収入保障保険に加入する際に「どのような保障内容で契約すべきか」「保険期間はどのくらいが良いのか」「年金月額はいくらが良いのか」などの疑問が出てくるかと思います。
それらの疑問は保険を契約する前に必ず解決しておくべきです。このページでは収入保障保険に加入する際に迷うであろう疑問点をピックアップして簡潔に答えを出していますので、保険相談を受けた後、または収入保障保険に加入する前の最終確認として出来れば読んでおいてもらえれば幸いです。
このページの中身
■目次
収入保障保険の必要性
収入保障保険はそもそも必要性は高い商品なのか、そして具体的にどのような方に必要なのかを解説します。定期保険とどちらがお勧めかについても分析しています。
収入保障保険は必要か?メリットとデメリットとは
収入保障保険は誰にでも必要という訳ではありませんが、「子供がいる家庭」の場合はかなり必要性が高くなる保険です。
小さい子供がいる場合、もし何の備え(貯蓄など)もしていない状況で大黒柱に何かあったら、生活はかなり厳しいものがあるでしょう。遺族年金があるおかげで何とか暮らしていけるとは思いますが、学費に関してはかなりギリギリという状況にもなるかもしれません。
このように、子供がいる家庭では何らかの備えをしておくことが重要となります。そこで役に立つのが収入保障保険です。
収入保障保険は保障内容が適切でバランスよく、それでいて保険料が非常に安く、そして何歳で加入しても保険料はそれほど変わらないという大きなメリットを持っています。そのため、子供が独立するまでの間、または老齢年金を受け取るまでの間の保障としては非常に使い勝手がよく、役立つ保険となってくれるのです。
収入保障保険は生命保険の中でも特に役立つ保険であり、当サイトでも最高評価を付けています。死亡保障を求める方はまず収入保障保険は検討して欲しいと思えるくらい、お勧めの保険です。
ただし、収入保障保険は掛け捨てという点は覚えておいてください。また、年が経つごとに年金の受取総額が減っていくというデメリットもありますので、その点は注意しておいてください。
定期保険と収入保障保険はどちらに加入すべきか
定期保険と収入保障保険はどちらも掛け捨てで保険料が安く、大きな死亡保障を得られるという点で保険としての役割が似ている保険です。
また、どちらも子供が独立するまで、または老齢年金が支給されるまでの遺族の生活費や学費を確保するという目的で利用されるため、使いどころも非常に似ています。
では、そんな定期保険と収入保障保険はどちらを利用するべきなのでしょうか?
これは個人的な意見となりますが、収入保障保険の方がお勧めです。理由としては
- 収入保障保険の方が保険料が安く、無駄な保障が少ないので合理的
- 毎月必要な額が給付されるため、無駄使いすることが少ない(定期保険だと大金が入ってくるため、金銭感覚がおかしくなることも・・)
- 保険金の受取方法が「年金受取」「一括受取」「一部一括受取」と多様。まとまったお金が急に必要になった時でも対応できる
などが挙げられます。もしどちらかで迷うようであれば、収入保障保険を選べば間違いないかと思います。
収入保障保険の選び方、保障内容についての疑問
収入保障保険は具体的にどのように選べば良いのか、そして保障内容はどうすべきかの解説をしています。収入保障保険の選び方を知るために、ここはチェックしておいてください。
収入保障保険は何を基準に選ぶべきか
収入保障保険を選ぶ際、何を基準にするかで迷うかと思いますが、収入保障保険は掛け捨ての死亡保険であり、基本的に同じ年金月額でも会社によって保険料が違うため、単純に保険料が安いところを選べば間違いありません。
安いところを選ぶためにはそれぞれの会社の保険料を比較する必要があるので少し面倒なのですが、一番安いところで契約すればその後の数十年間はずっと安いままで継続できるので、契約前に必ず保険料の比較はしておくべきかと思います。
ただ、各保険会社を比較していくのはかなり骨が折れますし、思っているよりも面倒な作業となることでしょう。そのため、手っ取り早く保険料が安くてお勧めな収入保障保険が知りたい場合は、当サイトのお勧めランキングの中から選んでいただければと思います。
また、保険料の安さ以外にも「保険金の受取方法」が多様に用意されているかどうかも収入保障保険選びでは重要となってくるのですが、最近は「年金形式、一括受取、一部一括受取」の3つがちゃんと用意されている会社が多いため、受取方法の多様さは選ぶ基準として段々と意味をなさなくなってきています。
基本的に上で紹介したランキングページの上位に載せている商品については「年金形式、一括受取、一部一括受取」はちゃんと用意されていますが、「タバコを吸う方へのお勧め」の項目の2位で紹介しているオリックス生命のKeepは一部一括受取が出来ない点に注意しておいてください。
年金受取り・・毎月年金方式で受け取る
一括受取・・全額まとめて一括で受け取る
一部一括受取・・保険金の一部を一括で受け取り、残りを毎月年金方式で受け取る
健康割引(非喫煙者割引)が受けられない場合はどうするの?
収入保障保険は健康であればあるほど保険料が安くなる「健康割引(非喫煙者割引)」を採用している会社が多くあります。
会社によって微妙に条件が変わってきますが、最も安い保険料で加入するためには以下のような条件をクリアする必要があります。
【健康割引の条件】 ・過去1年以上タバコを吸っていない ・BMI(肥満度)が既定の範囲内(18以上27未満) ・最高血圧140mmHg未満、最低血圧90mmHg未満 (メディケア生命「メディフィット収入保障」より) |
そのため、タバコを吸っている、または血圧が高め、肥満度が高いという方は最も安い保険料率で加入することができず、かなり高い保険料でしか入れなくなってしまうのです。
そのような場合は、無理に高い保険料で加入する必要はありません。収入保障保険には健康割引を採用していない会社もあり、上記の条件をクリアできない方はそちらに加入した方が断然安く加入できるからです。
健康割引を採用していないところでお勧めの商品は以下の2つです。
この2つはかなり保険料が安いですので、もし「タバコを吸う、血圧が高い、肥満度が高い」のどれか一つ、または複数に該当する方は、アクサダイレクト生命かオリックス生命の収入保障保険を検討するのが良いかと思います。
保険期間はいつまでにすべきか
収入保障保険の保険期間をいつまでにすべきか悩んでいる方も多いかと思いますが、これについては
- 預貯金に余裕がある場合は「子供が独立するまで」
- 預貯金に余裕がない場合は「妻が65歳になるまで」
という選び方で良いかと思います。
公的保障である遺族年金も期待できますので、預貯金が十分にあって老後の資金もある程度確保できている場合は、子供が独立するまでの期間だけの保障で問題ないかと思います。
ただし、一般家庭の場合は家のローンや子供の学費、その他もろもろの生活費で預貯金に余裕がない状況も多いかと思います。その場合は、遺族年金があることを想定しても「妻が65歳になるまで」は必要なのではないかと考えています。
また、自営業の場合は子供が18歳になるまでしか遺族年金がもらえないため、「妻が65歳になるまで」で契約した方が安心できるかと思います。
詳しい理由などを知りたい方は以下の参考リンクをご覧いただけたらと思います。
年金月額をいくらにすべきか
収入保障保険の月額をいくらに設定するかは多くの方が迷うところではあります。
本来は家庭ごとの経済状況によって決めるのが一番ですが、大まかに決めるのであれば夫が会社員の一般的な家庭の場合は年金月額10万円~15万円くらい、夫が自営業の家庭では15万円~20万円くらいにしておくのが良いかと思います。
自営業の方が必要金額が高い理由は、遺族年金がサラリーマン家庭よりも少ないからです。
ちなみに共働きの家庭の場合、奥さん(または旦那さん)がパート勤務などで月収が低い場合でない限りは収入保障保険に加入する必要は特にありません。
収入保障保険は月額いくらに設定すべきか
最低支払保証期間は何年が良いのか
最低支払保証期間は保険会社ごとに設定している期間が異なりますが、大体は1年、2年、5年、10年あたりが用意されています。
そして最低支払保証期間は短ければ短いほど保険料が安くなります。妻が65歳になるまでを保険期間とした場合、65歳からは老齢年金が貰えるようになるため、最低支払保証期間は短くても生活費で本気で困ることは少ないかと思います。
そのため、「妻が65歳になるまで」で契約する場合は、その商品で用意されている中で一番短い期間で契約するのが良いかと思います(1年か2年)。
また、「子供が独立するまで」を保障期間とする場合は最低支払保証期間は長くしても良いですが、もし迷うようなら基本的には一番短い期間で契約するのが間違いないかと思います。
三大疾病時の保険料払込免除特約は付けるべきか
収入保障保険に加入する際、三大疾病保険料払込免除特約を付けるかどうかで迷う方も多いかと思います。
この特約は、三大疾病(がん、急性心筋梗塞、脳卒中)となって所定の条件を満たした場合に以後の保険料の払込が免除されるというものです。
この特約に加入するかどうかの判断は人によって異なりますが、私は付けても良いかなとは思っています。
というのも、この特約は月額100円~150円くらいという安い保険料で付加することができます。そのため、30歳で加入して60歳満了とした場合でも、総額3万円~5万円程度の保険料で済むのです。
60歳未満の場合は3大疾病にかかる確率はかなり低いですが、万が一3大疾病になった場合はかなりお得になります。もし40歳くらいの時に三大疾病になって所定の条件を満たした場合、約60万円くらいお得になってくれます(年金月額15万円で契約した場合)。
以上のことから、私は三大疾病時の保険料払込免除特約は付けても良いかなとは思っています。ただし、これはあくまでその人の価値観によって答えが変わってきますので、それぞれの判断にお任せします。
月100円~150円の保険料負担とはいえ総額3万円~5万円はバカには出来ない!という方は加入しなくても良いのではないかと思っています。ご自身の納得いく方法を選択するのがベストと言えるでしょう。
保険金を受け取る際は相続税になるような契約にしておこう
収入保障保険は契約者や被保険者、保険金の受取人を誰に設定するかにより、税金のお得度が変わってきます。具体的には以下の表のようになっています。
契約者 (保険料を払う人) | 被保険者 (保険の対象になる人) | 保険金 受取人 | 税金の種類 |
---|---|---|---|
夫 | 夫 | 妻 | 相続税 (とても安い) |
妻 | 夫 | 妻 | 所得税 (税額は普通) |
妻 | 夫 | 子供 | 贈与税 (かなり高い) |
基本的には夫が契約者・被保険者となり、妻が受取人になるというパターンが多いですが、この場合は相続税となり、最も税金が安くなります。このパターンでは妻が受け取る時の配偶者控除が1億6千万円もあるため、一部のお金持ち以外は相続税がかかることはほとんどありません。
そのため、出来るだけ「夫が保険料を支払い、夫が死亡したら妻が受け取る」というパターンにしておくことをお勧めします。
ダメなパターンとしては、妻が契約者(保険料を払う人)、夫が被保険者(保険の対象になる人)、子供が保険金受取人になるという契約です。
この設定だと贈与税がかかってしまうため、かなり高い税金を取られることになります。子供にお金を遺してあげたい気持ちは分かりますが、贈与税がたくさん取られるという結末は誰もが望んでいませんので、できればこのようなパターンは避けた方が良いかと思います。
また、保険金を年金受取にした場合、相続税の他に所得税がかかるようになります。これは年金受取にすることで保険会社がお金を運用して増やす期間が長くなるので、増えた分のお金だけ所得税がかかるという仕組みなのですが、これに関しては仕組み上ほぼ税金はかかりませんので、その点は心配しなくても大丈夫となっています。
収入保障保険を契約する際に知っておきたい予備知識
生命保険料控除の対象になる
収入保障保険に加入すると、生命保険料控除を利用することができます。
生命保険料控除とは、支払った保険料に応じて所得から控除されるというお得な制度のことです。所得税は最高4万円(旧契約は5万円)、住民税は最高2.8万円(旧契約3.5万円)までが年間の所得から控除されます。
ちなみに、旧契約とは平成23年12月以前に契約したものをいい、それまでに収入保障保険に加入している方は最高で5万円(住民税は3.5万円)が控除されますが、今から収入保障保険に加入する場合は新契約となりますので、最高で4万円(住民税は2.8万円)までの控除となります。
生命保険料控除は節税が出来るというかなりお得な制度のため、必ず利用するようにしましょう。サラリーマンの方は会社で年末調整してくれますので、「給与所得者の保険料控除等申告書への記入」や「生命保険料控除証明書の提出」などは忘れないようにしてください。
今検討中の収入保障保険が正解か分からない方へ(収入保障保険ランキングのご紹介)
現在、加入しようと思っている収入保障保険が本当に正解なのか、疑問に思っている方も少なくないでしょう。
そのような方は当サイトの収入保障保険お勧めランキングを一度みていただけたらと思います。現役FPであり、保険の専門家でもある管理人takaが自信を持ってお勧めしている収入保障保険をご紹介していますので、収入保障保険選びで悩む方には参考になるのではないかと思っています。
良ければ是非ともチェックしてみてください。
保険初心者がベストな保険を探すための5つのステップ
- [ステップ.1] 保険は本当に必要なのか
- [ステップ.2] 生命保険の選び方
- [ステップ.3] 最新の生命保険ランキングTOP3
- [ステップ.4] 保険はどこから、誰から加入すべき?お勧め保険相談4選
- 保険相談前に読んで欲しい「生命保険・医療保険の基礎知識」
- [4-1] 最低限の基礎知識
- [4-2] 基本的な保険用語
- [4-3] 加入してはいけないダメ保険とは
- [4-4] 必ず把握しておきたい公的保障4選
- [4-5] 医療保険とがん保険、入るならどっち?
- [4-6] 医療保険とがん保険のベストな組み合わせ3選
- [4-7] 保険加入を期に健康的な生活を送ろう
- [ステップ.5] 保険相談の当日~その後に取るべき行動とは
- 契約前にチェックすべき「解決すべき疑問点」
- [5-1] 定期保険の選び方と疑問点
- [5-2] 収入保障保険の選び方と疑問点 ←今ここ
- [5-3] 終身保険の選び方と疑問点
- [5-4] 学資保険の選び方と疑問点
- [5-5] 個人年金保険の選び方と疑問点
- [5-6] 医療保険の選び方と疑問点
- [5-7] がん保険の選び方と疑問点
興味があるところだけを読んでも良いですが、保険初心者の方は出来るだけステップ.1から順番に読んでもらえればと思います。
この記事を書いた人
- taka
- 当サイト「takaの保険節約術」運営者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者。骨折&手術で身をもって保険の大切さを知って以降、独学で身に付けた保険の知識を紹介するようになりました。FPから紹介された保険の見直しもやってます。保険だけでなく安定度の高い資産運用方法を常に模索しています。ラーメン、焼肉、ラケットスポーツ好き。
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