男性の保険料(月額):1,475円
女性の保険料(月額):1,530円
(30歳、入院日額5,000円、無事故給付金なし)
所定の歩数を歩くと保険料が返ってくるという、これまでにない医療保険です。健康への意欲を高めるという点が素晴らしく、かなり好感が持てる商品です。
肝心の還付金はそれほど高くはありませんが、元々の保険料が安めなので、医療保険の中でも安い部類の保険料となっています。特約も魅力的なものがたくさん用意されています。
ただし、歩くと返ってくる「健康増進還付金」は一度貰った後に継続できるかどうかがまだ決まっていない(2017年11月13日現在)ため、長期的にみて良いのかどうか判断に迷うのが正直なところとなっています。
押さえておきたい注目ポイント
東京海上日動あんしん生命の医療保険「あるく保険」の大まかな特徴をサッと知りたいという人向けに、押さえておきたい要点だけをピックアップしました。
- 健康への意欲を高める保険で、散歩を継続させるきっかけにもなる
- 健康健康増進還付金はそれほど高くないが、そもそも保険料がそれなりに安い
- 特約がたくさん用意されている
- あんしん生命の健康サービスが無料で受けられる
【デメリット・注意点】
- 健康増進特約は1度貰ったら終了?
- 健康増進還付金は期待できるほど多くない上に、継続するのが困難(面倒)な人も
- 保険料払込期間は終身払のみ
- HPやパンフレットでは特約付きの保険料を調べることが出来ない
- 加入するためにはスマートフォンが必要
以下、詳しい説明に入りますので、興味がある方は読み進めてもらえればと思います。
あるく保険の詳細
男性の月払保険料の例
・保険(払込)期間:終身払
・入院保険日額:5,000円
契約年齢 | 無事故給付金なし | 無事故給付金あり |
---|---|---|
20歳 | 1,095円 | 1,180円 |
30歳 | 1,475円 | 1,550円 |
40歳 | 2,035円 | 2,100円 |
50歳 | 2,960円 | 3,000円 |
女性の月払保険料の例
・保険(払込)期間:終身払
・入院保険日額:5,000円
契約年齢 | 無事故給付金なし | 無事故給付金あり |
---|---|---|
20歳 | 1,295円 | 1,375円 |
30歳 | 1,530円 | 1,600円 |
40歳 | 1,755円 | 1,815円 |
50歳 | 2,350円 | 2,390円 |
※ 上の表は2018年5月現在の保険料です。
この保険料から、さらに歩いた分だけ健康増進還付金が差し引かれます。
保障内容
項目 | 内容 |
---|---|
契約可能年齢 | 20~56歳まで |
入院日額 | 5,000円、10,000円 (パンフレット参照) |
入院した場合の支払い日数制限 | ・1入院60日 ・通算1,095日まで保障 |
保険期間と 保険料払込期間 | 保険期間:終身 保険料払込期間:終身払 |
主契約 | 【入院給付金】 病気やケガで所定の入院をしたとき、給付金が支払われる |
【手術給付金】 病気やケガで所定の手術をしたとき、給付金が支払われる | |
【放射線治療給付金】 病気やケガで所定の放射線治療を受けたとき、給付金が支払われる | |
【無事故給付金】 無事故給付金の支払対象期間満了時に生存しているとき、給付金が支払われる | |
【健康増進還付金】 無事故給付金の支払対象期間中の入院、手術、放射線治療に対して主契約の給付金が支払われず1日あたりの平均歩数が8,000歩以上となる計測単位期間が1以上あるとき、還付金が支払われる | |
特約 | ・3大疾病入院支払日数無制限特約 ・通院特約 ・先進医療特約(通算2,000万円限度) ・特定治療支援特約 ・5疾病就業不能特約 ・女性疾病保障特約 ・がん診断特約 ・悪性新生物初回診断特約 ・がん通院特約 ・抗がん剤治療特約 ・介護保障特約 ・特定損傷一時金特約 |
払込回数 | 月払、年払 |
払込方法 | ・口座振替 ・クレジットカード払 |
保険料の 払込免除 | ・病気やケガにより、所定の高度障害状態になったとき ・不慮の事故によるケガで、事故の日からその日を含めて180日以内に所定の身体障害状態になったとき ・特定疾病で所定の状態になったとき(特則を付けた場合) |
公式サイト | ・あるく保険 | 医療保険 | 東京海上日動あんしん生命保険 ・あるく保険 スペシャルサイト| 医療保険 | 東京海上日動あんしん生命保険 |
保障プランの例(30歳男性、終身払)
項目 | 入院日額5,000円タイプ 無事故給付金なし | 入院日額5,000円タイプ 無事故給付金あり |
---|---|---|
月額保険料 | 1,475円 | 1,550円 |
【主契約】 ・疾病入院給付金 ・災害入院給付金 | 1日以上4日以内の入院:25,000円 5日以上の入院:日額5,000円 | |
【主契約】 手術給付金 放射線治療給付金 | 1回につき 20・10・5・2.5万円 (手術の種類により異なる) | |
【主契約】 無事故給付金 | ― | 2,500円 |
【特約】 健康増進還付金 | 1,200円 |
メリット部分
健康への意欲を高める保険で、散歩を継続させるきっかけにもなる
東京海上日動あんしん生命の「あるく保険」は、1日平均8,000歩を2年間継続することで保険料の一部が返ってくるという、これまでにない形の医療保険となっています(6ヶ月ごと、4計測単位期間に分かれています)。
確かに健康な人ほど医療保険を活用する機会は減ってきますので、保険会社からしてみれば「健康になってもらえば支払う保険金が減る」ということになり、私たちユーザーからしてみると「健康に繋がる上に保険料が安くなる」ということになるので、お互いにメリットが大きい仕組みとなっています。
この取り組み、なかなか素晴らしいのではないかと思っています。契約した人の健康への意欲も高まるし、継続的に散歩をするためのきっかけになるので、個人的にはかなり好感が持てますね。
ちなみに、1日8,000歩というのは東京都健康長寿医療センター研究所の青柳幸利さんが提唱している歩数であり、著書である「あらゆる病気を防ぐ 「一日8000歩・速歩き20分」健康法: 身体活動計が証明した新健康常識」にも8,000歩あるくメリットについて詳しく書かれています。
健康健康増進還付金はそれほど高くないが、そもそも保険料がそれなりに安い
歩くことで返ってくる還付金はそれほど多くはありませんが、もともと設定されている保険料が安めのため、トータルで見ると医療保険の中でも安い部類に入る保険料となっています。
以下、メディケア生命のメディフィットAと同条件で保険料を比較してみます。
【保険料の比較表】
・男性
・入院日額5,000円
・内容は入院保障、手術保障のみ
・終身払
・無事故給付金なし
加入年齢 | あるく保険 (還付金なしの場合) | あるく保険 (健康増進還付金を最大限利用した場合) | メディフィットA |
---|---|---|---|
30歳 | 1,475円 | 1,425円 | 1,260円 |
40歳 | 2,035円 | 1,950円 | 1,775円 |
50歳 | 2,960円 | 2,765円 | 2,545円 |
このように、健康増進還付金を最大限利用できた場合、医療保険の中でも特に安いメディフィットAより少し高いくらいの保険料となります。
これは医療保険の中でも特に高くもなく、安くもない価格と言えます。保険料的には特に問題ないといえるでしょう。
また、あるく保険では先進医療特約付きでの保険料を調べることが出来ませんが、もしオリックス生命の新キュア(こちらも医療保険の中では高評価)の先進医療特約と入院日数延長の保障を引いた場合、大体同じくらいの保険料か、もしくはあるく保険の方が少し高いくらいになるだろうと思っています(メディフィットAと新キュアが大体同じ保険料なため)。
ちなみに、健康増進還付金がいくら貰えるかについては以下の表にまとめています。(この金額は1日平均8,000歩を2年間継続した場合のものであり、達成できなかった場合はこの金額よりも少なくなってしまいます。)
【健康増進還付金の金額】
加入年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
30歳 | 1,200円 | 1,560円 |
40歳 | 2,040円 | 2,400円 |
50歳 | 4,680円 | 5,280円 |
特約がたくさん用意されている
あるく保険にはたくさんの特約が用意されています。
- 3大疾病入院支払日数無制限特約
- 通院特約
- 先進医療特約(通算2,000万円限度)
- 特定治療支援特約
- 5疾病就業不能特約
- 女性疾病保障特約
- がん診断特約
- 悪性新生物初回診断特約
- がん通院特約
- 抗がん剤治療特約
- 介護保障特約
- 特定損傷一時金特約
中でも先進医療特約、3大疾病入院支払日数無制限特約の2つは要チェックですね。これは一般的な医療保険の中でも特に役立つものですので、あるく保険に限らず前向きに付加を検討しておくべき特約と言えます。
また、がん診断特約の支払条件も悪くないので、がんに備えたい方はこの特約もチェックしておくべきといえます。
他にも特定治療支援特約、5疾病就業不能特約、女性疾病保障特約、悪性新生物初回診断特約などの面白い特約がありますが、あまり付加すると保険料がかなり高くなってしまうので、家計と相談のうえで検討する必要があります。
あんしん生命の健康サービスが無料で受けられる
あるく保険に加入すると、以下の各種健康相談サービスが無料で受けられるようになります。
- メディカルアシスト
- 緊急医療相談/一般の健康相談
- 予約制専門医相談
- がん専用相談窓口
- 医療機関案内
- 転院・患者移送手配
- がんお悩み訪問健康サービス
- 人間ドック・脳ドック、がんPET健診優待サービス
- 介護お悩み電話相談サービス
- からだ予測ナビ
- 職場復帰支援サービス
メディカルアシストは24時間365日サポートしてくれており、いつでも電話で相談することが出来ます。また、がんと宣告されたときに相談できる「訪問相談サービス」も利用することができます。
このように、役立つ健康相談サービスが揃っていますので、契約した際は積極的に活用していきたいところです。
デメリット部分
健康増進特約は1度貰ったら終了?
あるく保険は健康増進還付金が魅力の一つとなっている医療保険ですが、実は現時点(2017年11月13日)では1度還付金を貰った後でも継続できるかどうかが決まっていません。
どういうことかというと、健康増進特約は2年間の歩数状況に応じて還付金が支払われるのですが、最初の2年経過後に再度この特約を付加することが出来るのかを、まだ東京海上日動あんしん生命が決めていないのです。
そのため、
・2年後にまたこの特約を付加できるのか
・できたとして、還付金は2年後の年齢の金額が貰えるのか
・それとも何歳になっても最初の契約時の還付金しか貰えないのか
などが分からない状況となっています。
もう少し経てばここら辺は分かるようになるとは思いますが、この点が分からないようだと契約することに少し抵抗が出てきてしまうのも否めません。もしかしたら、保険料を安くできるチャンスが2年間しかない可能性もあるわけですからね・・。
健康増進還付金は期待できるほど多くない上に、継続するのが困難(面倒)な人も
この保険は健康増進還付金が貰えるのがウリの商品ですが、肝心の健康増進還付金は期待できるほど多くはありません。
【健康増進還付金の金額】
加入年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
30歳 | 1,200円 | 1,560円 |
40歳 | 2,040円 | 2,400円 |
50歳 | 4,680円 | 5,280円 |
これは2年間、1日あたりの平均歩数が8,000歩以上を達成した場合に受け取れる還付金の金額です。そのため、表の金額を24ヶ月で割った金額が月々の割引金額となります。
例えば30歳男性の場合、1200円÷24ヶ月=50円のため、月々に50円しか返ってこない計算になります。2年間頑張って月50円というのは、少ないと感じる方が多いのではないでしょうか。
ちなみに50歳男性の場合は4680円÷24ヶ月=195円が返ってくるのでちょっと高いと思いますが、あるく保険の元々の保険料と、他の安い医療保険とを考慮して検討すると、195円というのは決して高い金額ではありません。
しかも、1日平均8,000歩を達成できない場合、この還付金は少なくなります。具体的には、この計測は6ヶ月ごとに行われ、それを4回計測し、達成できた回数に応じて還付金が支払われることになっています。
- 4回達成できた場合は全額
- 3回達成できた場合は全額の4分の3
- 2回達成できた場合は全額の4分の2(2分の1)
- 1回達成できた場合は全額の4分の1
若いうち、もしくは営業などの仕事をしている方は8,000歩を達成するのはそれほど苦ではないかと思いますが、年を取って運動をあまりしていない方、またはデスクワークが主な仕事の方などは達成が難しい場合もあることでしょう。
このように還付金が思っているよりも多くない上に、2年間継続して8,000歩という条件をクリアするのが困難な場合もありますので、大きな期待を寄せるほどの金銭的メリットはないといえるでしょう。
「健康のために」という着眼点は素晴らしいものがありますが、もう少し達成したときの金銭的メリットを大きくしても良かったかなと思えてしまいます(健康のメリットは十分にあると思いますが)。
そもそも1日8,000歩を継続するのが面倒に感じる方も多いと思います。もともと運動不足の方は、契約前にしっかりと継続する決意を固めた方が良いかも知れませんね。
また、現時点では健康増進特約が継続して付加できるのかが不明瞭なため、1回限りしか貰えないという事態も覚悟しておきましょう。
保険料払込期間は終身払のみ
あるく保険では保険料払込期間が終身払しか用意されていません。他の医療保険のように、60歳払込、65歳払込などの有期払込の選択肢がないのです。一生涯の保障が欲しい場合は、一生保険料を払い続ける必要があるのです。
終身払は「月々の保険料が安くなる」「他に良い医療保険が出た場合に乗り換えやすい」などのメリットがありますが、契約期間が長くなると有期払込よりも払込保険料総額が高くなってしまうというデメリットがあります。
長生きする予定の場合は終身払いだと結局支払う保険料の総額は高くなってしまうので、60歳払済や65歳払済などの有期払込方法を希望する方のために用意しておいて欲しかったと思ってしまいます。
HPやパンフレットでは特約付きの保険料を調べることが出来ない
あるく保険は数多くの魅力的な特約が用意されていますが、特約を付けた場合の保険料を調べることが難しくなっています。
現状では、公式HPやパンフレットでは調べることができません。そのため、特約付きの保険料を知りたい場合は東京海上日動あんしん生命の無料相談を利用するか、もしくは保険相談サービスを利用する必要があります。
インターネットが普及している現在、複数の商品の保険料を同条件で比較することは、保険選びの際にとても重要なことになっています。あるく保険はその保険料の比較が簡単にできないのがちょっと面倒な点となっています。
ちなみに、あるく保険の特約付き保険料・保障内容を他と比較したいという場合は、東京海上日動あんしん生命の無料相談で聞くと東京海上日動あんしん生命の商品の話しか聞くことができないため、保険相談サービスを利用することをお勧めします。
お勧めの保険相談サービスについては以下のページでまとめていますので、興味がある方は見ておいてください。特に1位にランクしている保険見直しラボは非常にお勧めですので、質の良いベテランFPを探している方はチェックしておくことをお勧めします。
申し込み前の注意点
加入するためにはスマートフォンが必要
あるく保険に加入するためにはスマートフォンが必要となっています。いわゆるガラケーの方は加入できませんので、注意してください。
また、アプリに対応しているウェアラブル端末(詳しくはこちら)も必要となりますが、こちらは契約時に貸与してくれることになっています。ただし、健康増進還付金を一度貰った後は、無料で貸与することを保証していないようです。
管理人の最終評価
保険契約者の健康に繋がるように作られた医療保険ということで、個人的にはとても好感を持っている商品です。健康増進還付金はあまり高くないとはいえ、もともとの保険料が安めなので、総合的にみると検討の価値のある保険といえるでしょう。
ただし、現状では健康増進特約が一度支払われた後に継続できるかどうかが分からないため、何とも判断しにくい状況となっています。ここら辺が確定次第、最終的な評価をしていきたいと思います。
医療保険をお探しの方はこちらの医療保険 おすすめの比較と評価ランキングのページがお役に立てると思います。
この記事を書いた人
- taka
- 当サイト「takaの保険節約術」運営者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者。骨折&手術で身をもって保険の大切さを知って以降、独学で身に付けた保険の知識を紹介するようになりました。FPから紹介された保険の見直しもやってます。保険だけでなく安定度の高い資産運用方法を常に模索しています。ラーメン、焼肉、ラケットスポーツ好き。
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