,530円 |
65~69歳 | 5,940円 | 10,800円 | 15,660円 |
70~74歳 | 10,100円 | 18,340円 | 26,580円 |
若いうちは確かに他と比べてもかなり安めの保険料であることは間違いないのですが、表を見ると分かる通り、50代あたりを境に一気に保険料が高くなってしまいます。
一般的な医療保険であれば、例えば30歳の時に月額2,000円で加入した場合、保険料は何歳になってもずっとその金額のままです。そのような保険と比べた場合、ある年齢を境にANAの明日へのつばさの方が保険料の支払総額が高くなってしまうのです。
そのため、明日へのつばさ 医療保険は長期間の保障が欲しい方には向いていないと判断できます。特に終身で補償が欲しい場合は他の医療保険を検討することをお勧めします。(そもそもこの保険は75歳までしか補償がありませんので・・。)
ただし、若いうちは保険料の安さの割に補償内容がかなり良いので、「子供が独り立ちするまで」などの短期間の保障が欲しい方にはとても役立つだろうと思います。
ANAマイレージクラブ会員にならないと加入できない(ANAのカードが必要)
明日へのつばさ 医療保険は短期間の医療補償が欲しい方にかなりお勧めとなる商品ではありますが、ANAマイレージクラブ会員の方でないと加入できないという条件が設けられています。
ANAマイレージクラブに登録するためには、ANAマイレージクラブカード、もしくはANAカード(クレジットカード)を発行する必要があります。
ANAマイレージクラブカード | ANAカード |
---|---|
・年会費:無料 ・フライトのたびにマイルが貯まる ・プリペイド機能、デビット機能 | 年会費:無料~7,000円(税抜) ・クレジット機能付き ・頻繁にフライトを利用する人向け |
選び方としては、あまりフライトしない、またはクレジットカードを作りたくない・これ以上増やしたくないという方はANAマイレージクラブカードを発行した方が無難でしょう。入会金も年会費も無料なので、金銭的な負担は特に発生しません。
⇒ANAマイレージクラブ入会のご案内
頻繁にフライトを利用するという方は、ポイントの付与や付帯保険、サービスの良さを考慮するとANAカード(クレジット機能付き)を発行した方が良いかと思います。年会費こそかかりますが、総合的にみるとこちらの方がお得になる可能性が高いです。
⇒ANA JCBカードのお申込みはこちらから
このように、カードの発行&ANAマイレージクラブへの入会という手間が入っているため、他の保険と比べると加入のための道のりが少し面倒になっていると言えますね。
入院の支払限度日数の延長がない
この保険では入院保険金の支払限度日数が180日と定められています。
この日数自体は他の医療保険と比べても全く悪くなく、むしろ長めに設定されている方です。これだけを見るならメリットと捉えられるでしょう。
ですが、他の医療保険では3大疾病、または7大生活習慣病での入院の場合、支払限度日数が無制限になる保障が用意されているものも少なくないのですが、このANAの医療保険では支払限度日数の延長がなく、3大疾病などで支払限度日数を無制限にすることもできません。
基本的な考えになりますが、医療保険は長期入院に備えられてこそ価値があると思っています。確かに180日(6ヶ月)も備えられるのは素晴らしいとは思いますが、逆に言うとそれ以上の入院を必要とするような場合は対応することが出来ません。
この点は少し残念なところといえるでしょう。
とはいえ、1年を超えるような長期入院は精神・神経疾患での場合が多いため、3大疾病または7大生活習慣病しか支払限度日数を無制限にできない医療保険もそれほど違わないかな・・と思ってしまいますが。
申し込み前の注意点
妊娠中でも加入できるが、特定部位の不担保には注意が必要
公式ホームページのよくある質問を見てみると、「妊娠中でも加入できる」と書かれており、その下の項目では「帝王切開でも補償される」と書かれているため、妊娠中に加入した場合でも帝王切開は補償されるのか!・・と思ってしまうかも知れません。
ですが、妊娠中に加入した場合は、その妊娠による疾病や帝王切開は補償されないので注意が必要です。帝王切開が補償されるのは、あくまでも「保険加入→その後に妊娠→帝王切開」となる場合です。
これは「特定部位の不担保」という条件で、一般的な医療保険ではこのような形を取っているところが多いです。
もしも妊娠中に加入した場合でも帝王切開も保障してくれる医療保険を探している場合は、こちらのページをご覧ください。
⇒妊娠中に医療保険に入りたい場合のお勧め商品はコレ!最新の比較とランキングをお届けします。
今回の例でいうと、妊娠中に加入した場合は子宮に関する手術や入院については保障されなくなってしまいます。このように、加入時に特定部位(今回は子宮)の保障が付かなくなることを特定部位の不担保といいます。
ただし、出産後は通常の保障範囲に戻ってくれますので、仮にそのまま加入を継続したとした場合、その後の2回目の妊娠による手術・入院は保障されるようになります。
管理人の最終評価
保険料がかなり安いにもかかわらず、補償内容はとても良いです。ただし、保険料が5年ごとに徐々に上がっていくということと、終身で継続することができないという特徴があるため、長期間での医療保険を求める方には向いていません。
終身の医療保険を探している方は、別の商品を探した方が良いでしょう。
ただし、子供が独立するまでなどの短期間の補償が欲しい場合は、この保険は役立つだろうと思います。または他に医療保険やがん保険に加入していて、一時的に併用して補償を厚くしておきたい場合などは、この保険料の安さと補償内容の充実さはなかなか使いやすいかと思います。
ちなみに、加入するにはANAマイレージクラブへの入会(ANAカードの発行)が必要となります。
▼ 公式サイトはこちらから
医療保険 | ANA ファシリティーズ株式会社
医療保険をお探しの方はこちらの医療保険 おすすめの比較と評価ランキングのページがお役に立てると思います。
この記事を書いた人
- taka
- 当サイト「takaの保険節約術」運営者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者。骨折&手術で身をもって保険の大切さを知って以降、独学で身に付けた保険の知識を紹介するようになりました。FPから紹介された保険の見直しもやってます。保険だけでなく安定度の高い資産運用方法を常に模索しています。ラーメン、焼肉、ラケットスポーツ好き。
保険契約を検討される際には、契約概要を必ずご確認下さい。
保険を探している方はこちらへどうぞ
スポンサーリンク