子どもの将来の学費に備えるための学資保険。子育てが開始したときに1度は加入を検討する機会がある保険かと思います。
定期積金のようにコツコツと貯めるイメージの貯蓄型の保険ですが、ただの定期積金とは一線を画した保険ならではのメリットを兼ね備えていることから、保険会社が設定した基準をきちんとクリアしなければ加入することはできません。
ここでは、学資保険に加入するときに必須となる審査項目から、加入できない代表的なケースを詳しく解説していますので、これから学資保険の加入を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
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学資保険の審査項目とは
学資保険は進学にかかる資金の貯蓄を目的とした保険ですが、契約者である父母などに万が一のことがあった場合でも子どもの将来の教育資金をきちんと確保できるように、契約者が死亡したときには以後の保険料払込が免除されるけれど保障はそのまま継続するしくみが特徴です。
また商品によっては、被保険者である子どもが病気やケガをして入院した場合に給付金が支払われるなど、医療保険のような保障が付帯しているものもあります。
そのため、加入時には生命保険や医療保険と同じように健康に関する告知審査が必要です。主な告知事項は契約者や被保険者(子ども)について、以下のようなことを質問されます。
- 身体機能への障害の有無
- 過去5年以内の病歴
- 過去2年以内の健康診断や人間ドックでの要再検査または要治療などの指摘
- 現在の喫煙や妊娠(女性のみ)など
問われる内容は健康状態に関する項目がメインで、保険として他契約者との公平性を保つためにも「現時点で重大な病気にかかっておらず、さらには発病しそうな兆候もない」ことをしっかりとチェックされるようです。上記の他、契約者や子どもの年齢に対しても加入できる範囲を規制している商品もあります。
こうした保険会社の審査項目について「加入が難しいケース」を詳しく見ていきましょう。
ちなみに学資保険を契約できる続柄の範囲は、子どもから見た父・母・叔父叔母・祖父母・祖父母の兄弟・曾祖父母などの3親等内の親族あるいは子どもの扶養者(血縁関係問わず)が一般的です。
学資保険への加入が難しい3つのケース
ここからは学資保険への加入が難しい代表的な3つのケースについて見ていきたいと思います。
契約者が持病を持っている
「貯蓄がメインなのにわざわざ健康状態を申告しなければいけないの?」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、先述のように学資保険には確実に子どもの教育資金を確保するため、契約者が死亡したときは保険料を払わなくて済む「保険料払込免除特則」が付いています。
そのため、健康状態についてはありのままを告知しなければならず、契約者に持病がある場合には加入することができません。
もしも契約者の持病が原因で一般的な学資保険への加入が難しい場合には、「保険料払込免除特則」を付帯せずに加入できる学資つみたて商品もあります。数はそれほど多くありませんが、どうしても学資保険で備えたいのであればそういった商品を検討してみるのもひとつの方法です。
契約者がすでに高齢
学資保険では、加入条件として契約者の年齢制限が設けられています。
商品によって加入年齢の範囲は異なりますが大半は18歳から60歳程度までに制限されており、中には「45歳まで」など比較的若い年齢に制限されているものもあります。
その制限の理由としては、契約者が高齢になると死亡または高度障害状態になる可能性が上がり、若く健康な他契約者との公平さを欠くことにならないように配慮されているのです。
子どもの父母もそうですが、「孫のために祖父母が契約する(保険料を払い込む)」ときも、この年齢制限が引っ掛かってくることが考えられます。
先程と同様に「保険料払込免除特則」が付帯していなければ割と高齢まで契約できることもありますので、加入を検討する際にはその商品がいくつまで契約が可能なのか、年齢制限にも注目してチェックしたほうが良さそうです。
子どもが大きくなっている
次に被保険者である子どもの加入できる年齢範囲です。
一般的には、子どもがまだお腹の中にいるときから契約が可能で、出生予定日の140日前から加入することができます。
バタバタと忙しくなる前にプランを検討して先に契約の手続きを済ませておくことで、出産後は子育てに専念できるのはとても効率的ですね。
そして年齢上限は6歳程度に設定されていることが一般的です。まれに9歳程度まで受け入れている商品もありますが、大半は未就学児の間に加入することが大前提です。
子どもがすっかり大きくなってから学資保険に入りたいと思っても、加入することは難しくなります。
学資保険は高校進学や大学進学のために積み立てていくことが目的ですので、その保険料の払込満了は15歳以上で設定されることになります。子どもの進学までの期間にお金を運用しながら貯めるのですから、その運用期間は長いに越したことはありません。
万が一、上限年齢ギリギリに加入できたとしても、運用期間が短ければ元本割れを起こしてしまう恐れもあります。
加入する子どもの年齢によって返戻率も変わり、運用する期間が長くなるほどにお得感があることを踏まえると、いずれ加入するのであればギリギリではなく早めに手続きしたほうが得策です。
加入できない場合は他の方法で学費を確保していこう
もしも学資保険に加入することができないとなれば、違う方法で教育資金を準備しなければいけません。ここでは、学資保険以外にどのような選択肢があるのかを見ていきましょう。
貯蓄
純粋に毎月一定額を積み立てていき、教育資金を準備する方法です。自動で振り替え・積み立てられることにより半強制的に貯蓄することもできます。
銀行の定期預金・積金で得られる金利はほとんどゼロに近いですが、資産運用のような元本割れといったリスクも負わずに済みますので、元本を守りながら着実に貯めたい場合には最も手堅い方法でしょう。
投資信託
投資信託とは、プロが投資家から集めたお金をもとに複数の株や債券へ分散しながら投資・運用する金融商品です。
運用をプロに任せられるので、投資経験が浅い人でも手軽に始められるほか、毎月ご自身が決めた一定額を購入しながら積み立てていくスタイルは無理なく資産形成できる投資信託の利点です。
さらには2018年1月よりスタートした国の制度「つみたてNISA」を活用すれば、年間40万円までの投資額に対する運用益が非課税になる恩恵を受けられます。
年間40万円(月およそ3.3万円)ずつ積み立てていけば、10年間でおよそ400万円も貯蓄することが可能ですし、運用がうまくいけばプラスαの原資増額も期待できます。
流動性も高く、まとまった資金が必要なときには自由に解約できるのも使い勝手が良いですね。
契約者に万が一のことがあったときの保障はありませんが、健康上の問題を抱えている方や短期間で教育資金を形成したい方であれば、こういった選択肢もあります。
つみたてNISAの詳しい解説はこちら
⇒【初心者向け】つみたてNISAとは?メリットとデメリット、利用前の注意点などを徹底解説!
終身保険
終身保険の高い運用利率と解約返戻金のしくみを利用して学資保険代わりにするという方法は保険のプランナーが示教していることもあり、最近ではすっかりお馴染みとなりました。
もともと死亡保障のため、もし保険料の払込期間中に契約者である親に万が一のことがあったとしても、死亡保障が支払われることで確実に教育資金として利用できるという保険ならではの利点も備わっています。
特に外貨で運用する外貨建て終身保険や、支払保険料の一部を特別勘定と呼ばれるファンドにおいて運用する変額保険は、少しでも予定利率の高い商品を活用して運用益を増やしたい方にピッタリの保険です。
しかしながら終身保険に加入する際には健康告知が必須なため、持病があって学資保険に加入できない方にとってはこちらも加入が難しい商品でもあります。
年齢が高くて加入できないケースであれば、健康状態によってはうまく利用することも可能です。ただし年齢が上がることで保険料は割高となりますので、利率は必ずしも良いとは言えないかもしれません。
よって「加入年齢制限に引っ掛かったけど、積み立てる貯蓄に万が一の死亡保障を付けておきたい」という場合には、ひとつの選択肢となりそうです。
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この記事を書いた人
- よしの
- 1980年生まれ。沖縄県出身の愛知県在住。1人の娘と1匹の猫を育てるシングルマザー。離婚後の将来に不安を感じてお金についての勉強を始めたのちにプランナーとなり、現在はライターとして活動中。好きな食べ物はあん肝とだし巻き玉子。FP2級、証券外務員1種。
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