健康への取り組みに応じて保険料が変動するという、新しい形の保険が住友生命の「Vitality」。このたび2018年7月24日に発売された健康増進型保険です。

ウォーキングなどの運動や、がん検診を受けるなどの健康への取り組みでポイントを貯めることができ、1年で2%ずつ、最大で30%も保険料が割り引きになってくれる仕組みになっています。健康へのきっかけを作ってくれて、保険料もかなり安くなるということで、この保険はかなり注目を浴びるのではないかと思います。

ただし、現状ではVitality健康プログラムを利用できる商品は2つに限られており、2つともそもそもの保険料が高いので、その点が検討の際の焦点になることでしょう。

それでは、Vitalityについて詳しく説明していきます。

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未来を変えていく、健康増進型保険 住友生命 「Vitality」 | 住友生命

Vitality(バイタリティ)の特長・メリット部分

Vitalityとは?正確には単独の保険商品ではなく、特約のようなもの

Vitality(バイタリティ)は、住友生命が2018年7月に発売した健康増進型保険です。

Vitalityという保険商品が新たに出るんですね!・・と思ってしまいますが、正確にはすでに発売されている「プライムフィット(1UP)」と「ドクターGO」という商品に加入する際、Vitality健康プログラム(健康増進乗率適用特約)を利用するかどうかを選ぶことが新たに出来るようになったというものです。

形的には、いわゆる特約を付けるかどうかという形式と変わらないものという認識で大丈夫だと思います。

このVitality健康プログラムを利用できる商品は現在のところ、「プライムフィット」と「ドクターGO」の2商品しかない点に注意しておいてください。全ての保険商品で適用できるわけではありません。

健康への取り組みによって毎年保険料が変動する

「プライムフィット(1UP)」と「ドクターGO」への加入の際にVitality健康プログラム(利用料:月額864円)を利用することで、従来の保険料よりも大幅に割り引きされた保険料で継続できる可能性があるという特徴があります。

その反面、健康面での活動をおろそかにすると保険料が高くなってしまうこともありますので、このVitality健康プログラムを利用する際はしっかりと健康への取り組みを行うことを決意してから加入する必要があります。

また、この保険料の割引は毎年見直されます。1年目は15%の割引となりますが、2年目以降は健康への取組状況により、割引率-2%~+2%の間の4段階で変動していきます。

【2年目以降の保険料の割引率】

ステータス保険料の割引率ステータス判定
ブルー-2%0pt~
ブロンズ変動なし12,000pt~
シルバー+1%20,000pt~
ゴールド+2%24,000pt~

ブルー判定になると2%ずつ保険料が増えていってしまう点に注意が必要です。ブルーの状態が続くと10年目以降はVitalityを利用しない場合より保険料が高くなってしまいます(100%を超えてしまう)ので、健康活動への決意があまりない方は逆に損をしてしまう可能性があることは覚えておいてください。

また、Vitalityポイントは各会員年度ごとに0ポイントに戻ってしまいますが、ステータスは前年度末のポイント獲得状況によるステータスを引き継ぎます。

ただ、ステータスの継続についてはかなり複雑な決まりになっており、言葉で説明するといったいどのくらい長い文章になるんだろう・・と思えるくらいの難しさとなっています。もし詳しく知りたいという方はこちらのステータス・保険料の判定方法のページをご覧いただくか、それでも分からない場合はカスタマーに電話するとかなり親切に詳しく教えてくれますので、そちらを利用するのも良いかと思います。

健康への取り組みに応じてポイントを獲得でき、保険料が最大で30%割引になる

Vitality(バイタリティ)では健康への取り組みに応じてポイントを獲得でき、そのポイントに応じて高いステータスになることが出来ます。

ステータスは高ければ高いほど割引率が高くなり、ゴールドになると1年間で2%安くなってくれます。また、加入時点で15%の割引にプラスして毎年の割引率が加算されていきますので、健康への取り組みを継続することでどんどん保険料が安くなる仕組みになっています。

その割引率は最大で30%になってくれますので、最大で健康への取り組み意欲が高い方であれば、普通に加入するよりもかなりお得になるのです。その反面、健康への取り組みをおろそかにすると保険料は年々高くなる可能性がありますので、健康への取り組みを決意してから加入を検討する必要があります。

【プライムフィット 未来デザイン1UPの保険料例(男性)】

契約年齢BasicVitality
(加入時15%割引)
Vitality
(最大30%割引)
20歳10,300円8,892円7,488円
30歳11,214円9,673円8,138円
40歳13,835円11,910円9,987円
50歳20,009円17,165円14,325円

【ドクターGOの保険料例(男性)】

契約年齢BasicVitality
(加入時15%割引)
Vitality
(最大30%割引)
20歳6,328円5,378円4,429円
30歳7,988円6,789円5,591円
40歳10,608円9,016円7,425円
50歳14,648円12,450円10,253円

ポイントの獲得方法

また、各ステータスになるための必要ポイントは先ほどの表で説明しましたが、次はその肝心のポイント獲得の方法について解説したいと思います。

Vitalityでは健康診断を受けたり、健康状態を把握したり、検診を受けたりすることでポイントを獲得できます。また、運動をすることでもポイントを獲得できるようになっています。

具体的に何をすれば何ポイント貰えるのかについては、以下の表をご覧ください。

STEP1 健康状態を把握する

【オンラインチェック】

Vitality 総合チェック750pt
Vitality 食生活のチェック750pt
たばこチェック750pt
こころのチェック250pt×3種類

・年間合計 3,000pt まで
・各項目1年に1回ポイント獲得可能


【Vitality 健康診断】

BMI結果提出
各 500pt

当社所定の範囲内
各 1,500pt(64歳以下)
各 2,000pt(65歳以上)
血圧
血糖
コレステロール
尿蛋白

・年間合計 10,000pt まで(65 歳以上は 12,500pt まで)
・各項目1年に1回ポイント獲得可能


【予防】

大腸がん検診40歳以上各 1,000pt
肺がん検診
胃がん検診
乳がん検診(女性のみ)
子宮頚がん検診(女性のみ)20歳以上
肺炎球菌ワクチン接種65歳以上

・年間合計 2,000pt まで
・項目により、一度受けることで複数年ポイントが獲得できる

STEP2 健康状態を改善する

【運動】

歩数64歳以下65歳以上
8,000歩6,000歩20pt
10,000歩8,000歩40pt
12,000歩10,000歩60pt
心拍数運動を30分行い、その間の平均心拍数が(220-年齢)の60%以上40pt
運動を30分行い、その間の平均心拍数が(220-年齢)の70%以上60pt
運動を60分行い、その間の平均心拍数が(220-年齢)の60%以上60pt
フィットネスジム60pt
イベント100pt200pt600pt1,200pt2,000pt
ウォーキング4km以上
10km未満
10km以上
15km未満
15km以上
30km未満
30km以上
50km未満
50km以上
ランニング5km以上
10km未満
10km以上
21km未満
21km以上
42.1km未満
42.1km以上
水泳0.6km以上
2.5km未満
2.5km以上
5km未満
5km以上
8km未満
8km以上
サイクリング15km以上
25km未満
25km以上
50km未満
50km以上
100km未満
100km以上
トライアスロン14km以上
25.75km未満
25.75km以上
51.5km未満
51.5km以上

・運動全体で年間合計 14,000pt まで
・1日あたり、各項目のうち最も高いポイントのみ獲得可能


割引率2%のゴールドになるには、これらを合計して24,000ptを獲得することで到達できます。大変だと思えてしまいますが、1日1万歩を歩けば40ptが貰えるので、毎日歩けば350日で14,000ptを獲得することが出来ます。

また、日々の生活を改善することで健康診断の数値も良くなっていきますし、検診を受けることで病気予防+ポイントも獲得できます。

意識が高い人ならゴールドは簡単に達成できると思いますし、運動が苦手な方でもシルバー(1%割引)やブロンズ(変動なし)を維持することは出来るかと思います。

ブロンズを維持するだけでも15%割引は継続できますので、普通に保険に加入するよりもかなり割引された保険料で加入し続けられます。これは「今後健康を維持したい、生活習慣を改善したい!」と考える方にはかなりお得になるかと思います。

ただし、ブルー(1%割増)を継続してしまうと普通に加入するよりも高くなってしまうので、そうならないように注意しましょう。

加入者向け特典が用意されている

Vitalityでは加入者向けの特典が用意されています。また、ステータスに応じて受けられる特典もありますので、頑張ってステータスを高めたいという気持ちをサポートしてくれていると言えます。

特典は以下のようになっています。

【Vitalityを利用すると受けられる特典】
・体組成計の割引
・血液検査の割引・無料受診
・フィットネスジムの月会費割引(コナミスポーツクラブ、ルネッサンス)
・スポーツ用品の割引(adidas)
・ヘルシーフードの割引(oisix)
・ウェアラブルデバイスの割引等(ガーミン、ポラール)

【ステータスに応じて受けられる特典】
・宿泊費の割引(Hotels.com)
・提携先企業による各種割引

スポーツを行う環境作りを助けてくれるような特典となっています。(特典は2018年9月1日から提供を開始します)

Vitality(バイタリティ)の注意点・デメリット部分

利用できる商品が2つしかなく、どちらも微妙な商品なのが残念

Vitality健康プログラムを利用できる商品は現在のところ、「プライムフィット」「ドクターGO」の2商品しかありません。

この2つは内容こそ充実していますが、保険料がかなり高く、正直言ってそこまで魅力ある商品とは言えません。その点が残念なところです。

そのため、Vitalityを利用して30%の割引があったとしても、元々が高い保険料のため、家計にあまり余裕のないご家庭の場合はもっと安い保険に加入した方が良いことになります。

ただし、内容は確かに充実しているので、保険料が少し高くても良い!健康生活へのきっかけとしてこの商品に加入したい!という方はチェックしてみても良いのではないかと思います。

すでに加入している商品に付加することが出来ない

この商品は「プライムフィット」と「ドクターGO」の2商品で利用できるようになりましたが、それはあくまでも「これから新規加入する場合」に限られています。

つまり、すでに「プライムフィット」か「ドクターGO」に加入している場合、その商品についてはVitality健康プログラムを利用することは出来ないのです。

どうしても利用したい場合はすでに加入している商品を再度見直すことになりますが、そこまでして加入する価値があるかどうかは微妙なところと言えるでしょう。

利用するには月額料金がかかる

Vitality健康プログラムを利用するには、保険料とは別にVitality利用料として月額864円(税込)の払込みが必要となります。支払いはクレジットカードとなっています。

そのため、割引率が低い状態ではVitality健康プログラムを利用しない方が保険料が安くなってしまう可能性がある点は覚えておきたいところです。

また、保険料払込免除になった場合もVitalityを継続するには利用料の払込が必要となってしまいますので、もし保険料払込免除になった場合は解約を検討することをお勧めします。解約すると提携先企業の商品・サービスに対する各種割引等が受けられなくなりますが、月額保険料を支払う方が損になると思いますので。

管理人taka管理人taka

ちなみに、妊娠中やケガ・病気であってもVitality健康プログラムを中断することは出来ません。運動以外のポイント獲得に注力するか、長引きそうなら利用を辞めることも検討する必要がでてくるでしょう。

最低でもスマートフォンは必要

この保険では歩数や心拍数などの測定のため、スマートフォンやウェアラブルデバイス(アップルウォッチなど)が必要となってきます。

そのため、最低でもスマートフォンを持っている必要があります。もしガラケーしか持っていない場合、何らかのウェアラブルデバイスを購入する必要が出てきますので、その点は注意しておいてください。

まとめ

健康的な生活への取り組みを始めるきっかけになるのは凄く良いとは思いますが、現状(2018年7月)では「プライムフィット」と「ドクターGO」の2商品しか適用されません。

この2商品はそもそもの保険料がかなり高めのため、最大30%の割引になったとしても利用しやすい商品ではないのが残念なところです。

そのため、現在はそれほどお勧めとは思いません。ただし、今後内容の良い保険商品でも適用されるようになったらお勧め度は跳ね上がると思います。今はその時を待つ感じですね・・。

この記事を書いた人

taka
taka
当サイト「takaの保険節約術」運営者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者。骨折&手術で身をもって保険の大切さを知って以降、独学で身に付けた保険の知識を紹介するようになりました。FPから紹介された保険の見直しもやってます。保険だけでなく安定度の高い資産運用方法を常に模索していますので、興味がある方はLINEの方でご質問を。ラーメン、焼肉、テニス好き。

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